2-21【静かな雨音 5:~ヴェレスの用事~】
『スコット先生、やっぱりちょっと変だったね』
まだ朝の空気の残るアクリラの空をロメオに乗って駆けながら、ふとモニカが呟いた。
『そうだな』
ガブリエラがやってきた翌日、俺達は今後の方針について、俺達の”バッジの先生”ことスコット先生に相談しようと彼の研究室を訪れていた。
だが、昨日の今日では”相談”以上の事はできなかったが。
相談したのは”軍事会議”へ出席するか、するとすればどういう形になるか、その場合どういった準備が必要になるか、といった事案。
今回決まった方針としては、ギリギリまで俺達は行かない方向で、行ったとしてもできるだけ会議には直接参加しない方向で、参加したとしても”
残念ながら、実はトルバの英雄らしい彼でも、アムゼン魔国はどうしようもないらしい。
そもそも今の彼には発言権が無いとも言っていたし。
期待したシセル・アルネスの戦い方についての情報も、あまり参考にならなかった。
教えようとしてはくれたのだが、口だけではどうも上手く伝わらない。
とりあえず初手がマジで危険というのだけは肝に刻んでおこう。
最大の問題は会期中の俺達の”護衛”に関して。
連絡室に寄ってマグヌス、アルバレス共に俺達の警護の確約は得たが、国際紛争の争点になりかねない以上、”特級戦力”による直接の護衛は難しいとのこと。
そりゃ戦略兵器である勇者と一応のトルバの最高戦力がぶつかりあえば、もうその時点で戦争状態である。
まあ、それでも
ただ、そうはいってもシセル・アルネスがその気で来ればガブリエラですら守りきれる自信がないワケで、護衛に関しては頭が痛い。
スコット先生は何とかすると言っていたが、アクリラが捻出できる戦力も限度があるだろう。
最近ヴィオがやる気なので、魔力をジャブジャブ注いでエリクに限界まで”下駄”を履かせれば、何とか条件付きで特級戦力級になるかな・・・
あ、
『そうだ、エリクに会いに行っとかないと』
俺はふとそう呟いた。
『エリクになにかあるの?』
『大ありだ』
というか、並べてみると実感よりかなり要件が多い。
ハスカールのデータ補正に、防護されていたとはいえ被曝環境にいたエリクの健康状態の確認、彼の今後の強化。
それだけじゃない。
『少なくとも、これからしばらくは討伐旅行できないだろ?』
『うん、そうだね』
魔獣討伐は金にはなるが、今俺達がアクリラを大きく離れてリスク環境下に行くことはできない。
闇討ちはないというのはあくまで一般論であって、大魔将軍様が単独で行動しないとも限らないのだ。
まあ、それはないとは思うのだが、モニカ連絡室のジョルジュ曰く遺跡での一件もあってどうもアルバレスが思いの外警戒してるらしい。
少なくとも俺達の行動をかなり心配しているようなのだ。
いくら名目上だけとはいえ、貴重な味方である”母国”の顔は立てといた方が良い。
だが、エリクはその収入でヴェレスの孤児の集団を支えていると聞いた。
『それが無くなるわけだし、”代わりの依頼”の件も含めて話しとかないと』
『あ、そっか。 いきなりだもんね』
俺の言葉にモニカが納得と肯定の感情を送ってきた。
『それにエリクに”診てほしい人がいる”って言われてるだろ?
