派閥(明治偏) 35 家に帰ると松吉が出迎え、まだ奥方様はおもどりではありません、湯はわいておりますと言うので、それでは風呂へ入って来るといい、風呂へ行き汗をながしてサツパリ


派閥(明治偏) 35


家に帰ると松吉が出迎え、まだ奥方様はおもどりではありません、湯はわいておりますと言うので、それでは風呂へ入って来るといい、風呂へ行き汗をながしてサツパリして上がってくると、

ユキが一人の女性を連れて帰って来たのです、荻野吟子さんですと紹介したのです、村上真一ですと挨拶すると、吟子さんは東京女子師範学校の生徒さんで時々私の助手をして貰っている、

のですよと言ったのです、


うめが今日は手巻き寿司ですよとテーブルに並べたのです、ユキが真一に酌をして盃を重ねたのです、吟子にユキが食べ方を説明すると初めて食べますといい、マグロを寿司飯に挟みノリを、

巻いて醤油を付け食べると、美味しいと目を丸くしています、ユキが吟子さんは女性医師を目指しているのよというと、それはまた今の時代では難しいでしょうと言うと、そうなんです、


普通の医者ならいいですが、女性が男の医者にあそこを見せるのは屈辱なのです、それで医者になろうと思ったのですと言うので、なるほど女性でもきっとなれますよと言うと、ユキ先生は、

偉いです、動物の身体も人間の体の構造も似ているという事を聞いて手伝わせてもらっています、大変勉強になっているのですよ、早く女性専用の医院を開いて体を見られても恥ずかしく、

ないようにしたいのですと言ったのです、


ユキがうめ達も来年3月には卒業です、どこかに動物病院を開業してインターンの訓練場所にしたいと思います、うめ宜しくお願いしますというと、ええ、卒業する女性が3人いますので3人、

で力を会わせて頑張りますと嬉そうです、吟子が私も頑張って手に職をもった女性を増やして行きたいと思っています、こうやって旦那様と食事をするなんて考えた事もありませんでしたわ、


と言うのでそれでは御主人はと聞くと、実は淋病を移されましてそれが元で離婚になったのです、医者に行くとみんな男ばかりで、あそこを見られるのが屈辱で女性の医者になろうと思った、

のですと言うので、そうでしたかこれは厭なことを聞いて申しわけないというと、いいんですよ、先生はこんなに理解のある旦那様がいて羨ましいですと言うと、吟子さんは美人でまだ若い、

から、きつと素敵な旦那様が現れますよとうめが言ったのです、


その頃鹿児島では川路が帰郷させた警視庁の者達は密偵ではないかと私学校のニセ達から目をつけられ、集まっていた処を踏み込まれ拘束されて何をしに帰って来たか白状するように拷問され、

ていたのです、その内の一人が視察に来たと答えたところ、刺殺と勘違いされ、西郷さんを暗殺しに来たという調書を取られたのです、大久保の仕業と不穏な空気になったのだが、大山が、

大久保に聞くと言う事で治まったのです、


大山により大久保はそんな命令は出していないと言うと、東京に詰問しに誰かが行くべきだと言うことで城下が騒然となり各地からニセが集まり始めたのです、これを捕縛されていない密偵が、

東京に知らせた為、大久保もほおって置くわけもいかず、明治10年の一月になり海軍の川村に言ってスナイドル銃の雷管を作る機械を鹿児島から運び出すように命令したのです、川村は軍艦、

にのり鹿児島へ向かい、


夜陰にまぎれて大牟田の火薬庫から火薬を運び出すとみせかけ、磯の別邸の隣にある反射炉のそばにある工場から工作機械を船に運び込んだのです、火薬庫から火薬を運び出そうとしている、

としてニセ達は火薬庫を襲撃して占拠したのです、これが飛び火してあちこちの火薬庫をニセ達が襲撃して占拠してしまったのです、川村は運びだした工作機械を軍艦に運び鹿児島から撤退、

して大阪へ向かったのです、


西郷の元へ火薬庫襲撃の報がもたらされると、ちょいしもうたと西郷がいい山を降りて鹿児島城下の私学校に戻り、ニセ達になとばかな事をしたのかと一括したのです、桐野が元々は大久保、

が西郷さんの暗殺を企て、あげくのはて火薬庫からひそかに火薬を運びだそうとした事に始まりもうした、こんニセどんを政府に引き渡すこつは出来もうはんと言うので、そんなら政府を詰問、

にいけばよかと西郷がいうと、


小兵衛が兄さあと少なか人数で長崎から詰問にいきもんそと言うと、兵をつれていかねば拘束されて殺されもんそ、兵を連れていくべきだと意見が色々出たのです、篠原がここにいたっては、

兵をつれ堂々と政府を詰問しにいっどと言いい、西郷さんよかごわんそかいと聞くと、西郷がよいでよかというので、兵をつれ政府へ詰問しに行く事にきまったのです、


兵を連れて熊本鎮台に西郷大将が政府に詰問に行くので開城するように言えば、直ぐに開城するど、中には半分薩摩兵児がおるでなあと笑ったのです、明日に鹿児島を出発する事にし軍の編成、

を決めたのです、集まった兵児は15000人におよび、大砲を従えてまず熊本へ進軍する事になったのです、翌日は大雪となり大雪の中を出陣する事になり続々と熊本へ進軍したのです、


この報は電信により東京にすぐ伝わり、大久保は各地の鎮台兵を熊本へ送るようにして、征討軍の大将に山県と川村を任命したのです、真一が呼ばれて大久保のもとへ行くと、ついに暴発して、

しまいました、やはり西郷さんが首領に担がれ薩摩兵児15000人と熊本を目指しているようですと言ったのです、大山どんと黒田どんも行ってもらわねばなりもうはんと言うと、傍にいた大山、

と黒田が承知しましたと言うので、


私も同行しましょうというと、大久保がお願いします、何とか西郷さんを助ける方法を考えてくだされと苦渋の顔をしたのです、黒田が先発として近衛兵をつれて明日出発します、大山どんは、

山県どんと準備出来次第急行してたもんせと黒田がいうと、承知した従道どんには後方で武器、玉の確保をしてもらわなければなりもうはんと大山が言ったのです、真一は家に帰りユキに話す、

と、ついに始まりましたか、


なるべく多くの人を助けてくださいと言うので、留守を頼むというと、わかりました本当は一緒に行きたいけど、戦場では足でまといになります、気をつけてくださいと手を握ったのです、

次の日に軍艦に乗り小倉へ向かったのです、次の朝には小倉に着き小倉鎮台に上陸したのです、そのころ薩摩軍は熊本城を取囲み司令官の谷司令官に軍使を送り政府に詰問のようあり西郷、

大将の命令である開城されよと言うと、


鎮台は陸軍省の管轄にある西郷大将は近衛総督でありそのような命令には従えないと拒否したのです、軍使が帰って来てそのむねを報告すると、桐野が鎮台は本気でやるつもりごわすか、そん、

なら一気に踏みつぶすどといい、攻撃を開始したのです、大砲を並べて砲撃を開始すると、熊本城の砲台も砲撃を開始したのです、鎮台の大砲は威力が凄くあっと言う間に薩摩の砲台は沈黙し、

たのです、


砲兵陣地を後ろにさげると薩摩軍の砲弾は石垣までしか届かず、鎮台の大砲は届く距離が長いので、勝負にならないのです、後は歩兵による突撃ですが、天下の名城です死角が殆んどなく攻撃、

は頓挫したのです、鎮台兵は籠もったまま出てくる気配はありません、

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