第8話 ミケ、捕まる
旅も退屈になってきた故、そろそろどこかで一休みしたいのじゃが。
それにしても「とかい」という場所は奇妙じゃな。雨風をしのげる場所というのは昔は軒下か納屋だったのじゃが、今では「ほごしせつ」なるものがあるらしい。一か所は入ったら戻ってこれなくなると評判故、我も行きとうないな。
今までの話をまとめると「猫の保護センター」なるものがどこかにあるらしいの。そこが一番快適らしいのじゃが、どうやったら入れるかなかなか情報が入らぬ。戻ってこれなくなる場所ならば、その辺の罠に引っかかればいいというのは分かるのじゃが……。
どうしたものかのう。
その辺りも若いのに聞いておくべきたったの。後悔しても仕方なし。こうなったら、幻術を解く代わりにその辺りの情報をもらおうと思ったのじゃがのぅ。格上の三本足に幻術を解いてもらったらしく、交換条件には応じてもらえんかった。つまらん。
三本足が我に近づかぬのなら、日中起きている必要もなし。飯をどこかでもらって……
『助けてぇぇぇ!!』
『うちの子がぁぁぁ!!』
なんじゃ!? この物騒な声は!! まさかどこかのやんちゃ坊主が悪さをして罠にでも引っかかったのか!?
我が向かった先で目にしたのは、小さな檻に入ってしまった
『如何した!?』
『ネコマタ様っ! うちの子が』
中にある
猫の手では取れぬところに、罠を解く仕掛けがあるというのは分かったのじゃが。いかんせん、我の手は猫の手。取れるはずもない。そして、母猫の手は既にボロボロになっておった。
我が何とかする、と言えぬのがつらい。なにがネコマタじゃ。数えるのも忘れるほど生きておっても、無力じゃ。
かくなる上は、ヒトが来た時を狙うしかあるまい。恐らくあの檻をあけるであろうからの。
その思惑は外れ、子はそのまま車に入れられた。そこから助けるべく、母猫と我もあえて捕まることにした。
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猫様の動きや施設等に関するご指摘をお待ちしております。
当人は猫どころか動物関連を引き取った経緯も全くないもので(;'∀')
因みに、「ほごしせつ」は「保護施設」ですが、一応「保健所」と「保護センター」の二通りの意味を持たせています。
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