派閥(明治偏) 41 正造に稚内は今どうなっているか聞くと、それは漁師に聞けばわかりますよといい、少し待つてください温泉に来ている網元がいますといい部屋を出て行き一人の男を連
派閥(明治偏) 41
正造に稚内は今どうなっているか聞くと、それは漁師に聞けばわかりますよといい、少し待つてください温泉に来ている網元がいますといい部屋を出て行き一人の男を連れて来たのです男は、
函館でイカ釣り漁船の網元をやっています武田鶴吉と申しますというので、稚内の様子を聞くと今の時期は鮭とニシン漁がさかんで、とくに数の子をとるニシン漁のため多くの漁師が行っ、
ています、
宿は二軒しか有りませんがあちこちに番小屋がありましてそこに寝泊りして漁をやっています、周りに何件か酪農をやつている者がいますと答えたのです、町の人口を聞くと漁師の家が200戸、
ほどあり800人程度です、居酒屋、食堂、雑貨屋が数件、銭湯が3件ほどあります、他は道内からの出稼ぎ者ですと言う事なので、ありがとうと礼を言うとそれではと帰っていったのです、
女中が女将を呼びに来て、また茂三の子分がやってきてうちの馬車に当たってケガしたとかで騒いでいますと言うと、ハイ今行きますよと言うので、どうしたんですかと聞くと、荷役を仕切、
っている茂三という者がいまして、女郎屋の温泉宿も近くでやつているのです、私がこの温泉街の元締めをやつているんですが、泊り賃の値上げをしろと言っているのです、私が反対してい、
るので時々嫌がらせをやるのですと言ったのです、
女将について入り口に行くと、二人の男がおり一人が左腕を肩から吊っています、女将があら晋介さんどうしたんですかと聞くと、おめえさんとこの馬車にぶつけられてほれこの通り骨が折、
れたのさ、どうしてくれるんだと言うので、治療代はお支払いしますよと女将がいうと、それなら200円だしなというので、いくらなんでも200円は高いではないですかと言うと、うるせえ、
払えないなら、
馬車は貰っていくぞと言うので、真一が無体な事はよせというと引っ込んでいろといい、後ろの男に先生おねげえしますと言うと、文句があるなら俺が相手だというので、元武士が恐喝する、
とは情けないというと、仕込み杖から刀を抜いたのです、真一が腰から警棒を取り出し伸ばすと、そんなもんで立ち向かうとはバカ目といい切りかかって来たので、踏み込み右手をピシ~と、
打つと、
刀を落としたのでさらに肩を打つとう~と言ってうずくまったのです、警棒を仕舞い刀をひろって、その男が立ち上がると前面からえ~いと刀を振り下ろしたのです、誰もが真っ二つになる、
と目を瞑ると、刀は顔をかすめ下帯がすぱ~と切れたのです、男はビックリして座りこんだのです、晋介が逃げようとしたので動けば切るといい左手の包帯を切り解くとどこもケガなどして、
いません、
その左手はケガをしているはずだろうといい、お前みたいなゆすり、たかりはゆるせんと、頭上から刀を振り下ろすと耳元で刀が風邪を切る音がして、肩口でピタリと止めたのですこのまま、
振りぬけば真っ二つだったなと笑うと、口から泡を吹いています、一人の男は気を取り直し一目散に逃げていったのです、刀をしまい晋介にカツをいれると、助けてくださいと手を合わせる、
ので、
誰に頼のまれたのだと言うと、茂三親方ですと言うので、これからその茂三とやらの元へ案内しろといい茂三の所へ向かったのです、茂三の女郎屋に着き中に入ると、3人の男が晋介どうした、
のだと言うので、親方を呼べと真一が言うと奥から出て来てなんだお前はというので、お前がゆすり、たかりの茂三かと言うと、たたんでしまえと配下にいい、一斉に殴りかかって来たので、
片っ端から警棒で肩とふくらはぎを打つと転がったのです、
男二人が刀を抜いたのでこれも踏み込んで手を打つと刀を落としたのです、刀をひろい一人の男の上段から振り下ろすと顔をかすめ下帯がパシ~と音がして切れてうずくまったのです、茂三、
に刀を突きつけると助けてくれ金ならいくらでも出すというので、証文をだしなと言うと配下がもって来たので土間に放り込み燃やしたのです、羅卒がやって来たので、茂三が押し込みです、
というと、
羅卒が警棒を構え神妙にしろというので、ばかもの捕えるのはこの茂三だ、私は内務省顧問の村上真一だ署長を連れて来いというと、失礼しましたと署長を呼びに行ったのです、署長がかけ、
つけて署長の杉田でありますと敬礼するので、この茂三をゆすり、たかりで検挙しろ、配下もだというと、それといいみんなを縛り上げ警察に連行したのです、警察署に行くとイスに座り、
お前は茂三から賄賂を貰っているのかと聞くと黙っているので、なぜ茂三をのさばらせるのだと聞くと、この辺の人足を仕切っているので、羅卒の数が少ないので手が出せないのでしてと、
言うので、ばかもの町の治安を守るのがお前達の役目だろう何の為のサーベルなのだといい、茂三以下配下をここに連れて来いといい並ばせたのです、それでは今から裁判を行う、茂三、
内務省の役人を襲うとはどういう了見だだと聞くと、内務省の方とは知らなかったもんでと言うので、ほうお前は役人以外は殺しても構わんと言う事だなと聞くと、いいえ脅かすだけでして、
と言うので、お前の配下が私に刀を向けた事は事実だ、お前は殺人教唆、配下は殺人未遂で有罪だ、茂三斬首の刑に処する覚悟はいいなといい、署長のサーベルを抜き頭を抑えろと羅卒に、
命令したのです、
サーベルを振りかぶり一気に振り下ろすと誰もが茂三の首が飛んだと思い目を瞑ったのです、サーベルは頭をかすめたのです、茂三は気絶して前につんのめったのです、サーベルを返し、
後ろからカツを入れるとブルプル振るえています、どうだ死ぬだ思いをしたろう、今回は目を瞑ってやる二度と悪さはしないと証文を書き爪印をおすのだといい、署長に紙と筆を茂三に、
渡すようにいい証文を書かせたのです、
もし約束を違えればこれを開拓次官の黒田清隆に渡すぞ、そうすればお前は刑務所行きだ、署長は間違いなく首だなと言うと、茂三が二度と悪さはしませんと言うので、それなら今まで通り、
商売は続けてもいいぞと言い開放したのです、署長が見逃していただいてすみません、しっかり町の治安を守りますと敬礼したのです、それでは宜しく頼むぞといい馬車に乗り温泉宿に戻っ、
たのです、
女将が出迎えありがとう御座いました、しかし大した腕ですねビックリしましたといったのです、部屋に戻ると西郷が又人助けですか、ヤツパリ真一さんはテングですよと笑ったのです、
女将が入って来てワインで乾杯してくださいといい、これは家で取れたチーズですとつまみに出したのです、ワインで乾杯しチーズをつまむと中々の味です、西郷が目を丸くして、これが、
牛の乳から出来るのですかと言ったのです、
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