{第十話}これこそチート

「見る?」

「はい」

「どうやって?」

「アレを使います」

彼女が指をさしているのはどっからどう見てもパソコンだった。

「え?あれって...」

「パソコンです」

(ですよねー)

椅子に座ると。

「では、この板に手を置いてください」

その板はUSBでパソコンにつながっていた。

「お、おう」

板に手を置いた。

「それでは、始めます」

そう言うと彼女は何やらキーボードをいじり始めた。

すると、板が光りだす。

「なにこれ?」

「終わりました。もう手を離しても大丈夫です」

「で、今なにをしたんだ?」

「今この「スキャニングボード」でマスターのステータスを読み込みました」

「スキャニングボード?」

「京一様が作られた発明品の一つです」

「で、結果は?」

「今、画面に映し出されます」

「まずHPが100、MPが50で...」

「え、そんな感じに表示されるの?」

「ええ、京一様が「このほうがわかりやすい」っとデザインされました」

「なるほど、納得...」

「そして攻撃力が20、防御力が10」

「固有スキルは超記憶力で」

「レベルが1ですね」

「え?1?」

「はい1です」

「マジかよ...オレはてっきりカンストしているものだと...」

「始めた瞬間からレベルカンストしている勇者が出てくるRPGがありますか?」

「ありません...」

「ですよね?そういうことです」

「なんてこった...」

「そんなに落ち込まないでください」

「だって...」

「実は...これ...」

「これ...?」

「書きかえられるんです」

「マジか!」

「はい」

「よし!カンストさせよう!」

「どうぞ」

彼女が席を立った。

「さてとまずはHPとMPと攻撃力と防御力をカンストさせて...」

「固有スキルを...」

「固有スキルは書きかえられません」

「え?」

「マジ?」

「マジです」

「マジかー」

「でも、追加はできます」

「それを早く言ってよ」

「まず「未来予知」「全属性魔法使用可」「全属性耐性」「他者の固有スキルコピー」」

「そしてあとは...固有スキルにもレベルがあるって言ったよね?」

「はい、ちなみに固有スキルのレベルカンストは生涯かけても無理らしいです」

「そうか...なら、最後に「固有スキルレベル強制カンスト」で」

「終わりましたか?」

「Yes!」

「ではもう一度手を」

「ほい」

「では書き換えます」

「こい!」

「完了しました」

「よし!これでオレはチート主人公だ!」

「おめでとうございます」

「そういえば、このパソコンってなにで動いているの?」

「電気です」

「電気?どうやって発電しているんだ?」

「この家の屋根についている太陽光パネルで発電しています」

「それだけで家一軒の電気を担うのは無理があるだろう」

「私も詳しいことはしらないので答えようが...」

「わかった!魔法ってことで!」

「そ、そうですね...」

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