あれも早い内に処理した方がいい。 誰か医者を紹介するにしても時間がかかるからな、今の俺達は時間が経つほど動きづらくなる可能性が高いし。
それに俺達もエリクもちょうど今日”暇”だろ?』
本来なら数日掛かりの依頼が1日と少しで中止されてしまったので、予め空けていた今日の予定が丸々空いている。
魔道具系の勉強に当てたいが、元々エリクと組む予定の時間だったし、やるべき事はさっさと済ませて、”本丸”の問題に取り組みたい。
ただし、
『今って、ヴェレス行ってもいいの?』
モニカがその”問題”を口にする。
ヴェレスまで飛べば半時間掛からないが、それでもあそこは純然たる”アクリラの外”。
アクリラ外に出れないと伝えるために、アクリラ行政区を出るなど本末転倒だ。
『どうしようか?』
『先生にそうだんする?』
『そうだなー、ちょっと待て』
俺はモニカにそう伝えると、即座に意識を”集中講座中”の分体と同期させた。
◯
意識だけが上空の雲の上に飛び、俺達の姿が遥か下の方に見える。
気がつけば俺は、アクリラに浮かぶ大きな岩の上に建てられた、犬小屋くらいの大きさの中に置かれた動けぬ人形の中にいた。
”授業”があったのか、なんとなく僅かに”知識”が増えている。
すると頭の上で、何かがもぞりと身を動かした。
「おや、今日はいつもとは違う時間だな」
「おはようございます、オリバー先生」
俺は自分の概念魔法の教師であるその小さなヤモリに挨拶する。
「なにかあるのか?」
「ちょっと、お願いがありまして」
彼(?)は俺が常時端末であるリンクス君人形を置いて、常に授業を受けているおかげで、俺がアクリラで最も素早くアクセスできる教師だ。
そしてアクリラの上層部に対して最も素早く連絡できる存在でもある。
何せ半分アラン先生と融合しているような物だからな。
いつもの様に、「違う!」と叫びながら頷いてくれたヤモリ教師が俺の前に這い出てきた。
普段、常時俺に講義するときは力を節約する為にリンクス君人形の頭に張り付いているオリバー先生だが、こうして本体と同期しているときは正面にやってくる。
これも彼にとっては”概念魔法の定義付け”なのだろう。
「それで、どういった類の話かな?」
「”確認事項”・・・ですかね?」
俺は普段の授業で習ったように、オリバー先生には極力要点を纏めて相談した。
ここで重要なのは、ちゃんと”ヴェレスに複数回行けるか”を問うこと。
エリクの件はその中に内包されるし、ヴェレスに行けなきゃ無理なので今は言わない。
「なるほど、それは確かに不安になる」
オリバー先生はそう言うと、片眼をちろりと舐めて何かの魔法を展開した。
彼自身も、この問が彼自身の手にあまることを理解したのだろう。
オリバー先生は教師用の通信魔法で誰かやり取りしていた。
「ふむ、なるほど」
オリバー先生がそう言いながら首をひねる。
「ヴェレスの街以外にはいかないのだな?」
「今のところはそのつもりです」
「ならばそこまで問題はないとのことだ。 既に君達は魔王の招聘に応えるとマグヌスの王女が返答しておるらしい。 ならばこの程度のことで手は出さぬだろうとのことだが」
「ガブリエラはもう返答したんですか?」
オリバー先生の言葉に俺が大いに驚く。
そもそも俺達がこの話を耳にしてから、まだ一日も経っていない。
たとえ魔力による高速回線が存在する時代だったとしても、国家間のやり取りに要する時間としてはあまりにも短い。
だがオリバー先生は小さく首を振った。
「ガブリエラではない、”クラウディア”だ」
「え!? あの人が!?」
俺の脳裏に、あのどこか油断できないガブリエラの姉の笑みが浮かび上がる。
「どうやら別ルートで情報を仕入れて動いていたようだな」
「そうですか・・・」
あの人は相変わらず、何をしているのかわからない。
まあ、そのおかげで手続きが楽ともいえるんだが。
「じゃあ、あまり心配しなくてもいいんですね?」
俺がそう確認すると、オリバー先生がヤモリの小さな首を上下に振った。
「”近辺の街”ならば・・・まったく、あやふやな定義だ。 ただ条件”があるらしい」
「条件ですか?」
なんだろう?
◯
そんなこんなでヴェレスへのお許しが出た俺達は、すぐにヴィオに連絡を取って空へと上がっていた。
今回は急ぎではないので、キャノピーを開けてゆっくりと流れる風でモニカが顔を洗う。
昨日の今日でやってくると聞いたヴィオは驚いていた。
予想通り、エリクの今日の予定は未定だったが、もう既に何か手近な依頼がないか確認しに行くところだったらしい。
ついでに”件の御人”と会えるかと確認したところ、大丈夫だろうとの事だった。
これで二度手間にならずに済むな。
すると俺達の後で身をよじる気配が。
「昨日も思ったけど、これ楽でいいわね」
後方視界に、”保護者”がそう言いながら大きく伸びをしている姿が映った。
「ねえねえ、前に飛んだときより、随分快適になってるじゃない」
そう言いながらコックピット内をペタペタと触って、子供みたいに目を輝かせる青い少女。
