第14話
細い指から腕、肩、首筋に唇を這わすと美帆の小さく呻く声
頬にかかる髪をよけて触れるだけのキスをすると潤んだ目で見上げる
やっぱり、この目に弱い
高揚する気持ちを必死で抑えようとしても熱くなる身体が彼女を求めてる
深いキスを何度もしながら、
指先で胸を弄ぶように転がすと
息が上がる美帆
「しゅぅ…へい、くん
あっ、んっ、」
「美帆…綺麗だよ」
「やだっ恥ずか…しい」
身体の中心が熱く溶けてくるようで
自分でどうなってるのかわからなくて
ただ、周平くんにしがみついてた
「美帆…いい?」
黙って頷くと一気に痛みが走る
周平くんの逞しい二の腕を離さないように必死で掴んでた
「ぁあっ」
ゆっくり、息を吐いて力を抜くと汗ばんだ額を撫でてくれて彼は穏やかな顔に戻ってた
「…もう大丈夫だから」
「んんっでも…ま…だ なんだよね?」
「うん、もっともっと、美帆が欲しい」
覆い被さるように抱きしめられて彼が動きを早める
「周平くん、…周平…大好き」
夢の中にいるようだった
肌が触れあう度に鼓動が早くなり
彼の息遣いが身体を熱くする
心と身体が幸せに充ちていく
美帆、美帆と何度も呼ぶあなたの声が今まで聞いたことのない優しい音色で
自分の名前なのに、初めて呼ばれたような気がした
穏やかに響くこの音は
あなたしか奏でられない、
私にしか聞こえない
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「美帆…愛してる」
そう言うと彼女はとびっきりの笑顔を見せてくれた
今まで見たことのない
そう、初めて会った時に俺が想像してたまんまの笑顔
あー、やっぱりこんな風に笑ったんだ
「周平くん?え?泣いてるの?」
「泣いてないよ」
顔をそらした彼を見ないようにして
抱きついた
「周平…ありがとう
私も愛してる」
すべてあなたが教えてくれた
繋いだ手の温かさ
抱きしめられた時の鼓動の響き
唇の柔らかさと愛しさ
心と身体が繋がった時の幸せ
そして、
ずっと忘れてた笑い方も
全部、全部、周平が教えてくれた
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