{第九話} 二つのチートな指輪

「家に着いたはいいが、やっぱり浮いてるよな...この家」

「周りの家とぜんぜん違うもん!」

「どっからどう見ても、不自然!」

「なぜ、現代風建築にしたんだ?」

そんなことを心の中で言いながら家の扉をあける

「おじゃましまーす」(あ、俺んちか)

「ただいまー」

「誰もいないのか?」

靴を脱いでいるといつの間にか目の前にメイドが

「おかえりなさいませ」

「お、おふっ」(驚きのあまり動揺してしまった...)

「この家に入れたということは、京一様いえ、勇三ゆうぞう様の血を引く方ですね」

(勇三?あ、じいちゃんのことか)

「ええ、まぁ」

「お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」

「しょ、昌です。菊田昌」

「昌様ですね、ではマスターとお呼びしますね」

「私は京一様によって作られたメイドの「ネラ」と申します、お好きにお呼びください」

「この家の管理とマスターの身の回りのお世話をさせていただきます」

「よろしくお願いします」

「いえ、こちらこそよろしく」

「ではまずこちらを」

そういうと彼女は二つの指輪を取り出す

「こ、これってまさか...」

「婚約指輪ではありませんよ」

「え、あ、はい」(超恥ずかしい奴!)

「これは私の所有者である証です」

「片方はマスターがもう片方は私がつけます」

「これでいつどこでも私を呼ぶことができます」

「なるほど」

「それと」

そういうとまた指輪を二つ取り出した。

「これは京一様と勇三様の指輪です。これをつければ、お二人の固有スキルを受け継げます」

「固有スキル?」

「ええ、この世界の一部の人間は生まれつき固有スキルというものをもっています」

「しかし、固有スキルにもレベルがあり生まれた時からレベルは変わりません」

「京一様のスキルは「クリエイト」もの作りのスキルで、とてもレベルが高いです」

「具体的にいうと?」

「たとえば、武器を作る時普通は鉄や木を加工するところから始めますがクリエイトがあると」

「想像するだけで加工ができます」

「一方、京一様のスキルはレベルがとても高いので、何もないところから材料なしで作ることができます」

「武器や防具も?」

「はい」

「機械なんかも?」

「多少時間はかかる見たいですが可能です」

「へー」

「そして、勇三様のスキルは戦闘に特化したスキルでこの世界にはなかったスキルです」

「効果は武術や剣術などの戦闘スキルをさらに強化したもので」

「ほかにも体力強化や筋力強化などといった身体能力もできます」

「つまり、足が速くなったり?」

「はい」

「ジャンブ力が上がったり?」

「はい」

「なるほど...」

「ちなみに、僕のスキルは...?」

「それは見てみないとわかりません」

「見る?」

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