言うまでもなくルシエラだ。
彼女は、俺達がヴェレスに行く”条件”として言い渡された”保護者”である。
確かに単純な戦力として、これ以上心強い同行者はいない。
流石に大魔将軍相手ではキツイが、彼女がいることで取れる手段の数は俺達だけの比ではないからな。
それに、大魔将軍といえど、クリステラの最重要戦力まで手にかける度胸はないと信じたい。
若干、子供の様にはしゃぐ姿に不安はあるが・・・
「ルシエラを前に乗せた時っていったら、そりゃ酷かったからな」
アクリラに来てから何度か、飛行資格持ちのルシエラを吊り下げて郊外で試験飛行をしたものだが、俺達が免許取ってからはない。
免許取る前の俺達の飛行ってのは、そりゃもう酷いもんで、騒音も振動も凄まじい物があった。
「うるさいイメージがあったけど、これなら寝れるわね」
そう言って、後にどっかり体重をかけるルシエラ。
「寝るなよ?」
俺はそう言って釘を差した。
後部座席で寝られると余計な睡魔に対処しなきゃならん。
◯
ヴェレスの街に降りてから、俺たちはすぐに冒険者協会に寄って来訪手続きを済ませる。
もともと必要な手続きだが、ここにいるよという証明にもなる。
これで少しは闇討ちの可能性を下げてくれればいいのだが、大魔将軍様相手ではそこまで期待できないだろう。
「今日はどういったご用で?」
謎の上級生を引き連れ、いつもと違って依頼を受けない俺達に、受付のお姉さんが訝しげな表情で聞いてきた。
飛行能力のおかげで比較的高頻度でやってくる俺達は、もうすっかりここの顔馴染みになっている。
「エリクによばれて、”診て欲しい人”がいるんだって」
モニカがそう答えると、お姉さんは疑問半分、納得半分といった表情になった。
「ああ、なるほど。 ・・・それじゃ私からも、お願いしますね」
「・・・? わかった」
モニカが首を傾げながら了承した。
『知ってる人なのかな?』
『だろうな。 エリクはここじゃ主力だし、その関係者について把握されていてもおかしくはない。
それにエリクとヴィオがあれだけもったいぶるんだから、例え”師匠”とやらじゃなくても結構な有名人なんじゃないか?』
◯
冒険者協会を出た俺達は、ヴィオに取り付けた約束の時間までルシエラと一緒にヴェレスの街を散策することにした。
主に、アクリラに来るときに戦ったエリアを中心に。
今年の初めに一緒に来たときは、それはそれで観光なんて軽いノリじゃなかったから、ようやくゆっくり思い出に浸りながら散歩ができた。
出てくる思い出が、あそこの建物を吹き飛ばしただの、そこの角で死にそうになっただのと物騒なものばかりだが・・・
ルシエラが氷漬けにした広場は、改装したのか随分綺麗になっていて、比較的寂れた裏路地の物置広場といった場所は、すっかり市民の憩いの場に発展を遂げていた。
元気に走り回る子どもたちの姿をモニカが横目で追いながら、俺はなんともたくましい街だと改めて思ったものである。
「いやー、すっかりキレイになったものね」
すると、そう言いながら安心したように胸を張るルシエラ。
純粋に自分が関わった土地の発展を祝福しているようだが俺達は騙されない、その内心では今日まで賠償費用を請求されるんじゃないかとビクついていたことを知っているからだ。
我らが姉貴分はこう見えて小心者である。
もっとも、安心するのは少し早すぎるが。
「でも表通りの方のビルは、まだいくつか建て替えの目処がついてないんだってさ」
「・・・」
俺がヴィオから聞いていたその情報を指摘すると、そのビルを力任せに破壊して回っていたルシエラが笑顔のまま冷や汗を浮かべ、モニカの後頭部から俺の感覚器を引っ張り出してグリグリと握りしめた。
感覚器といえど痛覚はないが、回路が痛みやすいのでやめてくれ。
俺はそんな念を込めながら感覚器を捩ってルシエラの拳から逃げようとするが、ルシエラの握る力が強すぎてうまくいかない。
「いい? あれは不可抗力なの」
ルシエラがものすごく怖い顔で迫ってきた。
「・・・い、いや、それはわかってるから! 感謝してるから!」
そうやって俺は必死に抵抗を試みるも、マジな目のルシエラ相手では分が悪い。
俺達がそんな風にじゃれていると、モニカが後ろを見ながらなんとも言えない表情を作った。
「ところでルシエラって、なんで今日ヒマだったの?」
「ん?」
ふとモニカが藪から棒にそんなことをルシエラに聞き、ルシエラがキョトンとした表情を作る。
「そういやそうだなルシエラ、今日の予定なかったのか? 高等部ってそんな暇なのか?」
普段、彼女は朝から晩まで色々と忙しく飛び回っていて、朝食や夕食ですら予定の合わないイメージなのだが、俺達がエリクのところに行くと行った瞬間二つ返事で同行を申し出たのだ。
ちょっと考えなくとも変な話である。
だが、そんな俺達に対してルシエラは呆れたように顔を顰めた。
「うーん・・・この子は」
そう言いながら俺達の頭をグリグリと拳で捻り込み、その鈍い痛みに俺達は目を顰めた。
