{第六十六話} あのチョコを知らない人いないよね?
「さて、散歩でもしますか?」
そのまま、何事も無かったかのように歩き出そうとしたオレの足を姫様は止めた。
「まだ、そのかわいい子の説明を受けていません!」
あ、やっぱりそこ聞いちゃう?w
良い説明(言い訳)が思いつかないから、その場の流れで流そうと思ったんだが...無理だったか。
プライベートピクシーって事に出来ないかな、この世界にピクシーが居るのか知らないしな...どうしよう?
「逆に、何だと思う?」
一見この場しのぎに発言に見えるが、こいつは最強の一言だ。
例えば、姫様が「ピクシー」と答えれば、それに対してオレは「正解!よく分かったなw」とでも答えればいいだけだ。
勝った!
「そうですね.............」
アレ?えらく長く考えるなぁ。
「分かりませんw」
あれ?オレつんだ?
「何でも良いんだよ?はずれたって良いんだから!間違っても誰も責めないから!」
ここまでくると、オレも必死だ。
実に見苦しい。
「そうですね...やっぱり、分かりませんw」
どうやら、腹をくくる時が来たらしい。
どうしよう...
「説明が難しいんだが、小人の眷属?使い魔?そう言った類の存在だと考えてくれれば分かりやすいかも知れないな」
こんな感じでいいかな?間違って無いよね?
まぁ、嘘は言ってないかな?
姫様はいまいち納得していない様子だが、オレは説明したからな?義務は果たしたからな?
「さて、散歩するか?でもその前に、新しい服を買わないとな...」
「ミイ、この近くに服店ってある?出来れば、女性物の服を売っている店がいいな」
スマホを出して調べてもいいが、姫様にスマホを見せても良いものだろうか?
絶対食いついてくるだろう「何ですか、それは?」と言った感じで。
「わかりました、そうですね...」
ミイの目の前に透明な板が現れ、帝都の物と思われる地図が表示されていた。
それをミイは、タッチパネルを操作する要領で操作している。
「ん?ここか...結構近いんだな」
地図の左下に表示された縮尺が「50m」と表示されているし、ガイドをすると「徒歩10分」と書かれている。
今気付いたが、ミイが見ている画面は完全にGoggleマップだ。
「では、行きましょう!」
ミイの機嫌は直るを通り越して、ご機嫌だ。
そんなミイの道案内に従い待ちをブラブラと。
いやー、最近のナビはすごいなー。オレの若い頃は(ry
ミイナビの案内を受ける事約10分、目的の服店に着いた。
どうやらガイドの徒歩10分は当たっていたらしい。
店のショーウィンドウには異世界で良く見る女性物の服がマネキンの様な物が着ている。
「いらっしゃいませ」
中に入ると若い女性の店員が一人、店の中を3人で見て回っているが店員さんはレジと思われる場所からずっとニコニコしながら見ている。
これは、こっちらから話しかけない限り特に何も言わないタイプの店員さんだ。
オレは現世でもこういった店員さんの方が気が楽でいい、たまに居るのが聞いてもないのに「今日は何をお探しですか?」から始まり「今の流行は...」と話しが広がりペラペラと専門用語だらけの話しが始まり、オレは「そ、そうなんですか...」ぐらいしか言えなくなる。
それに比べ、この店の店員さんは一定の距離を保っていてくれる。
この店は、オレ的には良い店だ。
「オレ、女性者は良く分からないから、好きなもの選んでくれ。お金はオレが払うから、そこは心配しなくていいぞ?」
さすがに、この巾着一つでも足りないほどの服は無いだろう。
「どれにしましょう!」
姫様の目はキラキラしている。
普段、ドレスばかりを着ているせいか、こういった普通の服が珍しいのだろう。
気付いたら、ミイも姫様の方に乗り一緒に目をキラキラさせている。
15分後...
「あ、あの...服は決まったか?」
女性の買い物は時間が掛かるとは言うが、さすがに何も手に取らずに15分はさすがに無いんじゃないか?
まぁ、女性と買い物に行ったこと無いオレには良く分からないが。
「よくよく考えると、普段服は使用人の方に頼んでいるので良く分からないです」
そんな所だろうと思ったよ。
何度も言うが、オレは良く分からんぞ?
「すいません、女性物は良く分からないので彼女に似合いそうな服を選んでもらえますか?」
こう言う時は最後の切り札「店員さんに聞く」に限るな。
「わかりました」
姫様とミイは店員さんと服選びをしている。
その隙にオレはスマホで「異世界 服 女性」とGoggle先生で画像検索してみる。
しかし、検索結果はゼロからはじめる異世界の服が検索結果の9割を占めていている。
メイド服やら、ジャージやらなんやらかんやら。
しかも、コスプレ衣装でAmuzonを始めとした通販サイトばかりが引っかかる。
下にスクロールするが、その作品ばかりが出てくる。
いかにあの作品が人気かわかるな。
もう普通に「服 女性」で検索しよう。
今のこの異世界の季節は現世で言う春夏秋冬のどれに当たるかは分からないが、気温は暑いくなく寒くなく、風も若干と言った感じで差ほど吹いていない。
多分、現世で言う春に当たるだろう。
特に何も着込んでないオレのスーツ姿で問題ないからな。
コートとかダウンを着る必要はもちろん無いし、なんなら薄着でもぜんぜん余裕な位だろう。
そんな事をしていると、店内の隅にあるカーテンの向こうから姫様の声が。
「着替えてみたので、見てもらえますか?」
試着室の前に行くと、カーテンが開き着替えた姫様が出てきた。
「ど、どうですか?」
姫様の隣に立っている店員さんは「やりきった」見たいな顔をしている。
しかし、何度も言うが本当に詳しくないのでオレにはスカートに変わったぐらいしか分からん。
あとは、髪型が後ろを縛りストレートからポニーテールに変わった位だ。
「おー、いいじゃん!」
まぁ、詳しくないオレでも良いって事は感覚で分かる。
冒険者感がとても強い服で、職業は魔法使いの可能性が高いな。
「これにします!」
姫様はこの服が気に入ったらしい。
「そうか、分かった」
「じゃあ、これでお願いします」
「ありがとうございます」
「このまま着ていきますか?」
そうだな、今回はそれが目的だしこのままでいいか。
「こちらの服はどうしましょうか?買取も出来ますが?」
姫様が着ていたドレスか、結構豪華な作りで高そうだ。
「持ち帰ります」
オレ一人の判断で勝手に売ってめんどくさい事になっても困るしな。
「分かりました、会計は23500ギルになります」
高いのか安いのか良く分からないが取り合えず払う。
茶色い巾着の中に入っているコインは1万ギル硬貨が25枚入っている。
オレは1万ギル硬貨を店員さん3枚渡し、お釣りはポケットにしまった。
もちろん6500ギルあるかは確認したぞ?
初めて異世界の硬貨をちゃんと見たが、結構しっかりとした作りで、大きさはどれも均一で綺麗な丸い形をしている。
もちろん、書かれた文字も現世の硬貨に対抗できる程の出来栄えだ。
異世界の硬貨って、丸い碁石みたいで噛むと「カリッ」と音が鳴る色々な色で卒業証書えを入れる丸い筒を小さくした感じのヤツに入って居る、チョコレートを2回り位大きくした物だと思っ
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