異世界で俺はチーター

｛第四話｝ 異世界チートマニュアル

目を覚ますと周りは真っ暗だった。

「えーと、俺はたしか...そうだ！異世界に来たんだ」

スマホのライトをつけ蔵の中の電気のスイッチを探す。

「パチッ」

明りがつき蔵の中が明るくなる。

「まずは、何か異世界で使えそうな物を探そう」

１０分後

「海中電灯に電池、ライター、コンパス...こんなもんでいいかな」

「あと、カバンがあれば...」

「あった」

本棚の上に黒いリュックサックが見えた。

「とどかないな...」

「っく！」

背伸びをし腕を伸ばす。

「あと少し...」

リュックを引っ張ると、本が一冊頭の上に落ちてきた。

「イッテ！」

「異世界チートマニュアル...」

本の表紙にはたしかにそう書かれていた。

そして帯には「これさえ読めば、あなたにも楽しい異世界ライフが！」

「異世界のマニュアルか...一様もっていくか」

「こんなもんで良いか！」

そう言いながら辺りを見回すと、そこには

「お！自転車だ！」

「しかも、マウンテンバイクだ！」

しかも特に目立った汚れもなく、隅々まで手入れが行きとどいていた。

「とりあえず今は置いておくか...」

「さぁ、これが俺の異世界への第一歩だ！」

そう言いながら俺は行きよいよく蔵の扉を開けた。

扉をあけるとそこには、現代風建築の二階建ての倉庫つきの家が建っていた。

「あれ？ここって異世界だよな...？」

目を何度かこすって見てみるもそこにあるのは自分が住んでいた世界でよく見る家だった。

「すいません」

とりあえず中に入って見ると、やはり内装もよく見るものだった。

一度家から出て周りを見回すとそこには街の隅の一角でよく異世界物の物語でよく見る木造の家が立ち並んでいた。

「あれ、この家だけこんなんなのか...？」

辺りを見回しながら、家の前に道に出ると周りの人（この街の人だろうか）が俺を見ていた。

（ヤバイ！さすがにこの格好は目立ちすぎたか）

そんなことを考えていると、俺を見ている人をかき分けてこっちに来る物がいる。

「あなたは、もしや...！」

かき分け出てきた老人が俺に向かって言う。

「え？何でしょう？」

老人はうっすらと涙を浮かべながら

「京一様の息子さんですか？」

と、聞いてくる。

「いえ、息子ではありませんが京一は僕の伯父ですが...なにか？」

「やはり、京一様の親戚の方でしたか！」

老人のその言葉を聞いていた周りがざわめきだす。

「ここじゃ何ですから、ささ私の家に」

「あ、はい」

俺はそのだれかも知らない老人の後についていくことにした。