「昨日の今日でアクリラから出ようって行動起こす妹分を、放っておけるわけないじゃないの、予定はキャンセルよキャンセル。
元々そんな急ぎじゃなかったし」
そう言って腰に手を当てて憤慨した。
「・・・あ、ありが・・・ブッ!?」
モニカが感謝の言葉を口にしようとしたところ、そんな物はいらないとばかりにルシエラが俺達の口を掴んで黙らせる。
そんな態度を取られては、俺達は黙るしかない。
すると俺達の反応を満足気に確認したルシエラが、徐に話題を別の方向に切り替えた。
「ところで、モニカはどっちがいいの?」
「・・・どっち?」
これまた唐突なその質問に俺達は揃って首(感覚器)を傾げる。
「どっちって何の話だ?」
俺がそう聞き返すと、ルシエラは完全に予想外の質問を投げかけてきた。
「あのルーベンって子と、こっちのエリクって子、今はどっちが本命なの?」
俺達で遊ぶときに見せる、酷く面白そうな顔で。
「”ほんめい”?」
「またまた~」
言葉の意味を理解しかねたモニカに対し、ルシエラが本当に意地悪そうな顔で肘をグリグリと押し付けてきた。
「隣町の男の子のところに通い続けるとか随分と殊勝じゃないの、好きでもないとできないわよ」
なるほど・・・
『どうしたの、これ?』
モニカが俺に気持ち悪そうに聞いてくる。
『どうやら俺達とエリクの関係に、どういうわけかルシエラの”恋バナセンサー”が反応しているらしい』
『うえっ、なんで?』
『さあぁ』
いったい何が彼女の琴線に触れたのか。
「エリクは別にキライじゃないけど、そんなんじゃないよ?」
モニカがあたり前のこととばかりにルシエラに告げる。
つい先日アイリスに似たような事を聞かれたときは満更でもない返答だったが、モニカは”性欲”と”恋”は別けて考えるタイプなのだ。
だが彼女にそれを信じる気はないらしい。
「じゃあ、なんで通い続けているの? 今日だって理由ができたらすぐに来たわけだし」
「なんでって・・・」
なんでって言われてもなー
「そういう”けいやく”だし」
モニカがすぐにそう答える。
パーティを組んで依頼を受けてもらい、たまに俺達の色々な”手伝い”をしてもらうためのパーティメンバー。
エリクとはそういう契約だし、頻繁に会いに行くのは今後に予定されている”大旅行”のための訓練でもあるし、ヴィオの面倒を見る必要もあるし、単純にデータ源として有益ってのもある。
だが俺達がそれをなんとか伝えようとしても、あまり良くわかってくれないらしい。
「じゃあ、その”北国旅行”が終わったあとはコンビ解消するの?」
「俺達の”研究材料”だからなー、エリクの件にしても、ヴィオの件にしても、放ってはおけない」
「うん、他に”ゼンエイ”いないし」
モニカがボソっとそう付け加えると、ルシエラがそら見たことかとばかりに鼻を鳴らし、軽く目を閉じて「皆まで言わずとも分かってるから」とばかりに頷いた。
間違いなく分かってない顔だ。
ところで、エリクについてはなんとなく納得したが、ルシエラはなぜ俺達とルーベンに”恋バナ”の匂いを感じているのだろうか?
状況から言って前から勘違いしてるみたいだが、俺達はともかくルーベンにしてみれば随分と迷惑な話だろうに。
俺は心の中でルシエラに代わり、ルーベンに謝罪した。
◯
エリクと合流したのは、それから少しした頃。
「ほう、この子が」
すると挨拶もなしに、いきなりルシエラがエリクの値踏みを始めた。
どうやら、俺達にふさわしい男かどうか見極めてやろうという事らしい。
まだ変なものを引きずっているのか。
「え、ええっと、・・・誰?」
見慣れぬルシエラの姿にエリクが俺達に駆け寄って、袖を引っ張りながら小声で聞いてくる。
「・・・わたしの”つきそい”。 おなじ寮の部屋の先輩のルシエラ」
「・・・」
若干恥ずかしげな俺達の紹介に、エリクが目を大きく開けてルシエラの姿をマジマジと見つめる。
その反応は、単純に長身でピカピカ光ってる青い人間を見たから、という言葉で説明できる範疇であったが、それだけではない事は同時に接触してきたヴィオの反応でわかった。
『エリクが過去に見た事があるらしいですけど、そうなんですか?』
『お前ら、もう会話できるの!?』
俺が話の要点とは全然違う所に驚く。
この短時間でこの反応ということは、少なくともエリクがヴィオに何らかの伝達を行ったのは間違いない。
だがそんな兆候は見られなかった。
いくら俺の情報を無制限に見れるヴィオとはいえ、こちとらかなり長い時間それで苦労しただけにショックである。
『こっそり会話できるように、所作でサインを決めているんですよ』
『あ・・・あ、そう』
俺はその言葉にホッとすると同時に、そんな方法で高度な通信を実現しているエリクとヴィオに末恐ろしいものを感じる。
『で、質問の答だが。 ああ、たしかにエリクはルシエラと会ったことがあるよ』
俺はそう答えながら、エリクには見せないように念を押してから、アクリラに来る直前に遭遇した
エリクにはあの時、俺達の功績を被ってもらっている。
・・・でも、あの時って変装してたよな?
