周回世界
第12話 はじめから
だた、目を…開きたくないと思った。
眼を開いたら何かが始まると予感がする。
はじめても何も意味がないと推論がする。
だからはじめない方が良い、そう思う自分がいる。
「ってこれ、はじまってるじゃないですかーーーーーーー」
あっガガガガオボボボボッボ
液体の中だった。透明な容器の中だった。
肺から振り絞られた振動とその代償の呼吸困難。液体の中で溺れていた。
私こんなに面白人物じゃないはずです。扱い酷くなってないですか。
――意識を手放したのだった。
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