第2話 心臓を捧げよ!!
「レズじゃないわ、アタシ、モテるもので、脱がなくても…すいませんね美人で」
「負ける気しねぇし」
「ど貧乳みたいね…可哀想なほどに」
「陸上部に胸いらねぇし」
「むしろえぐれてない?」
「だったら病気だし」
ドクターキリコは、たしかにスタイルは良かった。
あらためて見れば巨乳ということはないが、細身で出るとこは出ている感じの30代前半、三角形のメガネがいかにもインテリ女史を醸し出している。
頭のいい理系の美人、しかも自覚していて派手くらいが丁度いいと自負している感じが嫌味に感じる。
基本、他者を見下しバカにしている、とくにアタシに対しては!!
「佐藤ナミさん、アナタは死にました」
「そんなハッキリ言わなくても」
「しかし、その高い身体能力があったおかげで、チャンスが貰えちゃいます、胸が無くて良かったわね」
「大きなお世話だし、チャンス?」
「生き返りたくば、ワタシの玩具、もといワタシのもとで正義を執行しなさい」
「アタシ、魔法少女になれるんですか?」
「マット講習?」
「魔法少女です、マット講習とか考えてねェし」
「似たようなもんね、変身して戦いなさい存分に、動きやすい凹凸のない身体で」
「やります!!」
「バカでいいわ、単純でいい!! さっそくサインなさい」
ドクターキリコはデスクの上の書類を差し出した。
「読んでも理解できないでしょうから読まなくて結構よ、はいコレ、ペンね…そうソコに名前ね、うん、汚い字ね、想像通りよ…いいわOK、バカはいいわ、迷いが無くて」
「これで魔法少女になれるのね」
「魔法少女…ではないけど…変身はできるわ、どちらかというとガテン系少女かしらね、身体で稼ぐ的な肉弾戦タイプ」
「身体で稼ぐ?」
「アナタ、ほら、頭使ってってタイプじゃないじゃないギアスとか無理な系」
「かといって、武術とかできませんけど」
「あぁ、大丈夫なのよ、運動神経さえ良ければなんとかなるの」
「変身するから?」
「そうね、変身っていうか、被り物というかね、スーツね万能スーツ着て戦うの」
「あぁ、ソッチ系ね、そういう感じね」
「ドッチか解らないけど、とりあえず、じゃあシンクロさせるから魂と」
「はい、頑張ります、掛け声とか考えます」
「うん、いいわね、素直で、そういう態度好きよ」
ドクターキリコが白衣からリモコンを取り出す、壁のカプセルに向けてピッとボタンを押す。
プシューッと煙が視界を遮る、その先に現れたのは、黒光りするスーツ。
「これよ、
「えっ?オイリーとソルジャー以外がちょっとよく解らない」
「はぁー、バカなのね、でもいいの、大事なところは解ってくれているみたいで。油っぽい兵士よ、見たままのね」
現れたのは、黒光りするエナメルスーツではなく、ヌラッとしたボディビルダー、タイプ・シュワルツネガーであった。
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