派閥(明治偏) 34 真一が内務省に出仕し大久保と話しをしていると一人の軍人が入って来たのです、大久保が内務省顧問の村上君だと紹介すると、小倉鎮台の乃木ですと挨拶したのです、


派閥(明治偏) 34


真一が内務省に出仕し大久保と話しをしていると一人の軍人が入って来たのです、大久保が内務省顧問の村上君だと紹介すると、小倉鎮台の乃木ですと挨拶したのです、今回の熊本の乱では、

直ちに出動して賊を鎮圧したのは見事でしたと言うと、反乱した人数が少なかったので短期間で終りましたが、もし薩摩が反乱を起こせば1万人以上となり、熊本、小倉の鎮台兵では鎮圧する、

のは無理ですと言ったのです、


大久保がその時は全国の鎮台兵をただちに熊本に送ります、それまでは熊本を持ちこたえてくれなければなりませんというと、承知しました直ちに小倉から出撃し熊本を救援しますと乃木が、

返事したのです、真一が白兵戦では薩摩兵には到底かないません、絶対に敵に向かって突撃はしてはいけません、距離を置いて鉄砲で銃撃するしか方法はないですよと言うと、しかし敵が、

突撃してきたら戦うしかありませんと言うので、


いいえす早く左右に逃げるのです、後退は犠牲が大きくなります、左右に展開して避難し素早く隊形を整える訓練をしてください、主にゲリラ攻撃を主戦術にするのですというと、ゲリラとは、

と聞くので、5人位を一つの部隊として奇襲を専門とし、一撃を与えたら直ぐに撤退し敵をかく乱する戦法ですというと、武士にあるまじき戦法ですなと言うので、鎮台兵のほとんどは武士で、

はありませんよと笑うと、


なるほどそうですな、肝に銘じておきます、これで小倉に帰りますといい部屋を出て行ったのです、大久保が鹿児島にあるスナイドル銃の雷管を作る機械を接収しなければならない、我が国、

で雷管作れるのは鹿児島のみなのですと言うので、それをやれば必ず暴発しますと答えると、いずれかは暴発します、来年に入ったらさつそくやります、三箇所の反乱は直ぐに鎮圧できて良、

かったのですが、今度は半年以上かかるでしょう、


なんとか西郷さんや、新八どん、小兵衛どんを助ける方法はないのだろうかと大久保が言うので、反乱の首領に担ぎ上げられますので無理でしょう、乱後に西郷さんは生き残ろうと思ってい、

ませんよ、英雄のまま旅立たせてやるのが一番いい方法でしょうと真一は瞑目したのです、その頃木戸は病に臥せっており帰りに見まいに行く事にして伊藤の案内で木戸邸に向かったのです、


着くと奥座敷に案内しそこには木戸が臥せっていたのです、起き上がり真一さんもう私は長くないでしょう、西郷さんが賊にに担ぎ上げられなければ、と心配しているのだがと言うので真一、

が残念ながら時間の問題ですと返事すると、せっかく出来た新政府を倒してもまた同じ事を繰り返すだけなのに、なぜみんなわかってくれんのかと言うので、これが最後になるでしょう、


大きな事が起きないと皆は結束しないもんですよ、しかしこの乱後が大変です、列強と対抗する為に軍備を拡張すれば必ず摩擦が起き、いやがおうでも巻き込まれます、舵取りを誤ればこの国、

の未来はありません、木戸さんにはまだまだ一杯やる事がありますよと言うと、後の事はこの伊藤に頼むしかない、大久保さんにも伊藤を頼むと木戸が言っていたと伝えてくだされといった、

のです、


木戸宅を出て銀座のプリンス商会にいってみる事にしたのです、店ははやっているようで大勢の人が詰め掛けていたのです、咲きが真一を見つけて奥にというので、いや、いそがしそうだから、

いいよといい、隣のカフエに入ったのです、村上様いらっしいませと言うので、ビールとつまみを頼んだのです、ビールを飲みながら英語の雑誌を見ていると、ここに座ってもいいですかとい、

うので見ると、


大山巌であるぞうぞと言って、陸軍省はどうしたのまだ勤務時間ではと言うと、優秀な部下がいますから大丈夫ですといいビールを注文したのです、ビールを一口飲み鹿児島は不穏な様子と聞、

ましたが、本当ですかと聞くので、今はまだ大丈夫ですが年明けには暴発するでしょう、大山さんは敵味方に分かれて戦う事になりますねと言うと、仕方ありません今この政府が倒れれば列強、

の餌食になります、


何とか国内を一枚岩にして列強と対峙しなくてはと軍政の改革を進めているのですと言ったのです、今日は此処へはと聞くと、新橋の芸子が連れていけというので連れて来たのですが、男は、

付き合っても面倒なことなので、ここで休もうとおもったのですよ、なんと言っても女子の買い物は長いですからくたびれますよと笑ったのです、しかし篤姫様が洋服を作るとは世の中は、

変ったとつくづく実感しますと言ったのです、


大山さんと男が声をかけると、大山が鳩野さん暫くぶりでしたと挨拶し、内務省顧問の村上さんですと紹介すると鳩野といいます、熊本で医師をやっていますと言うので村上ですどうぞと席、

を勧たのです、鳩野は日本酒を頼みグラスを合わせると、なかなかハイカラな店ですなあといい、帰りに妻が今評判になっている隣の洋装店に寄りたいというものですから立ち寄ったのです、


妻があれもこれも良いなんて言って中々決めないので、ここで待つ事にしたのですと笑ったのです、大山が西は不穏な雲行きですというと、前回の騒動は小規模だったのでケガ人も少なくて、

済みましたが、こんどは相当のけが人がでるでしょう、その準備の為横浜に薬と手術道具を買いに来たのですと言ったのです、大山が騒動が起こったら早々に避難してくださいというと、


けが人をほうっておいて逃げるわけ行きませんよ、敵味方なく治療するつものですと話したのです、鳩野は西南戦争で傷ついた兵士を敵味方なく治療した、乱後利敵行為として裁判にかけら、

れたが、敵味方の区別なく治療して多くの人命を助けたとして無罪になり、これが日本の赤十字の発祥となるのです、それぞ連れて来た御婦人が買い物が終わったみたいで連れ立って店を出、

て行ったのです、


一段落したみたいで篤姫がやって来て席に座りビールを頼みゴクゴクと飲み美味しいというので、盛況で大成功ですねというと、あんまり沢山頼まれても困るのですが、縫い子にミシンを教え、

てなるべく早く作って上げるようにしています、毎日次女達も喜んで働いていますよと言ったのです、ここで一休みできるからいいですねと篤姫がいい、ビールを飲むともう一仕事して来ます、


お構いできませんでごめんなさいというので、いいんですよ、あんまり無理しないでくださいと言うと、ハイと言って店を出て行ったのです、

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