第2話 忘れ物

「あの先ほど利用したんですけど、忘れ物を…」

 中年の女性からの電話。

「はい、何号室でしょうか?」

「402なんですけど」

「忘れ物は何でしょうか?ただいま清掃完了しておりますが…届け出はありませんでしたので、再度お部屋確認してまいります」

「何も無かったですか?」

 ラブホには忘れ物が多い、ピアスとか小さなものは清掃しても見落とすことも多いのだ。

「はい、何をお忘れで?」

「………その……バイブを……無かったですか?」

「バイブ……ですか?ご自分の?」

「はい…」

「少々お待ちください……あっ、20分後に電話いただけますか、お部屋確認させていただきますので…もう一度」

「はい、わかりました」


「おい、さっき捨てた汚ねぇバイブ、ゴミ箱から拾ってきて!!」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る