恋のオノマトペ?(原作:雨天荒)

トントン、コンコン、さっきから右手のボールペンと机が、トンタン円奏会。

カラカラン、ボールペンが手から机に移動する。


ンーーーー、スゥーーーー、フゥーーー。大きく伸びをして、深呼吸を一つ。

机の上には、コトリと寝転んだボールペンと、シンシン書かれることを待っている便箋びんせん

書きたいことは決まっているけど、それは上手く文字にならない。


フニュン顎を腕に載せ、フワワン窓の外を見る。

サンサン輝く太陽が、今はもう西の空。チトテトシャンと七色の夕焼けになっている。

今日はもう、やめておこうかな。弱気な私を、チクンと心臓が止めてくる。先延ばしでいいの、と。


シュルンシュルンとペンが滑る。ペン先は引っ込んでいて、見えない円が重ねられる。

頭の中は、ぐるぐる、ぐにゃぐにゃ。

時折キミが現れる。キラキラ輝きをまとって。

ピカピカ眩しい笑顔。


スッと黒い影が現れる。すーっと彼の横に。

チクリ、いいの?

二つの影がスイーッと小さくなっていく。

ズキン、何もしなくて見ているだけで。


ぐちゃぐちゃ、どろどろ、ぷんぷん、かんかん、どすどす、ふるふる。


いけない、いけない。欲しいものはそれじゃない。


きらきら、ぴかぴか、ほこほこ、しゃんしゃん、からから、にこにこ。


そう、そのために。


携帯電話のアドレス帳で、彼を探す。

見るだけで、キューッとするようななったその画面。

ふーっ、息を一つ吐き出して。

コールボタンをポン。


トゥルル、どきどき、プルル、きゅうきゅう、プッ、どきん。


「もしもし、あのね」



---

原文:

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885374746/episodes/1177354054885392094

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