第3話:眠れない四時間

 お父さんは、そう言ってどこかへ行ってしまいました。

「わかりました」と不機嫌そうになって言いました。

とは言ったものの、ちっとも眼を閉じても眠る事ができません。

スヤスヤとなるには、ちょっと緊張が伴っており、おちつく事ができませんでした。

私は、寝ているふりをして、目を閉じていました。

[二階が気になる…けど…私は]という意味深なお父さんの一言が逆に私のトラウマになりそうでした。

全く眠れない内に一時間が経ちました。

そうしていると頭が痛くなってしまいました。

私は、ここでどうしているのだろうことか私は、何をしたいのだろうと思って頭の中がグルグルと巡らせていました。

まるで宇宙人が謎の生命体に頭を占領されて空っぽになった感じでした。

すると台所の方から、「あ!」やら「しまった!」やら「もう少し足そうかな」と何だか料理を作っている様だった。

そんな内でも全く寝れていなずにいました。

[どうしてだろう…眠れないのは…初めての家と感じるからなの?]と又もや巡らせていました。

もう四時間があっという間に経ってしまい。

「シェリー…シェリー…夕飯出来たぞ」とお父さんが起こしに来た。

私は、直ぐにハッと目を覚ませながら、パッと起き上りました。

「はぁい…ふぁぁ…」と私は、欠伸しながらお父さんの手を握って一緒に行きました。

テーブルの上には、色とりどりの食料で台が埋め尽くされていた。

「わぁー…これって」と一つの食料を指した。

「それは、シェリーが好きだったクリームスープだ。お母さんの味には、勿論、適わないがな…まぁ、椅子に座って食べよう」と少し照れ臭そうに見せながら、そう言った。

私は「ふーん」と言いながら、クリームスープを味見のようにスプーンで掬って口に運ばせた。

「ん~…美味しいよ」と私は、笑みを浮べさせて言った。

「…そうか。なら、お父さんも食べるか」と言って椅子に座り食べ始めた。

食後に、私は、お母さんの事や思いを伝えた。

「私のお母さんって、本当に亡くなったの?」と言う。

「ああ……残念な事かもしれないけども…本当の事だ。シェリー…お前が…心筋梗塞になって緊急搬送された時に、母さんは…お前の部屋で心不全で亡くなってしまった。…だから…酷かもしれないけども、お前に授けた」とお父さんが何かを言おうとしたが、私は「止めて。その先を言ってしまうと心が痛みそう…だから…」と私は、胸をおさえて、とても苦しかった。

「それじゃあ…私の病って何だったの?」と言ったが「すまない…それは、一切、シェリーに言う事は、できない。すまないが」と口に手をあてて言う。

「え?どうして?」と私が追って言うが、お父さんは、左右に首を率直に振った。

「それよりも、シェリー、あしたから学校が始まるが…準備を手伝おうか?」と話をあっさりと反らした。

「うん…」と、私は、不満そうに言った。何を隠す必要があったのか、又、再発するとか?何のこだわりなのか私には、わからなかった。

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