派閥(明治偏) 25 それでは今の東京の様子をお知らせしょう、ご存知のように西郷さんが二年間留守政府を預かっている間に鉄道、電信、郵政、教育の改革を率先して推進した為近年まれ


派閥(明治偏) 25


それでは今の東京の様子をお知らせしょう、ご存知のように西郷さんが二年間留守政府を預かっている間に鉄道、電信、郵政、教育の改革を率先して推進した為近年まれに見る発展をとげて、

いるのだ、これは西郷さんなくては出来なかったでしょう、二年間の激務の休養の為西郷さんは職を辞したのである、征韓論が認められなかったのは事実だが何んと言っても時期が悪い、

西郷さんはそれは承知しているのだ、


西郷さんは韓国と戦争をすると言ったわけではない、殺害された居留民の賠償と犯人の処罰をするように談判に行くとの主張だが、行けば必ず西郷さんは殺される、そうなれば韓国と清国と、

の戦争に発展し、あげくにはロシアが出てくるのだ、今の国力ではこの3つの国を相手にして戦う力はわが国にはない、そこでかごしまに帰り諸君達を教育して外国に立ち向かう力を、

つけようと思ったのだよ、


佐賀、土佐は西郷さんの力を背景に政府の中での発言権をつよめようとして西郷さんを抱きこみ征韓論の首魁にしたのだ、こんな政府の中の権力争いをしている場合ではない、もし戦になった、

場合は海軍が主体となる、その場合は敵の清国の艦船数はわが国の倍保有している、その後ろにいるロシアを入れれば4倍となる、制海権がなければ兵を韓国に送り込んでも、玉、弾薬、糧秣、

の輸送はできず、


たちまち朝鮮半島に孤立し壊滅な憂き目あうのだ、諸君が私学校で習っている科目は国文学、地理、歴史、算術だ、地理は戦いをする場合にその地形を知り有利な戦いをするだけではない、

のだ、たとえば中国の地理を考えて広大な土地にどんな民族が住んでいるのか、その民族性、言語、習慣を学ぶ事によってそれを総合評価すれば国力がわかるのだ、また歴史は過去の戦い、

を学ぶ事により、


次の戦いを有利にする事ができる、大事なのは勝った教訓ではなく負けた教訓である、なぜ負けたかを分析しその戦いで勝てた可能性をみつける事なのだ、また算術は兵の数だけでは相手、

に勝つことはできない、それに対する玉の消費量、糧秣、武器の消耗率などを算術で計算しなければ相手に勝つ事はできない、兵は人間である飯を食わずしてまた玉がないのに戦えるわけ、

がないではないか、


それを数字に表す事により敵に勝てる戦術を考える事ができるのだよ、諸君はきたるべき有事に備える為に今懸命に知識を吸収しなければならないのだと話しを結んだのです、桐野がみんな、

よかごわんそなと言うと、チエスト行けとみんなが立ち上がったのです、小兵衛はさすがは真一さん、真一さんが先生になればニセどんはどんどん勉強しもんそと笑ったのです、これで、

算術にも身が入る事でしょうといい、


桐野さんもう一教科英語を追加してください、これは今後かならず必要になりますというと、なんごってなと聞くので、もう一度立ちあがり先ほどは言うを忘れていたが、教科の中に英語も、

加えよう、これからは外国に留学して最新技術を持ち帰る事が必要になる、英語は世界に通用する言語だこれを覚えておれば、短期間に技術を習得できるのだ、留学経験者が先生となり、

教えるのだと言ったのです、


桐野がなるほどこれも考えもんそ、桐野さんと篠原さんも体育の先生をやってもらいたい、ただしニセが根を上げる訓練はダメですよ、徐々にならすのです、鉄砲の訓練は少人数で山に、

入り猟をするのです、獲物が取れれば皆で食べればよい、的に向って訓練するのはタマの無駄ですというと、なるほどそれなら軍事訓練とは見られないごわすなあと言うので、政府を、

倒す反乱と見られてはならないのですよと言ったのです、


それでは余興をやりましょう芸者をよんでください、ここの勘定は大山さんに出してもらいましょう、小兵衛さんその着流しと袴を貸してください、剣舞を披露しましょうといい着物を交換、

したのです、そこに県令の大山が入って来て遅くなりもうしたというので、真一が待っていたのですよと言うと、その格好は剣舞を披露すっとなと言うので、ええ、そこで大山さんには、

ここの勘定をお願いしたいと言うと、


よかごわんそ真一さんの講義料と剣舞で相殺しますと言うので、かたじけないというと、芸者がはいつて来たので三味線を頼み、武田武士の舞いを詩吟を交えながら舞ったのです舞い終わる、

と万雷の拍手です、大山があいかわらず見事な舞いごわすなあと酌をするので返杯したのです、一人のニセが真一の前に来て村田経芳ごわすと酌をするので飲み干し返杯すると、先生の、

先ほどの話し目からうろこが落ちもうしたというので、


頑張って勉学に励むのですよと言うと、おいどんは戦に使う鉄砲が好でごわすと言うと、桐野がこんニセは鉄砲がうまかごわすと言うので、それでは勝負しましょうというと、桐野がだれも、

かないもうはんよと言うので、ともかくやってみましょうといい、庭の隅に四角い板をぶら下げてくださいというと、村田が元込め銃をもって来たのです、庭に降りそんならおいどんからと、

言うのでどうぞというと、


村田がかまえて引き金を引くとばぎ~んとおとがしてほぼ真ん中に当てたのです、鉄砲を受け取り構えて狙いを定め引き金を引くと同じくばぎ~んと音がしたので皆がかたずを飲んでみて、

いるとどこに当たったか分かりません、いたを持ってくると穴は一つです、みんなは真一のタマは的を外れたと思ったのですが、村田が恐れ入りもうしたと言うので、桐野がどこにあた、

ったのかと聞くと、


村田が私の当てたところにほぼ同じにあたっています、少し穴が大きくなっていではごわはんかと言ったので、確認するとその通りなんので真一さんの腕もすごかごわすなあと感心していた、

のです、真一がこの銃は少し改造してありますねと聞くとどうして分かるでごわすかと村田が聞くので狙いをつける為の照準のツメが少し右にずらしてありまか、それはこの銃は玉が右に、

少し流れるので修正したのでしょうと言うと、


すごか一回照準を会わせただけでわかりもうしたかと感心しているので、村田さんは武器の製造設計にピッタリですねと言うと、それをやりたいちおもっちょりますと言うので、それでは、

外国に行って各国の武器を見てきなさいというと、外国に行かせてもらえるとでごわそかいと言うので、私と一緒に東京へ行きましょう、私が頼んであげますよ、それまでは私の家に逗留、

すればいいです、


大山さん、桐野さんどうですかと聞くとそれはよか行ってきやさんせと言ったのです、この村田は後に国産の歩兵銃を開発しその子孫は村田製作所を起こし日本の産業界に貢献するのです、

歴史はこの男が西南の役で死なないように自分に会わせたのだと思ったのです、和やかな雰囲気の内に宴会は盛り上がり、翌日皆に西郷さんを頼んで村田を伴い東京へ向かったのです、

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