{第五十三話} 次回 オレ氏 死す
全員に合う服とジーパンを用意し、一通り着せ終ったころには俺の体力ゲージは赤色点滅をしていた。
その足でリビングへと歩いた。
リビングではハネットが丁度、カレーを皿に盛り付けているところだった。
しかし、彼の表情は「さあ、一緒に食べよう!」と言う感じでは無かった。
「ん?どうした?」
ハネットは6人分を皿に盛り付け、机に並べたところで手が止まっていた。
リビングに置かれた机には左右に2席づつ、奥と手前に1席の計6席しかなく。
エルフ達に俺とハネットを含めた12人ではとても足りない。
取り合えずクリエイトで出した机をつなげ、人数分のイスを出した。
全員席に着いたがエルフの中の比較的に幼い少女達は待ちきれない様子。
取り合えず小さい子から先にカレーを盛り付けた。
カレーも甘口にしておいて正解だった。
最初は「なにこれ?」と匂いを嗅いだり、用意したスプーンで突いたりと警戒していたが。
それを見ていたハネットが、そんな彼女達の前でおいしそうにカレーを食べた。
そんなハネットの姿を見てエルフ達もカレーを口に運んだ。
「おいしい!」
その一言を聞いて俺達は2人で顔を見合わせて笑った。
そこからみんなでわいわいカレーを食べた。
少女達のカレーのおかわりで炊飯器いっぱいに炊いたご飯も無くなり、ルーだけが残った。
それでも彼女達は物足りないようなので、冷蔵庫に入っていたうどんでカレーうどんを作るとコレもまた一瞬で食べてしまった。
もう、うどんもカレーも無くなり満腹になった少女達は眠ってしまった。
口の周りにカレーをつけたまま。
よくみたら口の周りだけではなく、Tシャツにも飛んでいた。
「まぁ、こうなるよなw」
新しいTシャツを用意すると比較的大人のエルフ達が謝って着たがすぐに洗濯すれば落ちるし、それにクリエイトで出したやつだし。
取り合えず、俺がやるとアレなので服を着せる役目は彼女達に頼んだ。
洗い物を2人でしていると1人のエルフが手伝いをしたいとやってきた。
「あの...私も手伝います...」
「色々してもらってばかりで...わたしも少しは役に立ちたいです...」
そんな彼女を見て他のエルフ達もやってきたが、キッチンの広さ的にも無理があるのでソファーに座っててもらおう。
ただ座ってるだけでは暇だろうからテレビを付けた。
しかしテレビの内容は現世の物だし、話している言葉も現世の物だ。
もちろん字幕など無い。
そんな彼女にも分かる番組は無いかとチャンネルを回していると、オーケストラがクラシックを演奏している番組があったので、取り合えずそれを流しておく事に。
彼女達はソファに驚きながら座り部屋中を見回しテレビを興味津々で見ていた。
「さて、じゃあ...皿洗いをしてもらおうかな」
「ここを上げれば水が出るから...」
スボンジと洗剤を渡した。
水栓のレバーを上げただけで水が出てきた事に驚いていた。
お湯と水を切り替えたりシャワーヘッドを引き出して見たりして一つ一つに驚く彼女を見て笑っていた。
一方、ハネットはそんな俺とエルフの少女とのやり取りを横目で見ながら洗った皿を拭いていた。
「まだ名前を聞いていなかったな」
皿を洗う少女、隣で洗った皿を拭くハネット、そして拭かれた皿を棚にしまう俺。
取り合えず、この無言の空間を破壊するべく俺は雑談を始めた。
「そ、そうですね...」
まだ俺らに緊張や警戒とちった感情があるのか、喋り方がたどたどしいし声が小さい。
「そう言えば...あれ?俺らも名を名乗ったっけ?」
「一応しておくか?」
「俺は京一だ、ここのコイツはハネット...まぁ、名前だけ覚えて置けばおk」
「紹介適当かよw」
「私の名はハネットだ。よろしく」
どんな人間にも優しく差別しない彼なら彼女達の心の鎖を断ち切ってくれるだろう。
「よ、よろしくおねがいします」
「私は「アマフ」といいます」
やっぱあれか?エルフは何百歳とか行くのか?
アマフの見た目は十代後半...16~18と言ったところだろうが...
しかし、女性に年齢を聞くのはな~流石にな~...マズイ!
「歳はいくつなん...だ...?」
俺にしてはがんばりましただ。
間違いなく「たいへんよくできました」の判子を押してもらえるだろう。
ん?「もうすこしがんばりましょう」だって?またまた~w
「え、年齢ですか...」
「178歳です」
ほら来た!来ましたよ!178?おかしいだろw
「ほう...178か...なるほど...」
「私達エルフは人間の皆さんよりもとても長生きなんです」
「大体、私達の見た目と年齢は人間の年齢を10倍にした位と思います」
「つまり私は人間で言う17歳位の見た目なのでしょう」
アニメやマンガ、小説を読んでて思うのだが...
いくら見た目が少女でも、何十年何百年と生きているのに何故あんなにも子供っぽいのか?
精神まで肉体と同じ速度で成長しているのか?
つまりアレだ、精神と肉体が分離でもしているのか?
ん?もしかして俺はヤバイ所に足を突っ込んじゃった?
「この中で最年長は何歳だ?」
しかたない!しかたないんや!
コレはとても重要な事だからな...
「たしか...「マフレ」さんが274歳でこの中では最年長でしょうか?」
全員金髪でわかりづらいく髪型で見分けるしかない。
「マフレ」は長身でスレンダーで大人の女性と言えるだろう。
ん?アレは八重歯かな?
髪型はストレートではなく、若干パーマが掛かっているよう。
え~っと、274歳で人間の十倍だから~つまり27歳か...
最年長と言ってもそこまでだな。
「じゃあ、逆に一番若いのは?」
よし、コレで最後だ...
さっきから頭の中で「ティニニニニニニン」と言う音が何度も聞こえる。
(「2800?3800!?2枚発動してる?!(英語)」も聞こえた気がするが...気のせいだろう)
やめて!俺のライフはもうゼロよ!
まぁ「やめて」とか言いつつ、自分からダメージを喰らいに突っ込んでるですけどねw
もしかしてあれか?「「次回 俺氏 死す」デュエルスタンバイ!」ってヤツか?
ヤバイじゃん!
「あそこで寝てしまっているあの子です」
「名前は「フレム」年齢はえ~っと、107歳です」
「フレム」はとても小柄で年齢的にも見た目的にも小学生だ。
髪型はストレートで腰まで届くほどの長さでとても長い。
そして、アホ毛がある!
そして、アホ毛がある!
大事な事なので二回言いました。
しかも、窓から入ってくる心地いい風に揺られている。
その様子を見ている俺の心は春のポカポカとした日の光を浴びながら縁側でのんびりと、お茶を飲んでいる時を越えていた。
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