派閥(明治偏) 79 艦長が見事な作戦でした、中将は潜水艦をよくご存知ですねと言うので、本に書いてあつたのさ、敵が本気で攻撃するとしたら何回もチャンスはあったはずだ、しかし敵


派閥(明治偏) 79


艦長が見事な作戦でした、中将は潜水艦をよくご存知ですねと言うので、本に書いてあつたのさ、敵が本気で攻撃するとしたら何回もチャンスはあったはずだ、しかし敵は攻撃してもこの、

スピードが出る駆逐艦に勝てるはずがないと思い、威力偵察をしようとしてわざと震度を浅くして、探知不能領域に入り、一気に深度を下げて離脱しあざ笑うつもりだったのでしょう、


しかしこれで領海内には入らないよ言ったのです、この戦法を潜水艦乗りに教えてもかまいませんかと聞くので、ええ、この戦法で離脱できれば大勢の乗組員が死なずにすみますと笑った、

のです、それではそろそろ夕食です、仕官食堂まで案内しますと言うので、連れ立って士官食堂に行ったのです、当直以外の仕官が集り、立ち上がって真一に敬礼したので、答礼すると、


陸軍軍令部の村上中将です、重要任務の為我々が旅順までお連れすると艦長が言い座ったのです、ワインが出て来たので皆で盃を重ねてテーブルを見ると海軍カレーです、これは上手そう、

だといい、スプーンで一口食べ美味いといい、凄くまろやかだが牛乳が入れてあるのと聞くと、そうです出航の1日目は牛乳をいれます、牛乳は長持ちしないので早めに入れるのですと、

士官が答えたのです、


なんと言っても船では食事が一番楽しみですからねえと艦長が言い、このまま行けば明日の午後には旅順に着きます、今夜はゆつくり休んでくださいと言つたのです、食事が終わり艦長が、

艦長室に案内しイスを勧めウイスキーを出しコップに注いで、当番兵に塩辛を頼んだのです、塩辛を当番兵が持って来たのでつまみながらのみ、塩辛はどんな酒にもあうから不思議だよと、

言うと、


そうですね私も一番好きなんですと笑ったのです、中将の事は秋山中佐から聞いています、まるで神様みたいな人だと言ってましたが、まさにその通りでしたといい、中将が言った敵との、

距離が同じになるようにターンしなければ攻撃の効果は上がらないといわれ、何回もターン時の軌道計算をやったそうです、お陰でマニュアル通りに上手くいったと言っていましたよ、


あの戦術が海戦のマニアルに載っていたとは驚きです、私も佐世保でターンの訓練をやりましたが、毎日、毎日ターンの練習ばかりで、訳を聞いても誰も知らないので、司令長官しか知ら、

ないそうなので、島村参謀長が聞いたら何も答えなかつたそうなんです、海戦で命令されて初めて皆気がついたわけです、秋山中佐が中将に誰にも喋るなと念を押されたという事を聞き、

ました、


戦術が漏れ、敵が右回頭すれば消耗戦になりお互いが相打ちになるといわれて、成る程と思いましたよと言うので、真一がどんなにいい戦術も二回連続には使えないのです、いくつかを組み、

会わせて注意をそらす必要があるのですと笑ったのです、時間も遅くなったので部屋に戻りベットに寝転ぶとすぐ寝入ってしまつたのです、朝めが冷めると顔を洗い艦橋に行くと艦長がゆっ、

くりやすめたか聞くのて゜、


ええと答えると、後4時間で旅順に着きます。まずは朝飯をたべましょうと仕官食堂に行き、パンにハムエッグを食べたのです、コーヒーを飲み一服すると甲板に出てみることにしたのです、

海は穏やかで遠くに中国大陸が見えます、見張り士官があの辺が旅順です後一時間で着きますと言ったのです、程なく旅順に着き艦長にお礼を言ってランチに乗り上陸したのです、


現地の通訳が出迎え急行列車に乗って新京に向かったのです、日本人は1000人程度住んでいます後は満州人です、歓楽街はほとんど日本人経営です、日本軍が進駐してから新京は人が増え、

続けています、しかし町を出ると馬賊が多くおり治安は非常に悪いですと話したのです、新京に着き歓楽街にある目立たない旅館に宿泊したのです、真一は日本から来た商人という触れ込、

みにしてあり、


さつそく津田少佐と料理屋で会う段取りを通訳の関根に頼んだのです、料理屋で待つていると津田が入って来て敬礼するので、敬礼はよしなさい私は単なる商人ですといい、席を勧めた、

のです、張作霖は2000人程度の部下をもつ馬賊の頭目ですが最近違う馬賊の頭目を従えだしたのです、勿論金と武器が必要です、それがどうも武器も金も満州軍から出ているみたいなの、

です、


国境警備隊が度々馬賊に襲われるのですが、その武器は日本軍の物なのです、司令部は馬賊に強奪された物だと言っていますが、誰かが横流ししているみたいなのです、新京の繁華街から、

上がる金と武器密売が張作霖の資金源になっています、阿片や売春宿がおもな稼ぎどころです、見逃し料として大金が司令官の懐へ流れているのです、このままにして置けば、張作霖は、

強大な力を手にいれ、


まず満州に独立国家をつくり、北京の清朝を倒して自分が皇帝になるかもしれません、また武器の横流しで国境警備隊は多大な損害を出し、ロシアを監視する事などとうてい出来ないのです、

具体的な証拠はありませんかと聞くと用意周到にやっていますので、いつ武器庫から運びだしているのか分からないのです、本部から前線に送る武器弾薬はどうしているのですかと聞くと、

前線部隊から取りにきます、


こちらから送る場合はと聞くと食料、医薬品は軍出入りの満州人の商人がトラックで配送していますというので、それですよ、それに武器弾薬を紛れこませて張作霖に横流しし、張作霖は、

他の馬賊に売って儲けるわけだ、そしてバックマージンを司令官一派に渡しているのですよ、品物はトラックを調べれば分かるが、軍の輜重隊の幹部が医薬品か食料品の箱に武器弾薬を、

詰め替えているはずだ、


輜重隊の責任者はと聞くと田中少佐ですと言うので、そいつが張作霖とつるんでいるんですよと言うと、そういえば張作霖は日露戦争の前まではロシアへ日本軍の情報を流していて、日本軍、

に捕まったのだが、児玉総参謀長が見逃す変わりにロシアの情報を日本に流すようにしたのだそうです、それで処刑は免れたそうでそれを伝えたのが田中少佐だそうです、しかし田中少佐は、

私腹を肥やすような事をする人ではないですよというので、


恐らく彼一人の考えなのでしょう、張作霖を利用して傀儡政権を作らせるつもりなんだ、その為に司令官の言う事を聞いてい利用しているのでしょう、そんな物作っても所詮は中国ですよ、

いつまでも日本の言う通りに動くわけないですよと言うので、外国の植民地化の真似をしようとしているのですよと言うと、そんな物つくれば列強が黙っていませんよ、そのうち欧米と、

戦う羽目になります、


そうなれば今回のロシアのようには上手くいきません、上手く言ったのはイギリスとアメリカが後押ししたから、早期講和がなって助かったのにと津田が言ったのです、張作霖に対抗できる、

馬賊はいないのと聞くと、一人だけいます日本人なんですが、あっという間に馬賊の頭目になり他の馬賊を従えて今は1500人程度の配下を持っていますと言ったのです、

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