第二十四話 帰り道の途中の二人組! 系なッ!?

 剣道でポンス先輩に勝つことができたので、私は気分良く帰り道を歩いていた。ポンス先輩から貰ったジュースは、自宅に帰って冷やして飲もうと考えている。だから、私は自動販売機でジュースを買って、そのペットボトルを傾けているところだ。とろけそうな太陽が、浮かんでいるのを確認して目を細める。


「今日は、ポンス先輩に勝つことができました、系な……!」


 私は、ジュースを再び傾ける。甘さと良い香りが口いっぱいに広がる。そのまま、ごくっと喉を鳴らす。

 再び、ジュースを傾ける。口の中がひんやりとしてきて、暑さも吹き飛んでしまうようだ。

 向こうから、二人組が歩いてきている。手をつないでいる二人組だ。私は、二人組を見ながら、再びジュースを傾ける。

 あれっ? あれは、何処かで見たような――?

 私はジュースを傾けたまま、前方から歩いてくる二人組を観察していた。

 あれっ!? あれは、レモン先輩だ!


「っ……!?」


 私は、危うくジュースを無駄にするところだった。

 口元をぬぐって、足を止める。

 レモン先輩の隣を、私は二度見した。

 レモン先輩の横で、シトラス先輩が笑っている。

 レモン先輩とシトラス先輩の手がしっかりと握られている。

 な、なんだ、これは! 系な!

 私の口が、スローモーションのようにパカーッと開く。

 楽しそうな話し声は聞き取れないが、あの二人組に違和感を感じるのは何故だろう。

 シトラス先輩は、悩みがなさそうに笑っている。

 しかし、シトラス先輩に悩みがあるというのも事実だろう。


「どういうことだ? どうなっているんだ、系な?」


 私は、帰路を急ぐ。

 私は、ポンス先輩からの手紙を読まなければならない。

 私は、全速力で自宅に向かって走った。



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