わたしも
いったいあの時、何を考えていたのか。私は、大学へ向かいながら思う。毎回それを考えながら歩いている。
「え? どういう意味」
「いや、だから、俺にも夢中になれるなんかあったら違ったのかなって」
そんなやり取りを思い出す。少しの時間、短い時間を一緒に歩いた記憶。それも、ストレスや抱えてた問題の多さで潰れかけてた頃。
だけど、あれ以降に電話やメールが来ることはなかった。だから、私は『もう大丈夫なんだ』と勝手に思っていた。ただの思いこみで、本当は大丈夫なはずじゃない、だから――居なくなったんだよね。
今日は、雨が降りそう。ちゃんと、傘は持ってるのかな。
駅を出てすぐに雨は降る。かばんから折りたたみ傘を取り出し、雨の街へ。今日も、私は歩く。今も何処かを歩く彼を思いながら。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます