第3部 卓球部

「シャー!」


 体育館の片隅で大声をだす男子。


「よし次は動物しりとりで勝負だ!」

「いいぞ」


 緑色の台を挟んで会話をする男子。


「最初は『ねこ』」

「『こぶた』」

「『たぬき』」

「『きつね』」

「『ねこ』」


「ってさっきから歌を唄っているだけだろ!」


「なんだよいきなり」

「今いいところなんだから」

「なにがいいところだよ、いま完全にお○あさんと一緒で歌う唄うだよ!」

「だってさ、この卓球部部員三名なんだぞ」


 そうこの体育館の片隅で卓球台一台、部員三名で活動する卓球部。

 元は五名だったのだがつい最近二名辞めてしまったのだ。


「三名になったこの卓球部も練習場所を縮小されて体育館の片隅に追いやられて」

「今じゃバレーとバスケが占領しているもんな」

「負けるなよ二人とも!」

「なんかしりとり飽きた」

「そうだな、練習でもするか」


 まじめに練習をはじめる。


「いやいや!え、なに終わり!追いやられて話し終わり!」

「さっきからお前うるさい」

「川野はどっちなんだよ。練習させたいのか、させたくないのか」

「練習させたい!けど、他の部活に負けて終わり!」

「終わりなわけないだろ」


 練習をやめてうるさい川野に向く。


「俺達は次の大会に勝つ」

「吉田……」

「卓球部だからな、大会に勝たないとな」

「上野……」


 川野は涙を流す。


「良かった、お前たちがやる気になってくれて。俺もお前たちと大会を優勝したい」


 吉田と上野を抱き寄せる川野。


「「(次の大会勝たないとこの卓球部廃部なんて言えない)」」


 泣く川野と何とも言えない顔をする吉田と上野。

 この卓球部はまだまだ頑張れると思った通りかかった帰宅部の俺だった。

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