第4話 用件を聞こうか
「云い忘れてたけど、魂は視認できないけど、MASSOスーツは皆に見えてるからー、パンツは上げときなさいねナミ」
手遅れでした。
地上…病院前の駐車場に降り立ったMASSOスーツinナミ。
ダダスダスダダス…未来から送られてきた殺戮兵器の登場シーンのようにゆっくりと立ち上がる。
GYAAAAAAー!!
病院前で悲鳴があがる。
TYPEシュワちゃんのピンクのビキニは下がったままエネルギーバルブが飛び出していたからに他ならない。
こんがり小麦色の肌、無駄に白い歯、ニカッと笑うオイリーな肌のコーカソイド。
「コニチハ、ミナサン」
「オートコミュニケーション機能発動よし!!」
モニターで確認していたキリコが小さくガッツポーズをとる。
「よし!!じゃねぇ!!」
よく解らない状況だが、自分の身体にまとわりつくローションのようなヌメヌメ、今ナミはMASSOスーツにインしているのだ、人間でいう所の肛門から魂だけインされたわけだ。
「どう?動くのに違和感とかない?」
「ヌメヌメ気持ち悪い…」
「気持ち悪いの?気持ちよくないの?サラッとタイプのほうが好みかしら?」
「なにが?」
「いいの、こっちのことよ…それより急ぎなさい、身体が腐敗するまえに戻らないとゾンビになるわよ」
「一大事ね」
「急いで、遺体安置室よGO!!」
「その前に警備員から逃げないとよ、院内に入るだけでミッション・イン・ポッシボーなんですけどーーーーーー!!」
走って逃げるナミ(インMASSOスーツ)
「心配ないわ、走りながら聞きなさい…MASSOスーツは、ガンダニウム合金の骨格に人造筋肉を張り付けただけのミッチミチの筋肉ダルマです、特殊プロテインを主成分としたエネルギーバルブは本能的に守るであろう場所に装着、起動媒体となる魂は肛門部からイン、可能な限りの隙間を人造筋肉で埋めた強化服よ」
「…???…だから?」
「理解してないの?バカだからね、仕方ないわ…バカでも解るように言うわ、ものっそい強い疑似ボディよ」
「だから?」
「ジャンプしてみなさい」
「ジャンプ?」
「そう早く!!」
ナミはバンッと地面を蹴り上げ飛び上がる、
「これ凄くない?」
ひと蹴りで、20mほど飛び上がった。
「スゴイのよ、ソレ、計算上のスペックは…以下のとおりよ」
身長:195cm
体重:95kg
パンチ力:3t
キック力:7t
ジャンプ力:37m
走力:100mを5.8秒
「スペックを活かして逃げ切り、なんとかしてアナタの身体に戻るのよー」
「どうやって?」
「キャストオフの掛け声で、肛門から排出されるわ魂だけ」
「その後は?」
「自分の肛門から戻るの」
「いやぁー」
「そういうものなのよ、肛門は出すところだけじゃないの、時には入れてみる勇気も必要よ」
「いやぁーーーーー」
病院の屋上で叫ぶナミinMASSOスーツ、その表情はニカッと笑ったままであった。
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