少女の視点

第10話 崩壊のその時までの微睡み

黒い世界、歯車の音、静かな胎動、世界の端から端まで掌が届くような感覚

私がこれからやることはきっとこの世界の始まりにも終わりにも関わりのない私だけの事できっと未来にも意味はない。

それでも伸ばした手を使って行為を実行する。

周縁から崩壊する世界、終焉に至る世界。再演はあるの?再演はないよ。私は脚本家じゃないから知らないよ。主演は私、客演はあなたたち?観客はどこだろう。もしかして、観客も私なのでは?

「やっぱり未来に意味なんてないじゃない」


もうすぐこの世界の全てが終わる。

一点に集めた世界の熱量を開放すれば、きっと何かが起こる。なぜそう思うのかわからないけれど、そう思うのだからそれはきっと起こることで真実だ。まちがいない。


まちがいない?私間違ってない?ほんと?わからない。

でも、いいや。考えるのめんどうだし。ご飯も出ないし。


チクタクチクタク時を刻む歯車はまだ動いている。まだ世界は終わっていない。

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