どうかしら

どうかしら

ねえ私たち生きているのかしら

鼓動を感じることも

呼吸を続けていることも

五感が常に働いていることも

何一つ深く認識していないくせに

血液が巡っていることも

体温がお互いを伝わっていることも

目線の先に事象が広がっていることも

何一つ然と理解していないくせに

生きているということの定義を知るのは簡単ね

死んでいるということの状態を覚えるのは簡単ね

簡単なこと過ぎて、誰も考えちゃいないみたい

難しいことを考えているふりをした方が格好いいからかしら

簡単なことを考えるのを辞めたほうが疲れないからかしら

みんな生きるのに疲れ切っているみたい

みんな死ぬことを恐れ切っているみたい

生も死も全くもって重要じゃないみたい

ただ静かに時間が進むのを待って

ぼんやりと世界を眺めているだけ

私は生も死も掌握したいのよ

選択権が常に自分にないと気が済まないの

何もかもを吸収したい

何もかもに発散したい

でも、あまり許されることではないみたいね

生死が隣で私を見続けているのに

彼らと踊ることすら、許されないのかしら

人は許されないことほどやりたくなるものだけれど

誰かさんの許可が欲しいわ