派閥(明治偏) 17 この時には兵部省には山形はいたのですが、従道が裏から逃がし桐野達に会わせないようにしたのです、肥前の江藤が切れ物であった事は間違いない、彼は司法制度の改


派閥(明治偏) 17


この時には兵部省には山形はいたのですが、従道が裏から逃がし桐野達に会わせないようにしたのです、肥前の江藤が切れ物であった事は間違いない、彼は司法制度の改革を行い三権分立、

を推進し司法省を独立させ、治安維持にもっとも必要である警察制度を確立したのです、切れ者がゆえに他人に受け入れられる事があまりなかったのです、


しかし事は段々大きくなっていったのです、山城屋は生糸相場の下落により大幅な損失を出し、山形から借り受けた国庫金の大半を失ってしまったのです、山形が危ないので国庫金を返す、

ように言ったのですがすでに生糸相場が、下落したので金がない事を知り愕然としたのです、山城屋に事情を聞くべきだとして警視庁の川路が捕縛に向う事をしり、慌てた山形が山城屋、

を呼び国外に逃亡するように言うと、


その金すら残っていないといって、自分も元は武士であるといい帰っていき、その日最後の祝宴をひらき自刃して果てたのです、死人に口なしなのですが、江藤は兵部省の査察をやるべきだ、

と一歩も譲らず、困り果てた木戸が大久保に何とかならないのかと相談したのです、真一が大久保に内務省によばれ何かいい知恵はないか聞かれたので、後は西郷さんに頼むしかない、

ですよと言うと、


西郷さんに相談したら、不正の片棒は担きたくないと自分は局外中立だと言っているのですと言うので、わたしから頼んでみましょうといい、西郷さんの部屋へ行くと席を勧められ座ると、

今回の事に関んしては誰の味方もしないと言うので、山形を今外せば西郷さんの思っている富国強兵は遠のいて、外国の圧力に屈しなければならなくなりますよと言うと、それはよく分か、

っている、


しかし山形が国庫金を流用した事が本当であれば糾弾されても仕方有りませんと言うので、西郷さんが静観しているのには、もう一つ理由があるでしょうと言うと、何んですかと聞くので、

山形が失脚すると兵部太夫の弟である従道さかんを兵部大補にするしかなく、その為に山形を失脚させたと言われかねないので中立を守っているのですねと聞くと、それもそうなんですが、


私はあの才をひけらかす江藤という男は嫌いなんですと言うので、それでは私が江藤に会いましょう、今は我慢しろいずれは長州派閥を潰す機会が来ると言い含めます、どういう策でと聞、

くので、


もうじき岩倉さんを団長とする政府の幹部が外遊します、そこで参議は薩摩は西郷さん、長州は無し、土佐は板垣、後藤、肥前は、大隈、江藤にすると言います、この案は西郷さんが承知、

していると伝えます、外遊は一年となっていますが、大久保さんと計らって4年に延ばしてもらいます、その間に西郷さんの思った改革をやるのです、大久保、木戸、この二人の目の上、

のたんこぶがいなくなれば、


他の参議達は派閥にとらわれないで改革に協力するはずです、今の状態では軍事にのみ予算がつぎこまれます、これを防ぐにいい機会ではないですかと言うと、しかし岩倉さんが外遊中、

は何も決めるなと言うでしょうと言うので、そうだと思いますが承知したと答えるのです、それでは約束を破る事になるではないですかと言うので、後で一年ならともかく4年間に政策、

を決めない事が出来るはずないと突っぱねればいいのです、


しかし私が約束を破ったと知れればすぐ帰国すますよと言うので、廃藩置県後すぐに行くようにさせるのです、廃藩置県で武士が怒っているのでこれを断行した、岩倉、大久保、木戸は、

暗殺されるおそれがあるので早く出発したほうがいいと言うのです、帰ってこようとすれば、大久保さんに今帰れば命が危ないと脅かしてもらうようにするのです、まずは教育、電信、

鉄道、郵便を優先させるのです、


金のかかる鉄道は主要場所は政府がやるが、後は民間にやらせるのです、大隈、板垣、江藤達はやはり軍事優先と思っていますが、西郷さんの失脚を狙っているので反対はしませんよ、

そして軍人の反発が出て頓挫すると思い機会を待つはずですというと、しかし薩摩兵ならともかく長州、土佐のご親兵たちが抑えられますかなと言うので、短刀一本ですみごわんそと、

真一が懐へ手をいれると、


これは参ったよくわかりもうしたと笑ったのです、これは大政奉還後政府の参政に一橋慶喜がメンバーに入っていないのを土佐の山内容堂がケチをつけ会議が紛糾して、参った顔をして、

出て来た大久保に西郷が言ったことばで、短刀で相手を刺し殺す勢いで決着をつけろと言う意味なのです、それではさつそく江藤さんにあってきましょうといい、司法省に出かけた、

のです、


江藤の所に行き席に座ると、何の御用ですかと聞くので山城屋の事件だというと、あの件に関してはどんな横槍を入れてもムダなことですと言うので、あなたは切れ者と思っていました、

がそうでもないんですねと言うと、ムッとした顔をしているので、佐賀藩は鳥羽伏見にもくわわらず幕末には日和見を決め込み、最後の上野戦争でアームストロング砲をもっていた、

のに目をつけた、


大村益次郎に官軍に参加するように誘われ、これが今後の政府に中核にはいる最後の機会だとして参戦してそれによつて、薩、長、土、肥として最後に参加する事になつたが、入ってみる、

と薩、長が中核を握り自分達はカヤの外に置かれる事が許せなかったのです、貴方は今回参議職をとかれ司法太補に左遷させられたことに腹をたて復讐をちかったのだ、薩摩はなんと言っ、

ても西郷、大久保がいるので、


長州からと思いNO3の山形に狙いをつけ徹底的にマークして今回の一件をしり糾弾したわけだ、ところがもう一歩と言うときに山城屋が自刃してしまったため、振り上げた拳をおろすところ、

がなくなり、そこでこんどは兵部省の査察をやれば必ず国庫金を横領した事がわかると思い木戸にその要求を突きつけた、しかし、大久保まで山形を擁護したために困ってると言う事なん、

ですねと言うと、


僕は司法大補という職責をまっとうしているだけですと言うので、江藤さんみたいな切れ者が、次ぎの手を読めないとはといい、先ほど西郷に話した事を言うと、貴方は内務省の顧問でし、

ょう、なぜそんな事を僕に教えるのですかと言うので、私は派閥を組んでその力で何かをやるのは嫌いなんです、だから貴方みたいな優秀な人材が派閥に潰されるのを黙っている訳には、

行かないのですというと、


その参議の件は西郷さんはご存知かというので、西郷さんが言ったのです、西郷さんは中立を守っています、性格から言って貴方は嫌いのはずですから、今回は長州の味方をして貴方を、

政府の役人から外す事も出来たのです、しかし西郷さんも貴方の優秀さを認めているので中立の立場をとっている訳ですよと言うと、そうですか、私も西郷さんのように何を考えている、


のか分からない人は苦手なんですよと言ったのです、ともかく参議に返り咲き一年の間に参議として力をふるい実績を作ればいいではないですか、振り上げた拳は、疑わしきは罰せずと、

いう事なので、証拠不十分によりこの件は一時棚上げにするしかないと言えば済む話しですよというと、村上さんは司法も詳しいのですねと感心したのです、

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る