派閥(明治偏) 67 翌日伊藤の所へ行くと、大山巌、児玉源太郎、山本権兵衛が待っており、暫くぶりですと挨拶したので、今回は皆さんの助っ人にやって来ましたといい、ロシアとの交渉


派閥(明治偏) 67


翌日伊藤の所へ行くと、大山巌、児玉源太郎、山本権兵衛が待っており、暫くぶりですと挨拶したので、今回は皆さんの助っ人にやって来ましたといい、ロシアとの交渉はどうですかと聞く、

と、大山が無しのつぶてで交渉に載ろうともしないのです、日本へ理解を示していたロシアの外務大臣が更迭されたのです、ロシアは満州から旅順まで鉄道の線路を完成させ、旅順を要塞、

化しています、


またウラジオストックの艦隊を旅順港に進出させて日本海の制海権を握ろうとしています、このまま放置すれば制海権を取られてしまい、わが国はどうする事も出来なくなります、陛下は、

自分がロシア皇帝に親書を渡すといっておられますが、旅順と満州からは撤退しないでしょうと大山が言ったのです、それでロシアと海戦して勝てる見込みはと聞くと、山本が今の旅順の、

艦隊だけならば五分五分です、


ヨーロッパにいるバルチック艦隊を日本に向け回航すれば倍の兵力となり、勝利は不可能です、今の内に旅順艦隊を撃滅する必要がありますと言うので、陸軍はどうですかと聞くと、児玉が、

これも五分五分です、シベリア鉄道で兵員を輸送すれば我が軍には勝ち目はありません、やるなら来年そうそうのロシアの準備が伴わない時期がいいと思います、その前に海軍で旅順艦隊を、

撃滅してもらわないと、


日本からの補給が出来ず、大陸に渡ったわが陸軍は孤立してしまいますと言ったのです、もう二週間しか有りませんが準備は出来ているのですかと言うとクリスマスまでには出来ますという、

ので、ともかく陛下に早く決断してもらう事ですねと言うと、伊藤が明日の御前会議で了承してもらいます、真一さんは海軍の東郷の助っ人をお願いしたいのですと言うので、彼は今どこに、

と言うと、


今は常備艦隊の司令官として横須賀にいます、近く佐世保に艦隊を集結する予定ですと言ったのです、伊藤が奥さんのミキさんは陸軍病院の医師として傷病兵の看護長をお願いしたいのです、

野戦病院の本部を佐世保におきますので来年会戦が始まったら佐世保に行ってもらいたいのですと言うので、わかりましたロシアとの戦争が始まりましたら佐世保に向かいますというと、


山本が明日海軍省に東郷を呼びます、作戦会議を招集しますので出席してくださいと言うので承知したのです、伊藤の元を辞去してプリンス商会に向かったのです、顔を出すと奥からお咲き、

が出て来て、よくお戻りなさいましたといい、隣のカフエに入りコーヒーを頼んだのです、お咲きが残念ながら篤姫様はお亡くなりになりましたが、生前は真一朗殿達は元気にしているかし、

らといつも言っていたのですよといい、


プリンス商会も順調で皆も元気に働いています、今日はお屋敷に二人で起こしください、皆でお戻りになったお祝いをしましょうと言うので、夕方にはお伺いしましょうと返事したのです、

カフエを出て日銀に行き副総裁の高橋に面会すると、イスを勧めるので座り、今回は大変ですが戦費の調達の具合はどうですかと聞くと、国債を買って貰う為に近々イギリスへ行ってき、

ます、


相当の資金が必要ですと言うので、イギリスとは同盟を結んでいますから協力してくれるでしょう、アメリカにも誰か派遣して国債を買って貰ったほうがいいですよと言うと、そうしまし、

ょう、アメリカは今や経済大国ですからねと高橋が言ったのです、その頃ユキはうめの案内で東京農業高等学校を訪れていたのです、理事長の榎本が出迎え一別いらいです、といい、中を、

案内しましょうと、


学校内を案内したのです、大勢若者が学んでおり女性も沢山います、今までも沢山この学校から巣立っていき、全国で活躍していますよと言ったのです、これからユキさんはどうするので、

すかときくので、戦争になれば多くの負傷兵がでるでしょう、看護婦を集め治療の陣頭指揮に立とうと思っていますと言うと、それでは吟子さんに声をかけなさい、医師会にも顔が聞き、

ますので、


優秀な看護婦を集められますよと言ったのです、ひと回り見てプリンス商会に行ったのです、真一も高橋と別れ再びフリンス商会の横のカフエにいると、ユキとうめが入って来て席に座っ、

たので、伊藤の要請を話すと、ユキが私もそう思っていたのです、今日は吟子さんにも来てもらうようにしましょう、その時相談してみますと話したのです、動物病院に行くとユキの教え子、

たちが向かえ、


お二人のお陰でこの病院も順調ですというので、ユキが貴方達の頑張りのお陰ですよと声をかけたのです、夕方になったので3人はお咲きの屋敷に行くと、篤姫の下女達が向かえダイニング、

ルームに案内し、程なく吟子も現れてお帰りなさいと挨拶したのです、テーブル一杯にご馳走が並びワインで乾杯したのです、食事をしながら吟子に話すと、わかりました出来るだけ沢山集、

めましょう、


私もいきますよと言うと、うめも私も手伝わせてくださいと言ったのです、お咲きが内からも何人か出しましょうというので、ユキがみなさんありがとうとお礼を言ったのです、真一の時代で、

起こった事を話してきかせると、そうですか、真一様もあつこち行かされて大変とうめが言うと、ユキがそれをいい事に一杯浮気しているのではと言うので、そんな事はないよと笑ったの、

です、


吟子さんは子供はとユキが聞くと、あれから再婚して男二人女二人おります、いずれも医者になっていますよと言ったのです、下女達と、ユキの教え子もそれぞれ結婚して子供がいるそうです、

お咲きだけが結婚していないと言う事なので、どうしてと聞くと一生篤姫様に使えると約束したのです、一人でも寂しくありませんよ、旦那様がいると仕事が大変ですと笑ったのです、


和やかなうちに歓談して時間も遅くなったので屋敷を出て官舎に戻ったのです、二人は風呂に入りサツパリしてあがってくると、お酒にキビナゴの刺身を春がだすので、これは酒のつまみに、

ピッタリなんだと酢味噌で食べ美味しいといったのです、春が私もユキ様のお手伝いをさせて下さいというので、ここはどうするのと聞くと、旦那様がいなくなると暇ですから鶴吉さんに、

頼んでおけば大丈夫ですと言うので、


ユキがそうですね手伝って置けば将来何かの役にたつでしょういいですよというと、嬉しいと喜んでいたのです、うめがどの位の戦傷者が出るのでしょうかと聞くので、この時代は武器も、

発達しているので、恐らく相当の数になると思いますと答えたのです、

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