第19話 森にいるのは獣?それとも狩人?

一面見渡す限りの畑、畑、畑のテクスチャだ。

この世界は私の庭である。なぜなら、作物を植えれば育つからだ。


的な回想をしながら今日も「のらしごと」を続けています。

板に…ついて来ましたね、わたし。

考え事をしながらでも余裕で荒野を蹂躙できます。


すでに家の周りの平原は全てが作物を育てるための土壌と成ったのではないでしょうか?やりましたね、わたし。収穫する人が居ないので、農園の拡大はただの趣味ですが。まあ、それも楽しいから良いのではないでしょうか?趣味ですから。


次は、どこをオブジェクト改変してやりましょうかね。

遠くに見えるそびえたつ山脈?でしょうか。

街を越えて反対側にある平原までぐるりと半周でしょうか。

さしあたっては、家の近くにある広大な森を開拓するというのはどうでしょうか?

素手で木を切り倒すのはどうかと考えていましたが、平地を開拓し続けた今のわたしならば?いけるのでは?

ちょっと木を叩いてみましょうか。


ダメでした。


非破壊オブジェクトなのでは?

いや、回数…?それとも攻撃力が足りない?

打つべし、打つべし、打つべし、ていていてい。てしてし。



―――――「ぶ」と「う」を交互に発声とか叙述トリックかよ。定期的にパラメータリセットかけてんだから常にLv.1だよお前は。


たたたたたたたたたたたたたあたたたた。

いけそうな気がする……!!!!


―――――システム的に無理だって言ってんだろ。またこいつは無駄なことをして


お?なにか、赤くなってきたような?ダメレティクルージですか?

いけるいける。もうちょっと。


―――――ダメージ・パーティクル?仕様にそんな挙動はないはずだが。まさか、崩壊が限定的に起きている?こんなところで?フラグも建てずに?

巻き戻しの効かない終焉にもなりかない……介入、介入システム構築、フラグを別の事象に結び付けて連鎖的な反応を回避する必要がある、が、そんなシステムを構築している時間ねえわ。気を逸らすオブジェクトを生成してなんとかならないか。


あ、うさぎ。


―――――ちょっろ


森には動物さんが住んでいるのですか?これは、開拓しがいが?それとも、住処を奪ってしまうことになってしまうのでしょうか?

なやみどころ、ですね。


小さな小屋、納屋。何を納めるんですかね。まあ、いいですけど。

街の方に行って警備の人から武器っぽいものでも仕入れてきますかね?

あれ?街に武器っぽいものなんてありましたっけ?調理器具すら観たことがないような?この世界、刃物とかあるんですか?なんだったら、椅子でなぐりますか?


それにしても、うさぎさん。足が速くないですか?おいつけない。

遠距離攻撃とかないかなー石とか放ってみます?

とか考えている間に、うさぎさんが森の奥に行ってしまいました。

これ以上先に進むと暗くなる前にお家に帰ることが出来なくなりますね。

それすなわち、夜に温かいお布団で寝られないということですよね。

論外です。ありえません。

諦めましょう。さあ、お家へ帰るのです。


お家はどっちですか?


―――――迷ってんじゃねえよ。








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