第2話 君もほら「はじめまして」

〜レッスンルーム〜


「はぁ…はぁ…ダンスってこんなに大変なの!?」

「プロを目指すならこんぐらいなんだって…」


202《フレンズ》プロダクションに加入したサーバルとカラカルの二人は、デビューに向けてレッスンに取り組んでいた。


「よーし、もう一回!ってうわぁぁ!」

「また転んだ…大丈夫?これで今日5回目よ?」

「そろそろ休憩した方がいいんじゃないですかー?ほら、自家製パップ入りドリンクをどうぞー」

「ありがとうコアラちゃん!」

コアラは事務所の庶務として、様々なサポートをしているアニマルガールの一人だ。

「ほら、カラカルちゃんもどうぞ!」

「いつもありがとう」

「いえいえ、私こそお役に立てて嬉しいです~」

「よーし、コアラちゃんのおかげで元気出てきた、まだまだやるよー!」

「えぇ…もう始めるの?」

「ふふ、頑張ってくださいねー」


二人が練習に励んでいる頃、私は事務所で新人アイドルの資料をチェックしていた。

「人も集まってきたな…そろそろオーディションを開いてもいい頃かな」

「おっ、プロデューサーさーん。何してるのさー?」

この子はフェネックギツネのフェネック、202プロの看板モデルの一人だ。

「おおー、この子の表情いいね。こっちの子もスタイルいい…あれ」

「どうかしたのか」

「幼馴染のアライさんだ。本当に応募したんだねー」

「アライさん…アライグマの子か、元気そうでいいな」

「アライさん、いつもアイドルになって人気者になりたいって言ってたもんねー。今までのオーディション全部落ちてるけどね」

…とは言えポジティブなのはアイドルにとっては立派な武器だ。頑張ってほしい。

「ところで、フェネックに頼みたいことがあるんだ。」

「なになにー?なんでもうぇるかむだよー」

「実は…」


~数日後、レッスンルームにて~


「…今日は大事な報告があるって言われたんだけど、何だろう」

「ま、まさかデビューとか!?うわぁぁ緊張するよー」

「ちょっと、急に寄りかかんないでってば!それに私たちはまだ駆け出しよ、そんなことがあるわけ…」

二人は緊張してるようだ。突然のことだから仕方がないだろう。

「遅れてすまない。今日話す内容は…ズバリ、デビューライブのことだ」

「デビューライブ…ええええええええ!?」

「そんな…いきなりデビューライブ、ですか?」

「ゴコクチホーで開かれるフェスに参加予定だったグループが急遽出演出来なくなったらしい。最初は拒否しようとしたのだが、他に出演可能なアイドルも見つからず、君たちにやってもらうことになった」

「そ、それで、ライブはいつですか?」

「ライブは約10日後だ。出てもらうのは君たち二人と…」

「はいよー、急なお仕事だけど、先輩と一緒にがんばろー」

「フェ…フェネックさん!?」

「フェネックって、ジャパリマガジンの表紙だったり、最近はレモンキャンディのCMにも出てるよね、間近で見られるなんて、夢みたいだよ!」

どうやら、二人もフェネックについてよく知っているようだ。これなら問題ないだろう。

「知ってくれてるんだねー、じゃあ自己紹介はいいかな。私もそんなにアイドルの経験はないけど、がんばるよー。それじゃー本番に向けてー、オー!」

「「オー!!」」


サーバル、カラカル、フェネック、そして私にとっても初のライブ、絶対に成功させるぞ!

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けもの達のアイドル活動 浅田雨 @Matthewmerc

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