第3話 病名



…… 起立性調節障害 (OD)



私が患った病気。


中高生に多いそうだ。


今現在、完治につながる有効な治療法は見つかっていない。


調べても…どれも、生活習慣を直す・鎮痛剤を服用する などといった対処療法ばかり。

根本的な完治にはつながらない。


この病気は自律神経系の乱れが主な原因であるため、人によって様々な症状が現れる。


私の場合は、、


酷い頭痛。

全身の倦怠感。

めまい。

脳貧血。

低血圧。


などなど、その日によって症状が違った。



起立性調節障害という病気は、まだまだ認知度や理解度が低い。


私自身も、発症するまでは…こんな病気があることを全く知らなかった。



朝が起きれないなんて、信じられないかもしれないが本当だ。


起きれないというより、起き上がることが出来ない のほうが正しいかもしれない。


酷い頭痛に全身の倦怠感から、身体に力が入らず自力で上体を起こすことが出来ない。


そんな状態なのだから、むろん学校には行けない。


朝目が覚めると、とりあえず血圧を上げる薬(昇圧剤)をベッド上で飲む。


この起立性調節障害患者によく処方される昇圧剤はOD錠になっていることが多いので、口の中で溶けるように出来ている。

そのため、起き上がらなくても服用できる。


私の場合は、昇圧剤を服用してから、数十分後…時には数時間後になってようやく起き上がることができた。


そこからゆっくりと身支度を整え、学校に向かう日々。


学校に着いたらまずは保健室に寄り、その日の体調などをいつも保健の先生に話していた。


保健の先生は、この起立性調節障害という病気について理解してくれていた。


それがせめてもの救いだった。


当時の担任の先生も、私の状態を分かってくれ、常に気にかけてくれた。



急に、ある日突然…わけのわからない病気になった私にとって、家族や学校の先生たちが理解し、支えてくれていたことは感謝してもしきれないほど嬉しいことだった。



だから、この先に起こる辛いことや苦しいこともきっと乗り越えられたんだと思う。


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