『うーん、多分違うと思います。 見た場所が街中みたいなので』
『街中?』
じゃあ別の時にすれ違ったのか?
『えーっと、以前ヴェレスで戦ってませんでした? その時に見た青く光る”裸の女性”に似ているみたいで・・・』
あ、あの時だ・・・
『・・・チガウヒトダヨ』
俺が内心で冷や汗をかきながら、即座に否定した。
あれはルシエラにとって良い記憶ではない、真っ裸で街の空を駆け回って羞恥心を擦り減らし、未だに賠償請求されるのではビクついている。
大恩ある姉の恥は隠すのが弟の務め。
ヴィオもそんな様子の俺に何か察したのか、ヒュドラの事も含めてエリクに黙っておいてほしいと頼むと、それ以上は追求せずにエリクに気の所為だろうと流してくれた。
「はじめまして・・・エリクです」
初対面の挨拶の文句に若干の疑念を含ませて、エリクがルシエラに頭を下げる。
そしてルシエラがそれに答えると、すぐに俺達に向き直った。
「まさか昨日に頼んでから、こんな早く来てくれるなんて」
エリクの声に驚きと安堵の色が滲んでいた。
「”つたえたいこと”もあるし」
「伝えたい事?」
「これからの”おしごと”の話」
俺達はまず事前の予定通り、少なくともこれから数ヶ月はアクリラから大きく離れられない事、討伐任務などの危険性の高い依頼は受けられない事を伝えた。
エリクの反応は予想通り、やっぱりかという納得と捨てられた子犬のような悲しげなもの。
やはり直近の収入源が突然途絶えるのは堪えるだろう。
俺達と組むことで、エリクは広範囲の破格の高ランク依頼を受けることができたが、彼一人ではそうはいかない。
ただし、その代わりに”別件”の依頼がある。
「わたしの”護衛”として、エリクを雇いたい」
モニカがそれを口にすると、エリクは怪訝な表情になった。
「モニカの護衛? 何でそんなものが必要なんだ?」
真剣に俺達が守られねばならぬ理由が思いつかないといった表情だ。
まあ、たしかに・・・
「うーんとねー」
モニカはそれから、ルシエラと俺のデータに助けられながら、ラクイアに行かなければならない事、そこで信頼できる戦力が必要であることをエリクに説明した。
世界中の魑魅魍魎が跋扈するらしい世界会議の場では、俺達の戦力はなんとも心許ないし、随分と見窄らしい。
何かの余興のついでに消し飛ばしてしまっても、なんの問題もないように見えてしまう。
なので俺達は、”ヴァロア伯爵子”としてラクイアでの護衛の依頼を頼むことにしたのだ。
貴族の子供なら付き人を引き連れても変ではないし、非戦力でも何人かで徒党を組めば”社会的防御力”向上させるだろう。
少なくとも、安易に手を出しづらい雰囲気は醸し出せる。
冒険者協会を介すことで、牽制する意味合いもあった。
それにエリクとヴィオならば、単純な戦力としても期待できるし、安心もできるしな。
そこまで説明したところで、エリクは酷く驚いた様子で質問してきた。
「モニカって、”貴族”だったのか!?」
そんなまさか、といった表情で。
「あはは・・・貴族というか、”モドキ”というか」
モニカが困ったように頭を掻く。
別に隠していたわけじゃない。
匂わせることも多々あったし、そのものズバリのワードを出した事もある。
ただ、俺達の名前についている”ヴァロア”という固有名詞が、エリクの中で貴族と結びついていなかっただけの話だ。
とはいえ俺達の中でも、”貴族”という意識が抜け落ちていたし、その居心地の悪さからエリク達に努めて意識させないように動いていたとも思う。
早い話が、”モニカ・シリバ”でいられる環境に甘えていたのだ。
だがこれから先の話を、そのことを無視して進めることはできない。
「それで、やってくれる?」
「やってくれるかと聞かれても・・・」
エリクが困った様に俺達の目を見る。
そこには困惑の他に、話の大きさに対する薄っすらとした恐怖と、どう答えるべきかという迷いの感情が見て取れた。
「貴族として、これまでと同じくらいのお金は出せるよ」
モニカが告げる。
貧乏貴族なので、正確にはアルバレスの国庫からだが・・・
それでも、後押しにはなったらしい。
「・・・わかった」
エリクはそう言いながら、恐る恐るといった感じに頷いた。
それでも、一皮むけた剣士らしい決然とした雰囲気は感じられる。
きっと、”四本蜘蛛”より怖い事はないと思ったのだろう。
・・・あれより遥かに怖い存在に睨まれていると知ったら、どんな表情になるのだろうか。
◇
俺達は、長身で美人でやたらピカピカ光ってるルシエラに顔を赤らめながら緊張しているエリクに連れられて、街のハズレの方へと向かった。
すると、すぐに独特の酸っぱいような、何かが腐敗したような、洗ってない動物のような独特の臭いが鼻に飛び込んでくる。
それは、この辺の住民たちの体臭もあるだろうが、その大部分は捨てられたゴミの臭い。
