第10話放置ゲーは本当に放っておける時間って実は少ないよね?
フィリさんの玄関と台所をスライムで綺麗にしてクリアを掛けてご機嫌な俺。
やっぱり綺麗な方が気持ちが良いよね。
日本の実家ではフリータだったので自分から掃除をしたり料理をしたりしていたなぁ…家族の目が白かったし。
「ジルアちゃん!結婚しましょう!」
色ボケ猫娘が遂に壊れやがった…
「好きな人がいるのでごめんなさい」
俺は女の子が好きだが、女のままで結婚したくは無いんだよ…
「…振られちゃいました〜今夜はやけ酒だ!」
…駄目な大人がここにいた。冒険ギルドの受付嬢なら選り取りみどりでしょうに。
「受付嬢ならモテモテじゃないの?」
その言葉を口にした瞬間、フィリの様子が変わる。
「みんなそう言うんですよ。でもね、よく考えてください。汗臭い男達に毎日毎日毎日会う度にデートに行かないかだの、一緒に食事しようだの、結婚しようだの、でかい乳だなだのずっと言われ続けると慣れてしまって、どんな男にも反応しなくなっちゃうんですよ〜分かりますか?この虚しい気持ちが!そんな事が続くと女の子同士っていいなって思ってきちゃうんですよ。それで…」
思ったことよりキツすぎる。
これじゃ泣いちゃうよ!俺は飯を食いにフィリを無理矢理外に連れ出す。
どうやらフィリの馴染みは定食屋らしい。
もうおっさん状態だな。
「すいません。定食二つ、後エールを早目に」
フィリさんは早速飲むもよう。
俺はオレンジジュースを頼んだ。
さて、フィリさんに聞かないといけない事があるんだか素直に話してくれるかな?
「フィリさん。教えてほしい事があるんですけど」
「私のスリーサイズですか〜?良いですよ〜ジルアちゃんなら問題無いです〜」
…この酔っ払いめ!後でお風呂でその胸をたぷんたぷんしてやる!
「お、私の護衛を依頼した人は誰ですか?」
「…そんな人いませんよ?」
「嘘は無しで。あと語尾が伸びていません」
「はう〜また怒られます〜」
「カスパルさんですか?クレアさんですか?それとも…」
「はいはい、分かりました降参です。そのお二人ですよ。自分達が居ない間は最高の護衛を頼むと言われてますから、でもね今回受けてくれた護衛の人は報酬を受け取らなかったんですよ?みんなジルアちゃんを守るのに報酬なんていらないって…馬鹿な冒険者達です。」
口調とは裏腹に優しく微笑んでいるフィリさん…むっちゃかわええ。こりゃモテますわ。
「それじゃ今度護衛してくれた人達には、ほっぺにちゅーで良いのかな?」
「「「マジですか!」」」
…おい護衛、声に出てんぞ。
「うちの冒険者達は駄目駄目です〜」
「本当にこの街の冒険者さん達は良い人ばかりですね。」
俺とフィリさんは顔を見合わせて大笑いした。
ご飯を食べた後はフィリさんと一緒にお風呂に入った。
フィリさんのお胸さんをたぷんたぷんしてやったさ!お返しに身体中を手でにゅるにゅるされたけどね…
「それじゃ寝ましょう〜お休みなさい〜」
「お休みなさい。」
俺はフィリさんと一緒に布団に入る。
しかし、すぐ寝る訳では無い。
ステータスの確認という大事な仕事が待っている。
その為にフィリさんを酒で潰して風呂に入れたんだからな。これで当分起きれまい。どれどれ
(名前)
ジルア・オシト
15歳 ♀
(種族)
レジェンドエルフ
(職業)
魔法騎士
(スキル)
ユニークスキル
・無課金ゲームLv1
スキル
・生活魔法Lv1
・危険察知Lv1
・気配察知Lv1
・魔力察知Lv1
(称号)
異世界転移者
おおお!スキルが一気に三つも増えてる!スキル所得すげー!覚えたスキルは全部確認しないとな。
生活魔法
一般人の魔力でも使えるように改良された魔法。
現在洗浄魔法クリア、発火魔法マッチ、水作成ウォータ、穴掘魔法ディグ、微風魔法ブロウ、照明魔法トーチが使用可能。
危険察知
パッシブ系スキル。
自分の身に危険が起こりそうな時に発動するスキル。
レベル×10mの範囲で起こる危険に反応する。
気配察知
パシッブ系スキル。
範囲内の生き物の生命反応を察知するスキル。
レベル×25mの範囲内に生き物がいれば分かるスキル。
魔力察知
パシッブ系スキル。
範囲内の魔力の反応を察知するスキル。レベル×25mの範囲内に魔力があれば分かるスキル。
察知系はパッシブスキルなのか。
マロンさんと鬼ごっこをした時急に気配を感じるようになったのはこのスキルのお陰か。
ありがたや、ありがたや。
後はユニークスキルの検証をしたいけどここじゃ危ないしな…寝るとするかお休みなさい。
いきなり頭の中で警報が鳴った感じがした。
目を覚ました俺に見えたものは暗がりの中、短剣を持った黒尽くめの男達が部屋で何かを探している様子であった。
俺は無意識に(アイス・アロー)を発動させ、三人の男に当てる。
氷の矢が当たった者達は氷の矢が当たった場所から凍り始め、しばらくすると氷の彫像と化した。
周りに他の人の気配がないか確かめ二人ほど弱い気配を感じる。
俺はその場に走り出す。
フィリさんの部屋の裏側で血に塗れた冒険者二人を見つける。
すかさず(ヒール)を発動するする。
一回では足りないので回復しきるまで念じ続けた。
ようやく問題無い状態まで癒し終えると俺は「ヴァーミリオンスタジアム」の中で一番鼻の良さそうな狼型の軽量級魔獣「ブラッディウルフ」を召喚する。
こいつは狂紅程ではないがかなり血統を濃くした魔獣だ。
俺の言うことしか聞かないようにしている為、かなりピーキーな感じだが今回のような場合ならうってつけだ。
フィリさんの部屋に戻るとガタガタと震えるフィリさんが居たが今は一刻も争う時だ、勘弁してもらおう。
「凶月。こいつらの匂いを覚えろ。覚えたらこいつらの匂いがする場所まで案内しろ。」
凶月と呼んでいるブラッディウルフは俺の命令通り氷の彫像の匂いを嗅ぎ俺の顔を見る。
「な、何がどうなっているの?ジルアちゃん説明おねがい!」
部屋にいきなり男の氷の彫像があるのだ。確かに説明が欲しいだろう。俺はイベントリから装備を直接するとフィリさんに事情を説明する。
「夜襲をかけられました。裏手に二人の護衛の人が意識を失っています。手当てはしてますから大丈夫。二人が起きたら冒険者ギルドにいって身を守ってください。」
俺はそういうと凶月に乗る。
2mを越す凶月なら何とかなると思っていたが大丈夫のようだ。
「ジルアちゃんはどうする気なの?無茶は止めて!」
フィリさんが悲痛な声で訴えてくるが今回ばかりは止まらない。
「売られた喧嘩は100倍返しが基本です。行ってきます!」
凶月を走らせ元凶の元に走る。
あんないい人達をあそこまでしたのだ。
報いは受けてもらう!
深夜の道を巨狼に乗った幼女が爆走する噂を知ったのは、元凶を潰してから三日後であった。
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