{第十三話} 隠し部屋と銃とミニメイドと...
「家から出るのはいいけど...」
「どうしました?」
「どうやって出るの?」
「どうやってって、この玄関のドアから...あ」
「そうなんだよ!この扉はあの本棚の裏につながってるんだよ!」
「では、窓はどうでしょう?」
「そうか、その手があった!」
リビングに走る。
「カーテン閉まってる...」
「しまってますね」
「そして、カーテンを開けると...」
「開けると...?」
「ガラスがなんか白い!」
「白いですね...」
「何コレ?」
「曇っているようですね...」
「曇ってる?こんなにガラス一面が?」
「はい」
「これはあれだ、RPGとかでいうところのレベルが足りないか何か見落としてるかストーリーを進めなきゃいけないかのどれかのやつだ」
「ですが、マスターのレベルは「カンスト」というやつなのでは?」
「そーだったー!」
「残る可能性はあと二つですね」
「先に進めないようだ、また後で来よう」
「ですが...」
「先に進めないようだ、また後で来よう」
「ガラスを割れば...」
「先に進めないようだ、また後で来よう」
「そうですね...」
「さて、あの家に帰りますか!」
「はい」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「戻ってきたはいいが、何しよう...」
「この家もさっきみたいに探索してみては?」
「そうか!忘れてた!」
「はい、ここに来てからリビングに引きこもっていますからね」
「その、引きこもってるリビングすら本棚ぐらいしか詳しく見てないしね」
「では、まずはリビングからですね」
「机!ソファー!テレビ!キッチン!こんなもんでいいだろう」
「は、はい」
「次!」
リビングを出て次の部屋へ行く。
「ここは...暗いな...」
「今電気をつけますね」
「カッチッ」部屋の明かりをつける。
「書斎か...次!」
「ガチャ」ドアを開ける
「ベッド!机!タンス!エアコン!以上!次!」
「ガチャ」ドアを開け(ry
「さっきと同じ!次!」
「ガチャ」ドアを開(ry
「さっき(ry」
「ガチャ」ドアを(ry
「さっ(ry」
「ガチャ」ドア(ry
「トイレ!次!」
「ガチャ」ド(ry
「洗面所!お風呂!」
「こんなもんかな...階段だと...?!」
「一段飛ばし!ほっ!よっ!」
「ハァハァ...」
「ガチャ」(ry
「ここは絶対おじさんの部屋!」
「相変わらず私の存在忘れてますね」
「すいません...てか、ネラはすべて知ってるんじゃぁ...」
「もちろん、メイドですから」
「わざわざ家の中を走り回る必要なかったんじゃぁ...」
「走り回ったほうが言われるより覚えませんか?」
「そりゃ...まぁ...」
「もしかしたらメイドの私も知らない部屋なんかがあるかもしれませんし」
「本棚の裏とか?」
「そうですね」
「隠し部屋か...たとえばこの階段とか?」
「この階段ですか?」
「たとえば...一段目に手をかけて持ち上げると...」
「ギギギギ」
「え?」×2
階段が数段もちあがり、下に伸びる階段が現れる。
「うそでしょw」
「まさか、本当にまだあるとは...」
「さすが俺のおじさん!」
「少し暗いですね...」
「大丈夫!懐中電灯持ってるから!」
下へと進み、電気をつけると...
「こ、これは...銃がたくさん!」
「少しお待ちください」
「なんで?」
「掃除します」
「お、おう。で、俺はどうすれば...」
「邪魔にならないところにいてください」
「でも一人で掃除するのは無理があるんじゃぁ...」
「大丈夫です」
そう言うと、彼女の足元に魔方陣が現れる。
「え?ええ?」
「それでは、はじめます」
魔方陣からたくさんの小さなメイドたちが出て気た。
「ポン!ポポポポポン!」
「ファッ!?」
「あなたたちはこっち、あなたたちはあっちをお願いします」
みるみるうちに部屋がきれいになっていく。
「終わりました」
「「終わりました」じゃなくて!」
「何でしょう?」
「何?この小さなメイドたち」
「ミニメイドの妖精さんたちです」
「妖精?眷族けんぞく的な?」
「まぁ、そんなところです」
「へー、かわいいな...」
そういいながらミニメイドを手のひらに載せる。
「どれくらい出せるの?」
「試したことがないのでわかりません」
「よし、やってみよう!」
1時間後...
「まだ出るのかよ...」
「ええ...」
さらに30分後...
「なんか、召喚速度低下してない?」
「気のせいです」
「ですよねー」
さらなにさらに15分後...
「まだまだ召喚できそうですが、どうしますか?」
「もういいよ!結果、無限!以上!」
「わかりました」
「すごいことになってるよ、この部屋!床が見えないもん」
「そうですね」
「全方向メイド!メイド!メイド!」
「ネラの両肩と頭の上にもいるから!」
「そういうマスターの肩と頭の上にも乗ってますよ」
「うん、知ってるw」
「どうします?」
「とりあえず、ミニメイドさんたちにはわざわざ出てきてもらって申し訳ないんだけど、一旦帰ってもらって」
「わかりました、十数人にはこの家の掃除や洗濯を手伝ってもらうために残して、それ以外は帰ってもらいますね」
「ポフ!ポポポポポフ!」
「そうだ、この頭の上に乗ってるこの子は残しておいて」
「なぜです?」
「俺専属メイドに一人ほしい」
「あ、なるほど...そういうご趣味をおもちで...」
「違うよ!普通にメイドとしてね...」
「マスターの普通がどのようなものか存じ上げませんが、人の道を踏み外さぬようお願いします」
「ネラの俺に対するイメージって...」
「オタク」
「いや、間違ってないけどね!間違ってないけどもね!」
「違うのですか?」
「違わないです...」
「そういう人がいると聞きましたが?」
「いるよ、いるけどさぁそんな少数の人がいるってだけでみんながみんなそうだと決め付けるのはさすがにどうかと思うよ?」
「ですがこんな記事が...」
一冊の週刊誌の記事を開く。
そこには「犯罪者が見ていたアニメ」という見出しの下に一人一人丁寧に顔写真とともにアニメの画像が載っていた。
「いやいや、これは事実だけど違うから」(てか、どっから出したんだ?)
「どう違うのですか?」
「じゃあ、逆に犯罪を犯した人の中にアニメを見たことない人がいるのか?ってはなしよ」
「いたとしても、少数でしょうね」
「でも、その見ていない少数の人も犯罪を犯しているわけですよ」
「しかし、アニメを見ている人の割合のほうが多いですね」
「そりゃ、ここまでアニメが普及すればね...」
「つまり、犯罪とアニメは関係ないと?」
「まったくとはいえないよ、なぜならこの世界にはいろいろな人がいるからね」
「そうですね」
「とりあえず、このミニメイドは胸ポケにでも入れておくか」
「そうしてください」
「苦しくないかい?」
ミニメイドはコクンとうなずく。
「でも、なぜこの子にしたのですか?」
「選んでほしそうにしてたから」
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