上京したばかりの大学生の女の子が、古書の町で不思議な書店に迷い込むという物語。
小生も「都会」に行ったばかりの頃を思い出し、思わず主人公に共感を持った。言葉や文化の違いにショックを受けつつも、「慣れる」ことに必死だった日々。この物語の主人公も、この書店に行く前は、「都会」に慣れようと自分に言い聞かせる。
そんな主人公が書店での出会いを通して、「都会」の片隅に友人を見つける。もっとも、その友達には大きな秘密が隠されているのだが……。
その土地に「慣れる」という事は、言葉や文化の違いに「慣れる」のではなく、その土地に顔見知りや友人を作っていくことなのだ。そうしている内に、見知らぬ土地が、いつの間にか身近な土地になっていくのだろう。
さあ、新生活で早く新しい学校、クラス、部活、会社、仕事、に早く「慣れよう」としている、そこの貴方。ちょっとこの作品を読んで、「慣れる」ということはどういうことなのか、考えてみませんか?
是非、ご一読ください。