エリクが住んでいるのはヴェレスの打ち捨てられた区画の一つ、通称”屑山”と呼ばれる場所にある。
最初はなんでそんな所にと思ったものだが、彼はそこで彼の師匠と孤児たちの用心棒のようなことをしているらしい。
「えっと・・・すいません、ちょっと臭くて・・・」
まさかルシエラみたいな美人がやってくるとは夢にも思っていなかっただろうエリクが、ルシエラと屑山の景色をチラチラと見比べながら、申し訳無さそうに呟いた。
だがルシエラは笑顔で首を振る。
「ぜんぜん、これくらい臭い内に入らないわ」
そう言って気にするなとエリクの肩を叩くが、エリクの顔には「そんな訳ないだろう」という言葉が張り付いていた。
だが、彼は知らない。
幼少期からアクリラでトップに君臨し続け、校外活動でも名を馳せる国家最強戦力様が、この程度の臭いなど本当に何とも思っていないことを。
実習で嗅ぐ疫病マシマシの腐乱死体とかマジで臭いからな。
何だったら、彼女の”
屑山の中に入ると、周囲にいた孤児たちが不安そうな目で俺達を見てきた。
エリクに連れられているから警戒こそしていないが、一見すると彼等とは”真逆”の存在に思えるルシエラの姿は、言いしれぬ不安を掻き立てるらしい。
ここの住人に共通するのは、皆何かしらの”障害”を負っていることか。
索敵系スキルを使うまでもなく、屑山に作られた小屋の中には臥せった子供の気配があるし、動ける者も手や脚が無かったり、動きのおかしな者ばかり。
死にかけが軽症扱いのアクリラからほんの数十キロ光景とは思えないが、これもまたこの地域の現実だ。
彼等は社会から”価値無し”と判断され、助ける”コスト”を回収できる目算がないと、社会から捨てられた存在。
恵まれたアクリラ生ならいざしらず、”治せる時期”を過ぎてしまった者を治療する費用は、少なくとも一般人の財布では莫大なものになってしまうのだ。
必然的に、彼等の纏う空気は打ち捨てられた者の剣呑さを持っている。
だがモニカはそんな事情など一切考慮することなく、孤児たちの姿を物色する様にガン見しながら進んでいた。
特に卑下するような感情は全く無いのだが、その傍若無人なモニカの行動に何人かの子供が警戒している。
彼等にしてみれば、見た目こそ同じくらいの子供でもアクリラ生は”怪獣”だからな。
そしてエリクは、そんな彼等の守護者としてここに住んでいるらしい。
正確には彼の”師匠”がであるが。
「”診てほしい人”って、エリクの”おししょう”さん?」
歩きながらモニカが直球で聞く。
その問いに、エリクの歩調が僅かに乱れた。
「えっと・・・わかった?」
エリクが少し困ったように聞き返す。
「うん」
なるほど、別に隠すような内容ではないが、バレてしまうとは思っていなかったらしい。
俺達と一緒ってことか、これで”おあいこ”だな。
まあ、約1名・・・詳細を知っているヴィオは俺に聞かれてもはぐらかしていたので、答える気があったかは別だろうが、それもまた俺達と同様なので文句は言えない。
だが、やはりお師匠さんだったか。
臥せっているという話だが、俺達でどれだけの事ができるだろうか?
何度も言うが俺達は医療魔法士ではないしその志望でもない。
せいぜいが冒険者協会が設定している汎用医療魔法に独自のアレンジを加えたものが限度。
一応ルシエラが付いてきているので、最悪、俺達でどうにもならない状態でも”外傷系”であればかなりの重症まで対応できるが、慢性的な病症や、長期に渡る欠損などはどうしても難しい。
ほぼ間違いなくアクリラの病院に引き継ぐことになるだろうが、高額な医療費をどうするか。
ウチも貴族だが財布は寂しいし、稼いだ銭は”投資”に回して手持ちがないからなー。
なんとか俺達の関係者ということでガブリエラにたかれないものか・・・
そんな風に俺が変な皮算用をしていると、俺達を先導していたエリクの歩みが止まった。
「ちょっと、ここで待ってて」
エリクはそう言うと、”寝床”と言ったほうがいい廃品で作られた小さな小屋の前に俺達を残し、その中へと入っていった。
どうやら件の人物はここにいるらしい。
見た感じ他の孤児たちと同じ、廃品で作った普通の小屋だ。
それでも製作者にエリクがいるのでしっかりした構造だし、ヴィオが手伝ったのかここ最近補修したと思われる跡も見えるが、それは他も同様。
俺はそれとなく、索敵スキルの反応を注視する。
すると、小さな小屋の中で動くエリクと、何やら座るように壁にもたれかかっている人影が映し出された。
『相当弱っているみたいだな』
エリクに話しかけられ動き始めたその人影の動きはなんともぎこちなく、どこか触れれば折れてしまいそうなほど貧弱に思えた。
健康な時の姿は知らないが、一人で魔獣を相手できるという話を信じるなら、症状はかなり悪いのではないだろうか?
