第4話:学校生活の妨げ
私は近くの木造校舎の小さな小学校へ次の日から登校をした。
手には、革のカバンで普段着の白い服とスカートを着ていた。
学校の授業では、私の脳では、意外にも追いつける範囲内でした。
けれども校内の休み期間では、困っていた。何を困っていたかというと、少しのいじめであった。私には、傷が付いた汚点という事だった。
でも、私は、そのような事も、お構い無しで過ごしていた。
それがこの学校生活中の何年間も続いてしまうだろうとある意味、小さい事が大きく感じて弱気になっていきました。
「お前…父子家庭のシリー」と男子には、そう小馬鹿にされ、「どうして、お母さんがいなくて、お父さんだけ、一方に暮らしているの?」と四人の女子にも言われていた。
そう、お母さんの亡くなった存在に疑問を問われ続けていた。だから、何も言えないし、どう言えばいいのか分らなかった。だから…黙ってしまう。
「はいはい…皆さん。シェリーちゃんのお母さんは、もう亡くなってしまったのよ。そう責めては、シェリーちゃんが可愛そうでしょう」と先生だけが私を庇ってくれました。
そのような、苦しい学校生活も冬休みが近づいて、学校へ行く気にもなくなってしまった。もちろん、お父さんは、怒った。
「どうしていつもズル休みをするんだシェリー!学習しなくては、いけないんだぞ!」と見幕で怒るが私は、俯いて口を塞いでいました。
でも、その怒られるのにも慣れてしまっていた。だから、お父さんは、エスカレートして、シェリーにぶつけていました。
私の顔が張れて赤くなった時もあった。
私の頭の中では、どうしようもできないから…どうしていけばいいの?私の選択は間違ってはいない。だからと思って騰いてグルグルと脳内を混乱していた。
私は、正直に言った。「お父さん…私は、必至に学校へ三ヶ月間、我慢して行ったんだよ。どうして殴ったりと傷つけるの?私を大切にしてくれるって言ったよね」と私は言うが「それとこれとは違う!学校は、三ヶ月だろうが、四ヶ月だろうが、欠席してはいけないんだ!だからお父さんも必至なんだよ!…本来は、こうしたくはなかったが…お前が、一ヶ月もズル休みをした為に手を出してしまったんだよ」と理由を述べていたが、私は、どうして休みたくなってしまうのか…それをお父さんにぶつけた。
「私…お母さんの亡くなっちゃった事を、周りの生徒達に言われて、どうしてお父さん一方だけで暮らしているんだ…って正直…苦しかった心が…でも、先生だけが私を庇ってくれたから救いかと思っていたけど…段々と嫌になっちゃったの…お父さんには、分からないでしょ」と言って泣きながら私は、つい、二階の方へ足を運んで、只、無意識にそうした。
「…そうだったのか……そのような事は、確かに…俺の権利がない…何故なら…お母さんは…」と惜しくも今までに言いぶつけてきた事がかえって屈辱に思えてしまったからでした。
「俺が改めなければならない…なぁ…ローゼ…お前もそうするだろう…ってこのような状況を作る事はないよな…全く…医師にも、『あなたがしっかりしていれば』と言うのが心に突きやがってしまう…謝ろう」とそう言って二階の方へ向った。一段上る度に、当時の恐怖感がのしかかってくるが、シェリーの部屋の前へ来た。
[謝ろう…そうすれば、俺も、もう一度改めて見てあげられる]と思い、開けようとした。
ちょっと開けてみると、クスクス…と泣いてすすり泣きをしているのが聞こえた。とても入りづらかった。けれどもここで退いた所で何の解決になるのかと思い、扉を開けた。
そこには、ベッドで丸くなって、髪がクシャクシャになっていたシェリーの姿が見受けできた。心が痛かった。どう接すればいいのか、正直、父親の俺では…わからないが…どうにか支えなければと思い、近寄ってシェリーの肩をゆらして、その後に言った。「シェリー…このとおりだ。何もお前の事を考えなかった一方的な俺を許してくれ。お前を悲しませたり辛い思いをさせたりしないように誓ったけど…お父さん…嘘をついて、こんな哀れな俺になった。けれども改めて…お前を大切にしていきたいと思っている!ごなんなさい」とベッドの柵に頭を当てながら謝罪した。
「ちょっちょっと…わかったから…お父さん」と私は、もうこの人はと思いながら言って、泣くのを止めた。
「本当か?」と頭がマンガの空想上では、柵の後がきっちりと残っていたが、コブが出来ていた。というか血も…それ程に心が蝕んでいたのだろうか…私を大切にする決心がいつの間にかなっていったのだろうか…心変りにしては急過ぎる。
「私は…学校に行きたくはない…だから休んでも良い?」と言った。すると「休むのは、本来は、いけない事だが…わかった。シェリーの言う通りにしよう」と許してくれた。「え?いいの?」と疑問に思った。
「勿論、元々お母さんが亡くなってしまったのが原因だから…シェリー…お前の行いは正しい。どうする事もできなかった苦しみが俺には、伝わった。その変わり、この二階でしっかりと寝る事!それだけの条件を守ってくれたなら、許そう…許そうではないが…すまなかったな…俺達の事情でシェリーを戸惑わせてしまって…」と俯いていたお父さんがいた。
私は、お父さんの顔を撫でた。お父さんは、照れ臭そうにして「シェリーに撫でられて、慰めてくれるとはな…」と笑顔で言った。それに伴って私も笑顔をみせて笑った。
「わかった…でもどうしてここにいなくちゃいけないの?」と私はお父さんに訊ねた。
「ここの部屋にいるシェリーを見るとな…安心して、お母さんもお父さんも…そうしていられるんだ。それに…あのシェリーの机は七歳になった…いやっ小学生になったらと思って買った物なんだよ」と懐古を思わせるように表情で言っていた。
そう言って部屋をお父さんは、出ていった。
[きっとわかるだろうな…いつか…本当の事を知るのだろう…シェリー…嘘を付く事になるが…申し訳ない。これもローゼと誓った事なのだ…申し訳が、只、ない]と思って階段を下りて行った。
「仕方ない事もある。又、あの子が、知る必要はない…只、リボンだけは、受け取って欲しい…ローゼは、どう手紙に綴ったのか…私には、分らないが…リボンさえ…あの子がもってくれれば、それだけで、幸いだ」
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