第5話 極楽へ逝かせてあげるわ

「エネルギーゲインが減っているんじゃない?」

「なにそれ?」

「ナミ、ビキニの中を確認して」

「いや」

「急いで、エネルギーが切れると機能が停止するわよ」

「いや」

「バカね~、今更、そういう恥じらいの演技は客の前だけにしてくれない、今はいいから」

「客ってナニ?」

「とにかく急いで、キャストオフしないと、エネルギーゲインを確認するのよナミ」

「うう…嫌だよ…見たくないよ~」

 ナミはピンクのビキニを引っ張る。

「なんか心なしか…小さく、そして項垂れている気がする…」

「そうね、稼働時間、5分ってとこね」

「えっ?解るならアタシ見なくてもよくない?」

「そうね、見て欲しかったの、アタシ的に」

「二度と見たくないエネルギーゲインも、アンタの顔も」

「そのうち、自分から欲するようになるわ、心配しないで」

「死ねばいい…」

「そうね、でも死んでるのオマエだからー!! オホホッホホ」

 キリコがモニターに中指を突き立て笑う。

「オホホホうっせぇババア!!」

「早く身体に戻れば~、体臭キツくなるわよ、腐りだすと~」

「言われんでも戻るわボケ!!」


 遺体安置室へ急ぐナミ、

「ここね」

 扉をバンッと開け、自分の遺体とご対面する。

「美少女だわ…」

「胸は無いけど、無いうえに死後硬直で固くなってるけど」

 耳元でイチイチ、キリコの茶々が入る。

「で?どうするの?」

「まずは、ビキニを下ろしなさい、脱糞の要領よ、と…その前に、自分のパンティを下げなさい、入るとき邪魔よ」

「なんか嫌だ…」

「時間が無いの!! その滲みのついた黒いパンティを下げなさい、クソビッチが!!」

「クソなんてついてないわよバカ!!」

「黒い方が目立つ汚れもあるの!! クロッチのところはとくにね」

「シート張ってるわよ!!」

「汚す前提ね、自分が解っているのね、さすがよナミビッチ」

「変な呼び方するな!!」

「とにかく急ぎなさい、エネルギーゲインのへたり具合から見て、あと数分よ」

「えぇい!!」

 ナミは自分のパンティを下ろした、そしてしゃがみこんで叫んだ

「キャストオフ!!」

 ズポンと抜け出た魂

「いいわ、その調子よ、次はインサートと叫びなさい」

「インサート!!」

 ズルッと自分の身体に吸い込まれるナミの魂。

「よし、さすがビッチ!! 出入りは上手い」


 ナミは、こうして奇跡の生還を果たしたのであった。

「で?MASSOスーツはどうなるの?」

「大丈夫、オートで1人で帰れるわ、犬並に帰省本能は優れているの」

 ムクッと起き上がって白い歯をむき出した笑顔のまま、HAHAHAHAHAーっと笑いながら走り去って行った。

 どこかにある、キリコのラボへ…。


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