小屋の中で”師匠”と思われる人物が体を動かす気配が流れてくる。
だが様子がおかしい。
何やら口論でもしているかのように大きな声が聞こえてきたのだ。
『どうしたのかな?』
『さあ、どうも嫌がってるらしいけど』
傍若無人なモニカと違って日和見な俺は、住人のプライバシーを尊重するために簡易な索敵スキルしか作動させていないので師匠の声は聞こえないが、漏れ聞こえてくるエリクの言葉からして、どうやら本当に師匠とやらは治療されるのを嫌がっており、俺達が来るのも内緒だったようだ。
それも結構なレベルで。
この様子だと、もし事前に根回ししても反対したんだろう。
『よっぽど、きむずかしいひとなんだね』
『みたいだな。 ただ、エリクの気持ちもわかる』
この弱り様から考えられる落差は相当なもの。
エリクでなくとも心配した筈だ。
「もう中に入っちゃった方がよくない?」
しびれを切らせたのか、ルシエラがそう言って親指で小屋を指し示すが、モニカは首を横に振る。
「エリクが呼んだら入る」
「ふーん・・・」
モニカの返事にルシエラが興味深そうに目を細め、侵入阻止に動いたロメオの頭を撫でる様に軽く抑える。
だが、モニカは代わりに別の場所を見ていた。
大きなゴミの山の一角で、静かにこちらを見下ろす”少年と少女”の姿を。
いや”見下ろす”というのは語弊があるかもしれない。
少年の方は目が潰れ、少女の方は少年に付き従っているだけといった感じにこちらに興味を示していない。
にもかかわらず、何故か虚空に向けられているはずの少年の視線は俺達のことを正確に射抜いていた。
『ここ、”おもしろい人”がいるね』
その少年の姿をモニカはそう評した。
『ヴィオの話だと、あの少年がここのまとめ役みたいだ。 盲目なのにとも思ったが、さもありなんといったところか』
モニカが反応することからしても、普通の少年ではなさそうだ。
少年はわずかに警戒感を匂わせた俺達に対し、まるでその真意を俺ごと見抜いているかのように優しげな笑みを浮かべている。
ただ不思議なことに不快感はなかった。
そればかりか、なんといえないような安心感すら感じる。
きっとここにいる孤児たちの殆どは、その包み込むような微笑みに惹かれたのだろう。
『ロンは感じる?』
『何をだ?』
『うーん、ちょっと言葉じゃ説明できないかも。 感じないならいいよ、”危ない人”じゃないから』
『・・・』
モニカのその言葉に、俺は思わずかなり強めに測定系のスキルを展開してしまった。
だが少年のデータは思いの外普通のもので、なにか強い力で眼球が潰されているのを除けばどこの街にもいそうなものだ。
変な魔力があるわけでもないし、モニカは何に反応したのだろうか。
『説明できないなら、せめて感覚だけでもくれよ』
『こんなかんじ』
そう言ってモニカが自分が感じている違和感を俺に流す。
だが、”動物的解析能力”に欠ける俺では、後頭部の下あたりが疼く以上の事は何もわからない。
似たような反応は腐ったものを食べようとした時とかだろうか?
