派閥(明治偏) 72 しかしこれからが大変なのです、時の外務大臣小村寿太郎が全権大使としてポーッマスに行く事になったのです、閣議で交渉条件の打ち合わせをやると、1.中国から撤兵
派閥(明治偏) 72
しかしこれからが大変なのです、時の外務大臣小村寿太郎が全権大使としてポーッマスに行く事になったのです、閣議で交渉条件の打ち合わせをやると、1.中国から撤兵して国境線を犯、
さない事、2.カラフトを日本に割譲する事、3.賠償金15億円を支払う事の条件で交渉する事になったのです、小村は1の条件は受け入れるだろうが、2.3は絶対受け入れないと思うと話し、
この3つをあくまで要求すれば物別れとなり、再び満州で戦う事になると言うと、伊藤は最悪は1だけの条件でも受け入れざるをえないだろうと言つたのです、しかしそれで合意すれば多くの、
人間が戦死しているので、国民の怒りをかい内閣は崩壊し、内乱になるおそれがありますよというと、もし交渉に失敗し再び戦争になれば、日本にはもう戦う力はなく、ロシアは満州、朝鮮、
を踏みにじり、
わが国に侵攻する恐れがある、そうなれば多くの血を流した事はまったく無駄になるのだと言ったのです、もし1の条件だけで合意すれば君は国民から石を投げられるだろうその時はここに、
いる閣僚が君の盾になる事を約束する、是非行ってくれたまえと言ったのです、外務大臣の役目なので行きますが、結果は相手のある事だからわかりませんよと答えたのです、
伊藤から真一に東京に戻って来るように要請があったので東京に帰り伊藤の元に顔を出すと、小村と一緒に随行員としてアメリカに行って欲しいという要請である、肩書きは外務省欧米局、
次長だと言うので、わかりました、しかし小村さんの言うとおり1の条件しか飲まないとおもいますと言ったのです、外務省に行き小村と会うと貴方か行ってくれるなら心強いといい出発、
は明日だ、横浜から船で行くと言ったのです、
家に帰り風呂に入り上がると鶴吉が手巻き寿司の用意をしましたと言うので、鶴吉も一緒に食べようと席を勧めたのです、手紙を渡しこれをユキに届けてくれるよう頼み、酒で乾杯したの、
です、明日からアメリカに小村の随行員で行くと話すと、ご苦労様ですしかしあのロシアが簡単に日本のいう事を聞くでしょうかと言うので、難しいなあ、だが今回の戦争でロシアは日本、
に3ども負けている、
国内は皇帝への不満がみち溢れているので早く収拾したいのも事実だ、意外と上手く行くかもしれないと笑ったのです、でもこの勝利でみんなは浮かれているんですよ、私はやっと勝った、
としか思えませんがと言うので、その通りだよやっと勝ったのだよ、これ以上戦争を続ける力は今の日本にはないのさと言い、しかし国民は、どう説明しても分かってくれないだろうと、
瞑目したのです、
何か用意するものがありますかと言うので特にないよと言ったのです、翌日は向かえの車に乗り横浜に向かい、三菱汽船の客船日本丸に乗り込み横浜を出航したのです、10日でサンフラン、
シスコに到着すると大勢の記者を始め政府の高官が出迎えポーッマスのホテルに案内したのです、夜にはルーズベルト大統領の晩餐会に出席したのです、大統領が日本とロシアの会談が、
まとまる事を願ってシャンパンで乾杯したのです、
大統領に今回のロシアとの和平交渉の斡旋に礼を言うと、寿太郎、我々は友達だろうというので恐れ入りますと返事したのです、小村とルーズベルトはハーバード大出身なのです、小村が、
真一を紹介すると、君が真一君か今回の奉天会戦の作戦は君の立てた作戦だそうだね、クロパトキンもビックリした事だろうと握手をしたのです、寿太郎の提案した3つの条件で合意、
する事は難しいと思うがと言うと、
小村が交渉はやってみないとわかりませんよと言い、今回の事ではロシアの皇帝も頭を痛めているでしょう、何と言っても3回も大敗したのですから、このまま放置すればニコライ王朝は、
崩壊しかねませんと言うと、その通りだロシアは早くこの問題にけりをつけたいのさ、だから私の斡旋は渡りに船だったんだよと笑ったのです、ルーズベルトは明日からの交渉は頑張り、
たまえといい、ロシアの全権大使の所へ行ったのです、
アメリカのマスコミが小村を取囲み、世界史にない前代見聞の勝利ですが、感想を一言というので、わが国は領土的野心はありません、あくまでも日本を守る為の行動だったのです、一昔、
前ならともかく、今の時代に他国の領土を侵略する等の暴力をわが国は許さないのです、わが国はアメリカによって文明の窓を開けてもらったので、アメリカには深く感謝しておりアメリカ、
と同じく領土的野心は持たないのですと答えたのです、
この談話はアメリカの新聞に大々的にとり上げられ、社説で紳士の国ニッポンと絶賛されて、アメリカの世論は日本に傾いたのです、翌日ポーツマスの会談場に行くと、お互いに自己紹介、
をし握手をして席に着いたのです、真一が交渉条件書を渡し説明すると、ロシアの全権大使は領土割譲と賠償金の支払いには応じられないと言うので、ここん通例戦争に勝った国が要求、
するきわめて普通の条件である、
そもそもは日清戦争で租借した遼東半島を帰国の要請により、国際信義にのっとり清に返還したものを武力による恫喝により租借し、また不法に満州に兵を駐屯させ奉天を占拠する等の、
暴挙に出た事から起こった紛争である、帰国にすべての責任があるのだ、貴国は海軍のほとんどを失い、また陸軍も旅順で壊滅的な打撃を受けているではないか、我々は海軍、陸軍とも、
ほぼ無傷であり、
今国境を突破して貴国領に侵攻すれば、ウラジオストックを始め多くの領土を確保する事は可能だが、我々は国際信義にのっとりそのような暴挙はしないのだ、どれが得かゆっくり考え、
られよと席を立ち退席したのです、ロシアの全権は顔を真っ赤にしてふるえていたのです、ホテルに戻ると記者が取囲んだので、小村が先ほどのロシア側に話した事を喋ったのです、
小村があれで良かったのかな、内心はこんな事言ったら物別れになるのではないかとヒヤヒヤだったよと言うので、これで1の条件は飲むでしょう、後はアメリカのマスコミを味方にして、
圧力をかけ続けるのですというと、しかし真一殿は策士ですなあと言うので、その為に来たのですと笑ったのです、今日はロシア全権は本国には何も伝えないでしょうが、マスコミが、
明日の新聞で日本の正当性を宣伝してくれますよ、
ロシア国内では反政府組織が益々勢いをつけて、あちこちで騒動を起こし、ロシアは世界の孤児に陥るはずです、早く切り上げる為に少しは譲歩しますよと言ったのです、それでは食事、
でも行こうというと、随行員の一人がレストランを予約してありますと言うので連れ立ってレストランに行ったのです、
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