第4話
七月七日
今日は七夕。織姫と彦星が出会う日。
それなのに私が彼に会いに行かないわけがないよね。
まぁ、そんなこと関係なく会いに行くけどさ。
てことで今日はお泊まりなのです。
『おまたせ。今日はどこへ行くの?』
「今日はね、中華街に行ってみたいなって。あ、お小遣い。忘れないうちに渡しておくね。」
『ありがと。じゃ、早速行こっか。』
「うん!」
いつか彼氏が出来たら行きたい、やりたいと思った事を彼は全部叶えさせてくれるからすごく嬉しい。
今度はちゃんと彼の行きたいとことかにも連れて行ってあげたいなとも思ったけど、彼のことだからどこでもいいよ。っていいそう…
ちょっと悲しいけどきっと今まで経験が無かったからそう思ったんだろう。
そのうち行きたい場所が出来た時に連れて行ってあげよっと。
そんなことを考えてたら中華街へ着いていた。
中華街へ来たらやることと言ったら……
「ね、これから中華街の出店のものどんどんたべてこ!」
『いいけど、全部野菜抜きでね。』
「はいはい。わかってますよ〜だ。」
そりゃもちろん食べ歩きっしょ。
彼は大の野菜嫌いなので野菜はぜーんぶ拒否。こういうとこがたまらなく可愛い。
甘やかしちゃいけないかもしれないけど甘やかしたくなるよね。
色々美味しいもの食べてお腹が満たされた頃に遊園地へと向かった。
「あーよく見る感じの遊園地だ!」
『この街色んな作品の聖地だしね。』
「ねね!私、観覧車乗りたい!」
『いいよ。行こっか。』
そうして観覧車に乗った。しばらくして、
「すっごく綺麗……ねぇ、観覧車のジンクス知ってる?」
『なにそれ。』
「あのね、観覧車のてっぺんでキスしたカップルは永遠に結ばれるってやつなの。」
『へー。』
「ってことで、えいっ!」
『わっ……んっ。』
彼は不意を突かれたからかかなり驚いていたがそんなのお構いなしに観覧車が頂上を過ぎるまで私は彼にキスし続けた。
『…な、突然なにすんのさ。』
「……ふふっ。これで私達も永遠に結ばれるね。まぁ、そんなジンクス無くても私が貴方を離したりすることなんて無いのだけどね。」
『あっ…う、うん……。』
観覧車に乗ったあとは今日お泊まりするトコヘ一旦向かった。
「みて、ここから観覧車見える!さっき私達はあれに乗ってたんだね。」
『すっごいよね。ここの眺めすごくいいね。』
「あ、私もそれ思った!………ねぇ、これから晩御飯食べようと思うけど、そのあと…」
『うん、いいよ。そうしたいのなら。俺は反対する理由が無いからね。』
「やった!じゃあ、晩御飯食べに行こ!」
織姫と彦星も今頃きっと二人で仲良くしているのでしょう。
だから私も彼らに負けないくらい今日もイチャつくの。だって、夜は長いのだから。
七月二八日
今日から三日間、ずっと彼と一緒に過ごすの。
真ん中の日は彼の誕生日なんだよ。
だからとってもとっても楽しみ。
「おはよう。今日も晴れてよかったね。」
『そうだね!すごく楽しみだよ。』
「早速だけど、これ。今日分の交通費とあとお小遣い。」
『あっりがとう!』
彼もとっても楽しみにしてるようだ。
私だってとってもとっても楽しみにしてるんだから。
早速私達は目的の場所へ向かった。
「やっぱりここっていいよね。中華街だけじゃなくその周りも色々楽しい場所あったし。」
『色々あるから楽しいよね。』
今日は中華街ではなく近くのショッピングモールへ買い物へ行くことにした。
せっかくの旅行なのだからいつもよりオシャレにキメないとね。
「これとこれどっちがいい?」
『どっちでもいいよ。好きなのにして。』
「うーん…そうだなぁ…。じゃあ、こっちにしよっかな。」
『ありがとう!次はどこ行くの?』
「うん、次はね、さっきまでとちょっと違うんだけど、忘れないうちに買ってしまいたいから薬局に行こう。」
『おう。』
そうして色々お買い物をしていった。
その後、予定通りのホテルにチェックインした。
彼と一緒に過ごす最初の夜はとってもとっても甘い夜。
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