aki_4
忘れられない人がいるんだ
彼女の溢れる涙を見た時
何も言わなくても、そいつに対する大切な思いをすべて見せられた気がした
初めて会った時
グランドを眺めてた亜紀は
何を思ってるかわからなくて…
どこか昔の自分と似てるような気がした
高校の時、ずっと一緒にいたいと思った人がいた
彼女との未来を思い描いた
でも、
それは叶わなかった
きっと、心の中には3つの引き出しがある
現在
過去
未来
彼女の思いをようやく過去の引き出しに入れられたと思えた
そんな時、亜紀に会った
もう、愛しいと思える人なんてこの世にはいないんじゃないかと思ってたのに、
彼女を抱いた時その温もりを愛しいと思った
何でかわかんないけど、ギュッと抱きしめていたかった
男と女は理屈じゃない
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人の出会いは運命
信じる者だけに訪れる
運命の糸なんてものは見えないけれど
信じていれば、いつか手繰り寄せられる時が来るのかもしれない
出会いも始まりも
最悪だった彼と気が付けばいつも一緒にいた
好きとか付き合うとか、
そんな言葉もないまま、私たちは何かに引き寄せられるようにお互いを求めてた
初めから亜紀と呼んだ彼を颯真と呼べるようになった頃、私の中で彼の存在が大きくなっていってた
「亜紀、今日来る?」
「うーん、わかんない」
「あっ、そっ、じゃあ、俺、飲みに行こうかな」
「行ってくればぁ」
「おー、行ってくるよ」
素直じゃないんだから、来いよって、一言言えないかなぁ
颯真は…どう思ってるだろ
私がまだ周平のこと…
だから、何も言わないのかも。
私は颯真にとって…。
出会ってから半年
私は正式にマネージャーになり、練習が終わると颯真の家に行くことも多くなった
同じ時間を過ごせば過ごすほど、彼の不器用な優しさが心にしみてくる
「おかえりぃ~」
「なんだ、来てたのか?」
「行かないとか言ってないよ」
「……。」
黙ったまま、シャワーを浴びに行く彼
「やっぱり、帰ろっかなぁ?」
バスルームに聞こえるようにわざと大きな声で言うと、慌てたように出てくる彼
子供みたいなんだからっ
「早いね」
「別に…」
「はいっ、お水」
「んっありがと」
「帰んの?」
バスタオルで髪を拭きながら、よそ見しながら言う
「うううん、帰らないよ」
ソファーに座る私の後ろに座り首に手を回し耳元で囁く
「じゃさっ、泊まる?」
「んー、泊まる」
嬉しそうに振り向いた彼女の唇を塞ぐ
何度も繰り返すkissが深くなるのと比例するよう身体が熱くなってくる
そのままソファーに倒して、全身に唇と手を滑らしていくと
彼女はさっきの無邪気な笑顔とは一変
……妖艶な表情に変わった
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