第7話 ミケ、ゆっくりと旅をする
旅は途中まで若いのがついてきておったが、「うんめいのはんりょ」とやらを見つけたらしく、我とはそこで別れることになった。
うむ。なかなかに
その伴侶じゃが、なんとまぁ「ひにんしゅじゅつ」なるものをしておった。イエネコだった時にされたらしいのじゃが、そういう風にされることが多いのだと。なにゆえ、と思ったが『あたしもよく分かんないの。ただうちの母ちゃんの話だと、産まれた赤子を捨てないようにするためだって』と言われてしまったわ。
『あーーそれなぁ。俺っちもきょせいしてるぜ。人間たちが俺っちたちみたいな家無しを減らすためだって聞いたことがある』
……若いの、なぜそのようなことに。
『あとは臭いの問題って言ってたなぁ。元同居人が』
それを行うための施設もあるらしく、とっても怖いのだと
というわけで、我も今術で取っておるように見せておったりするのだが。……いかんせん誰も気づかんの。
我の術を笑った三本足には「二本足」に見える術をかけてやったのはいい思い出じゃ。
それきり三本足の仲間は我に怯えて近づかなくなったがな。
それにしても、若いのがおらぬと静かじゃし、三本足が絡んでこぬと暇じゃな。
次はどこで休もうかの。出来れば雨風のしのげるところがよいな。ついでに美味い猫まんまが出てくれると文句はないが。
まぁ、暫くはゆるりと旅をするか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
用語案内
三本足……八咫烏のこと。時折ミケさんに絡んできます。
ひにんしゅじゅつ・きょせい……避妊手術・去勢。イエネコさんなどやられる方も多いのでは?
若いの……若くしてネコマタになった猫さん。一応雄。死因にどこぞのイエネコさんが絡んでいるらしい。一度死んでしまってからネコマタさんになりました。その時にお家の方々とはお別れしております。
因みに、「若いの」の運命の伴侶さんは飼われている方がお亡くなりになったため、野良へジョブチェンジしたばかりという設定。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます