{第九十四話} 国王暗殺計画
首を強くつかまれ、持ち上げられたオレは死を悟った。
しかし、次の瞬間GOSが赤く光った。
「使用者の生命危機を察知しました。自己防衛モードを発動します」
体全体をGOSで覆われ、武器が自動的に出現した。
ここからは体を思い通り動かせなくなり、逆に勝手に動かされている。
「何か様子がおかしいッス!」
「何なんだ...」
どうやら三人組も何が起こったのか、わかっていないらしい。
「まさかあれは、SDモード?!」
こちらでも少し離れたところで昌達の様子を見ている男が一人。
モニターから昌の様子を上司も見ていた様だ。
「こ、これは...?!」
「異常な数値を計測しています!」
オペレターも急激な性能変化に驚きを隠せず、動揺している。
自己防衛モードになると、ネイをはるかに上回るスピードとパワーでネイを圧倒していきアーマーを破壊した。
アーマーを破壊されると、ネイはその場に倒れてしまった。
「あれ?作戦失敗?」
「どうします?」
「逃げるぞ!」
遠めから双眼鏡で見ていた三人組は逃げてしまった。
「まさか、その武具に搭載されていたのか」
男も何処かへ行ってしまった。
「DSモードが発動した、一刻も早くデータカプセルを回収せねば...」
上司はモニター越しに結果を見ていた。
「おい!ネイ!」
アーマーを割り、ネイが倒れると自己防衛モードは解除され、体の自由が利くようになった。
ネイに急いで駆け寄り、体をゆするが、目を覚ます様子はない。
一人で散歩したいからと、家で留守番してもらっているネイに連絡し来てもらい、家に帰った。
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河川敷から転移魔法で自宅まで瞬時に帰った。
ネイの部屋に入り、ベットに寝かせた。
少々失礼だが、ネイは結構重かったため、いわゆるお姫様だっこをしていたオレの腕はとてつもない疲労が溜まっていた。
ネラはネイの頭に手を当てた。
しばらく見ていると、ネラは手を外すと一息ついた。
「どうやらネイは脳をいじられていたようです。今は元に戻す処理で時間が掛かっているのでそっとしておいてください。それが終わったら京一様について聞いてみましょう。それと魔力を著しく消費しているようなので、マスターの魔力を分けてもらえますか?」
そんなことは簡単だ、と手を握りゆっくりとネイに魔力を流した。
十分な量の魔力を流し終わると、処理が終わったのかネイは目を開けた。
「私は...」
どうやらまだ少し状況を理解できていないようで、どういった経緯でこの場で寝ているのかを説明すると、握っていた手を引っ張り、引き寄せたオレを抱きしめた。
「お、お!?」
「ごめんね、少しだけだから」
オレは何も言わず、ただネイに抱きしめられていた。
しばらく抱きしめられ抱きしめていると、落ち着いた様なのでオレの心臓がもたなそうなので一旦離れた。
落ち着いた所で話を聞くが、どうやら何も覚えいてないらしい。
覚えていないならこれ以上この件を引っ張っても意味が無いので、この件はここで終わりだ。
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「アルキメデス議員!」
扉を開けて秘書と一緒に出てきた男を記者と思われる人たちが回りを囲った。
顔を良く見るといつぞやの裏路地で見た男だった。
「国王様の演説について一言もらえますか」
「国王様はこの国の防衛をキクタ国防衛長官に一任すると表明していましたが、アルキメデス議員貴方のご意見と違うのではありませんか」
質問を一通り聞き終わると口を開いた。
「国王らしい実にすばらしい考えだと思います。もちろん現実厳しい。簡単にはいかないでしょう。それでも遂行な理想に向かって邁進出来る、それが若さの特権ですからね」
そう言い残すと、馬車へ向かって歩き出した。
「それは国王様の考えに賛成と言うことですか」
「アルキメデス議員、以前から進めている兵器開発はどうなさいますか」
歩いている最中にも質問を記者たちは投げかけるが、アルキメデス議員が答える事は無かった。
乗り込むと馬車は走り出した。
「ハネット国王。早く手を打つ必要がありそうだ...」
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帝都から離れた何処か、崖の下に置かれた馬車に人形が立っていた。
その人形を崖の上から弓で狙っている男が一人。
狙いを定めると、人形に向かって矢を放った。
放たれた矢は人形を貫き、その場で爆発し馬車を炎上させた。
「いかかですかアルキメデス議員、我が社の製品は」
「すばらしい」
「この距離で目標を正確に狙い貫ける正確さ。暗殺を目的に改良しただけあるかと」
「暗殺用の弓か、計画を実行しろ」
「はい」
崖の上には弓を持った男のほかに男が三人。
一人はアルキメデス議員だが、あと二人の顔には見覚えが無い。
弓について語っていた男は話の内容から武具開発専門の会社のお偉いさんの様だが、もう一人は本当に誰なのか分からない、今後何処かでまた登場するだろう。
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喫茶店「ブルーキャッツ」店内
マスターと話している男が一人。
男にマスターはコーヒーを出した。
「俺にコーヒーの感想を聞きたくて呼んだわけじゃあ無いんだろ?何か新しい情報か?」
「潜入中の仲間から情報が入った。やつらは国王の暗殺をたくらんでいる」
「暗殺?!現国王、ハネット国王か」
「ああ、トップの座を習うペックスにとって人気の高いハネット国王は疎ましい存在だ。邪魔者は消せばいいと言う事だ」
「ペックスめ...」
「実行は明日、国王就任十周年記念パレードを狙うらしい」
「しかし、国王のパレードだ。警備は当然厳重になる。わざわざそんな機会を選ぶとはものすごい自信があるのか」
「武器は弓で、長距離狙撃に特化した性能だと言う事意外は何も分かっていない」
そう言うと、マスターはカウンターの下から大きな荷物を取り出した。
「ん?なんだ?」
マスターは荷物を開封すると男に中身えを見せた。
「これは...」
「すごいぞこれは、暗殺の阻止に使えないか?」
「こんな物は何処で?」
「今朝店に何物かから届いた。こんな手紙と一緒に」
手紙には「彼の身内の少年とそのメイド達の力を借りるといい」と書かれていた。
「手紙の送り主の狙いは分からないが、この少年については心当たりがあるんじゃないか?」
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