でも別にあの少年は腐ってもいないし食べる気もないからな・・・
『害はないんだな?』
『うん』
じゃん、心配するだけ無駄か。
俺はそう思うと、意識を小屋の中へと戻した。
小屋の中での押し問答はまだ続いていたらしい。
どうやら相当、外に出たくないらしい。
どうしたのものか。
筋金入りの引きこもりを前に俺達はルシエラと顔を見合わせていると、小屋の中からヴィオの通信が飛んできた。
『お父様、入ってきてくれますか?』
『ん? 師匠さんの了承は取れたのか?』
『いえ、全然ですが。 エリクがこのままでは埒が明かないと』
『だよなー』
どうやら、一向に人に診させる気のない師匠の姿勢に、弟子の方が痺れを切らしたらしい。
無理もない。
俺がそのことをモニカとルシエラに伝えると、ルシエラは”ようやく”かとばかりに肩をすくめた。
何度かモニカが首を振って周囲の様子を確認してから、小屋の扉部分にかけられた分厚い布をめくり中へと入っていく。
と、同時に俺は先行して診察のための観測スキルを起動し始めた。
どこが悪いのか、少しでも多くの情報を集めておかないと判断できないからな。
『ん?』
『どうしたの?』
『いや、なんでか知らないが、エラーばっかり帰ってくるんだ』
エリクの傍らに座るその人影からは、バイタルデータなどの基本的な情報さえ読み取れなかった。
『どっかで壊したのかな・・・』
まいったなー、弄りすぎて壊したか・・・それとも俺達に特化させすぎて弾いちゃってるのか。
複雑すぎてブラックボックスと化しかけているスキルを開きながら、俺は頭を捻った。
とにかく医療系は借り物の魔法を組み込んでるせいで、こういう時弄れなくて困る。
成長に伴って機能していた命令でも変化したか・・・成長期だし、ちょうど今
使える”力”の変化に対応が遅れがちなのだ。
まあ、測定系のスキルは沢山あるし、組み合わせればどうにかなるだろう。
小屋の中に入ると、狭かったせいかすぐに件の師匠の姿が目にと飛び込んだ。
師匠は今は起きたのか廃材で作ったベッドに腰掛けるエリクのすぐ奥で、上半身を起こしてこちらを見ていた。
だが全身をくまなく覆う分厚いボロ布のせいでその表情はおろか、体型すらよく分からない。
顔まで覆って、よく見えるな・・・
肌を隠していることからして、皮膚病か、それとも皮膚に症状が出る病気とか?
だとすれば感染症の疑いもあるな。
その可能性がチラリと浮かんだ俺は、少しだけ警戒してて自身のデータの監視を強める。
だが、そうすると今度はこの”小屋”が妙だ。
師匠の住んでいる小屋の中は、ホコリが積もり家具が曲がっていたりするが、それ以上に傷んでいる様子はあまりない。
綺麗というわけでもないが、あまり汚れておらず妙に生活感がない。
それに、病人が長期間臥せってる部屋がこんなに無臭だろうか?
そう思った俺は、いつの間にか漂っている”殺気”に気づくのが遅れた。
「・・・やはり、エリクより筋がいいな」
エリクの師匠がポツリと呟く。
するとまるでその言葉に縫い留められたかのように、俺達の体がピタリと動きを止めている事に気がついた。
まるで鉄筋に挟まれた様なギチギチという音が全身の筋肉から鳴り響き、額から冷や汗が伝い落ちる。
後ろを見れば、ルシエラも俺達より少しだけ余裕があるだけで、緊張にピタリと動きを止めているのが見えた。
横のエリクも同様。
この場の俺を除く全員が、モニカと師匠の間に繰り広げられる”何か”のやり取りを、注意深く見守っていた。
これも俺には見えない”殺気”というやつだろうか?
だが魔獣を前にしたような薄ら寒さも、試合中の熱い視線もなく、俺達の間にはただ何もない空間しかない。
それでも”何か”が、俺達をこの場に縫い止めていた。
『どうした?』
モニカに問う。
いつのまにかモニカは、険しい視線に激しい感情を乗せてエリクの師匠を睨んでいた。
『わかんない。 でもこの先に
『行きたくない?』
『すごくこわい”壁”がある感じ、レオノアさんとか、スコット先生とかが斬るときに感じるやつ』
モニカの言葉をどう解釈するべきか。
俺の視界にも、観測スキルの反応にもその”壁”のような反応は全く見られない。
だが、俺達の全身を這い回る寒気がそうではないことを示している。
なにより反射的に発動させた俺の高精度観測スキルが、モニカが先に挙げた者に共通する”要素”を、エリクの師匠に見つけてしまったのだ。
ただ、モニカは俺が言葉を失った”その情報”を
後ろのルシエラも、彼女の魔法で俺と同様の結論に達しているらしい。
「校長先生も悪趣味が過ぎるわね、でも”モニカ達のお守りに”私が指定された理由もこれで納得。 1年ぶりかしら?」
ルシエラのその言葉にエリクの師匠が頭をゆっくりと上げる。
そしてゆっくりとした動作で頭にグルグルと巻かれた布を掴むと、そのまま捲りあげた。
「・・・1年には、まだ3ヶ月は早い」
布の下から現れた
直前に判明していたとはいえ、いざその正体を目の当たりにすると、俺の中に刻まれた恐怖の感情がトラウマとなって噴き出しそうになる。
エリクの師匠は”人”ではなかった。
いや、生き物ですらない。
だがエリク達が、何の疑問もなく俺達を呼んだ理由は明白だ。
その、特別にカスタムされた”カシウス製汎用頭部ユニット”を見間違えようか。
モニカが少しだけ感慨深げに呟く。
「ずっと・・・こんな近くにいたんだ」
”そいつ”の視線が俺達を射据え、モニカが迎え撃つように睨む。
衝撃の事実だった。
昨年の初夏に起こった俺達のアクリラへの逃亡劇、その最後に立ちはだかった最大の壁である、
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