第14話 親友を助ける為に
セリアはエルクを見て、
「御願いします、冒険者様、必ず御礼は致します」
「分かったよ、セリア。君の親友は助けよう。もう少し情報をくれるかい?」
「はい・・・親友と、その仲間が山に採取に出かけたのが昼過ぎ・・・一人逃走に成功した人がいて、その人のお陰でゴブリンの存在を知りました。恐らく、さらわれたのは夕方と思われます」
・・・手を出されているか無事か、微妙な所か。
「ゴブリンウォリアーが8体確認されていて、通常のゴブリンは数十体いたそうです」
大所帯だな!
気付けよ。
エルクは心の中で突っ込む。
1部隊でそれだけいるなら、ゴブリンキングが数体いてもおかしくない。
大集団だ。
人間なら、大隊規模の軍隊が必要だろう。
「分かった。依頼内容は・・・親友、及び他に囚われた女性の救助、そして村落の壊滅、で構わないだろうか?」
ちなみに、男性はすぐに殺される。
「・・・村落の壊滅・・・可能なのですか・・・?」
セリアが驚きに目を見開く。
「難しくはない」
「エルク様はお強いのです」
アンリが自慢げに言う。
「・・・様?ご夫婦ですよね?」
セリアがきょとん、として言う。
・・・そういえば、人間は夫婦で様付けでは呼び合わないなあ・・・今度アンリに注意しておこう。
どちらにせよ、眷属にするには正体を明かさなければならないのだ。
言ってしまうか。
「アンリは、我が妻であり、我が眷属だ。私もアンリも、人間ではない」
「・・・なるほど・・・それでお強いのですね・・・」
セリアが驚きつつ、納得した表情を作る。
「闇の者の力を借りるのは嫌かね?」
「いえ・・・助けて下さい。親友を助けたい、です・・・代償とか要るのでしょうか?」
「代償は別に大きなものは要求しない。最初に提案していた、金品でも良いし、それは通常の冒険者に依頼した時の相場で良いと約束しよう」
「・・・ただの冒険者にゴブリン村を壊滅依頼・・・報酬の大きさが想像出来ませんが、譲歩して頂いているのは分かっております。御願いします」
「分かった。ところで、セリア殿はどうする?ついてくるのかね?」
「・・・ついて・・・行きたいです。場所も案内できると思います・・・アンリさんがご存知かも知れませんが」
「あ、私は場所は知らないですよー?」
・・・知らないのかよ。
エルクは心の中で突っ込む。
アンリは窓から飛び出ると、人化を解く。
「エルク様、セリア様、乗って下さい!」
「ス・・・スフィンクスううう?!」
セリアが叫ぶ。
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