第2話
五月三日
今日は彼のお洋服を買いにおっきなショッピングモールに来た。
さすがにGWなだけあって人も多い。
さっさと彼にぴったりのコーデを考えてもう一つの目的を果たさないと♪
「どういうのが好きとかある?」
『え、選んでくれるものは何でも嬉しいよ!』
「そう?じゃあ、とりあえず色々見てみよっか。」
実は彼がそんな返事をするのは想定内だったので、ある程度のものは決めていたの。
彼が何でもいいって言うことはこれからいくらでも私色に染められるってことでしょ?すっごく楽しみ♪
いくら大型ショッピングモールとはいえ男性ものは結構限られた店にしか置いていない。
そのこともあって、コーディネートするのは簡単なの。
途中ご飯も食べたりしながら何着か洋服とアクセサリーを購入した。
大学生ならちょっと背伸びしてこう言うの持っていなきゃね。
「確認だけど、今日はこの後用事無いんだよね?」
『うん、そうだけどどうして?』
「じゃ、じゃあさ……今晩はこのままお泊まりしない…?」
『えっ?』
「あ!もちろんホテル代出すし、親御さんの許可を得てからだけどね?」
『い、いや、親は大丈夫なんだけどさ、どうしたの?急に。こないだは誕生日迎えるまでお泊まりは無しだって言ってたのに。』
「あはは……。その…ね、自分で言ったくせに我慢できなくなっちゃった。あは。」
『なるほどね。別に反対する理由ないし、こっちに不利益なことはないからね。いいよ。』
「やったー!じゃあ、早速向かおう。」
こうしてお泊まりが決定した。
今日も彼の様々なハジメテを私の物にできた。
彼は元々女性経験はないから私がハジメテをとにかく沢山体験させてあげたい
できるなら彼の要望は何でも叶えてあげたい。
彼が私の側にいる限りはずっと、永遠に。
それが私のアイ。彼に捧げられるアイの形。
でも、そうやって彼に捧げるのは昼間の太陽が輝く時間だけ。
月と星々が支配する夜の時間は私が彼からアイをもらう時間。
彼のアイを搾りとる時間。
五月四日
気がついたらもう朝だった。
初めてしっかり見る彼の寝顔。
ぐっすり寝てて安心しきっている故に魅せる幼さと微かに残る艶やかさ。
昨日は結構歩き回ったりと普段動かない私達からしたら身体を沢山動かしたから疲れてしまったようで、ぐっすり眠れたみたい。
でも、そろそろお時間なので眠り姫のごとく彼を起こしてあげよう。
「ほら、起きる時間だよ……んっ(チュッ)」
『んんっ……。あれ、もう朝か。おはよう……。身体が重い…。って、なんで上に乗ってるの?』
「あ、それは…ナイショ!あ、そろそろ支度しないとチェックアウトの時間だよ。」
『そうなの?じゃあ支度する…。』
そういって彼はシャワーを浴びにいった。
それから一度荷物を置いた私達はスカイタワーへと出かけた。
私、スカイタワー出来てから一度も来たことないからデートしたかったんだよね。
GWだからとても混んでいたけど、混んでいる分密着は出来るし、ずっと行きたかった場所なだけに楽しかった。
水族館にも一緒に行った。話題になるだけあってすごく綺麗な所だった。
また、人が少ない時間を狙って行きたいな?
そんなこんなしてるうちに日もすっかり傾いてしまった。
明日は二人とも朝からシフトが入っているので今日は早めに解散することにした。
「二日間楽しかった。ありがとう。じゃあ、また明日。」
『ばいばーい。』
帰宅するとさっきまでの時間が夢みたいに感じた。
でも、今日買ったお揃いのストラップがそれを現実だったと教えてくれる。
長く居た分寂しさが増す。彼と離れるのが寂しい。
あぁ、彼があのまま私の傍でずっといてくれたらいいのに…
ずっとずっと彼と一緒にいたい。それこそこのストラップのように。
でも、彼には彼の生活がある。
私がそんなに束縛強い女だと知ったらガッカリするよね?彼に嫌われるのが一番嫌だ。
嫌だ嫌だ嫌だ。
でも、その前に彼が私から離れるってなったらその時は…仕方がないよね?
五月一〇日
今日、彼はシフトのはずだったが来なくなった。
今日から彼は自分の同僚ではなくなった。
あとで彼から聞いた話によると、私との関係がバレてしまい、辞めさせられることになったそう。
この時の私は不思議と冷静だった。
私のシフトの後、彼に連絡を取ってみることにした。
「いま仕事終わったんだけども…大丈夫?」
『収入が無くなるのが痛い。』
「お金に関してはなんとかしてあげるから。気にしないで。」
『ありがとう。助かるよ。』
「とりあえず明日お休みだから少しお出かけしよ。」
『わかった。』
案外大丈夫そうだった。
でもこれで彼はますます私無しでは生きていけなくなった。
だから私はそれだけでとっても嬉しいの。
これから彼を肉体的にも精神的にも支えて行くの。
そしたら彼が私を手放すことは無くなっていくでしょ?
五月十一日
今日は早くから彼とスカイタワーへデートしに行った。
GWは混んでて行けなかったスカイタワー下の水族館へ向かった。
結構写真をSNSで見ていた時から好きな場所であったので、年パスをせっかくだからと購入してみた。
中は写真を見た時と同じ様にとっても綺麗だった。
こんな綺麗な光景を大好きな彼と見ているなんて…夢みたい……
でも、夢はいつか覚めるもので、この幸せなひと時もすぐに終わりは来てしまった。
「そろそろ部活の時間?かな?」
『うん、まぁ一応そろそろ行くならって感じだね。別に緩いとこだから休んでもいいんだけどね。』
「いや、部活は行きなよ。青春はすぐにどっかに行ってしまうからね。あ、これお小遣い。」
『あ、ありがとう!じゃあ、行ってくるよ!!』
「うん、いってらっしゃい。」
こんな感じでこれから彼と確実に定期的に会うことになっていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます