派閥(明治偏) 9 木刀を持って来たので受け取り庭へでたのです、木刀を正眼に構えると桐野が上段の示現流の構えをしたので、示現流には弱点があるのをご承知かというと、勿論と言っ


派閥(明治偏) 9


木刀を持って来たので受け取り庭へでたのです、木刀を正眼に構えると桐野が上段の示現流の構えをしたので、示現流には弱点があるのをご承知かというと、勿論と言ったのです、全身から、

殺気がみなぎっています、間合いが真一の頭に届く時に一気に振り下ろすはずです、じりじり間合いを縮めて足の親指に小石を挟み、桐野が振り下ろそうとした時顔めがけて小石を飛ばした、

のです、


当然よけようとするので右手に木刀を持ち替え懐に飛び込んだのです、桐野は木刀は振り降ろせません、離れ際に振り下ろそうと構えていると、右手の木刀で左足のふくらはぎをピシ~と、

撃ったのです、みんなが卑怯だとみていると、少し右側にずれ離れたのです、右に回り込むと桐野は左脚が痺れ付いて付いてこれないのです、木刀を上段に構えて振り下ろそうとすると、

みんなが頭にあたると思ったのですが、


真一は右から真一文じに振り払うと桐野の木刀の手のぎりぎりに当たり桐野の木刀が横に吹っ飛んだのです、まいったといわないので、上段から振り下ろし肩先でピタッととめたのでわれに、

かえった桐野がまいったと右手を上げたので木刀を仕舞い、油断しましたねと笑ったのです、卑怯だと思ったのか誰も拍手をしないと思ったら、西郷と大久保が拍手をして桐野のまけごわん、

ど言ったのです、


桐野が上がって来たので酌をすると飲み干し完敗じやつたがと返杯したのです、汚い手ごわんなと伊東俊才がいうと、いや、足を打たれたのは座興で、もし真剣なら胸を刺されていたところ、

ごわんど、ふところに入らるとは示現流の弱点を見事つかれもうしたと笑ったのです、しかし小石を指に挟んで顔めがけて飛ばすとは恐れ入り申したと言ったのです、西郷が剣の勝負は、

戦ごわんど、


きれいも、きたないもありもうさん相手を倒すのみ、示現流に防御がなかとは一撃必殺ごわんど、半次郎が一撃を外したんで負けでごわんどと笑ったのです、しかし大勢の者は納得いかない、

ようです、芸者が来て一指し舞うと、それでは私もといい立ち上がり、一番憮然としている男に、大山各之助殿でござるなというと、憮然とした態度でそうじゃとん、なかようなと聞くので、

別室でというと、


ついて来たのでその着流しと袴と刀をお貸し願いたいというと、なんすとかと言うので、剣舞を一舞い披露したいというと、剣舞がでくっとなと言うのでうなずくと、袴を脱ぎ褌一つになった、

ので、ジーパンとシャツを脱ぎ大山に渡し隊形はにていますので、ひとまずこれを着てくださいというと、はだかでみるわけにもいかんでなあと、ジーパンとシャツを着たので、真一は着流し、

と袴をつけて、


様子を見に来た芸子に白鉢巻の変わりに腰に巻いている白帯を借りて頭に結んだのです、それでは行きましょうかと席にもどると、後ろにいた大山をみんながみてビックリしたのです、ユキと、

声をかけると芸者から三味線を借りたのです、真一が剣舞をご披露つかまつると一礼して左に刀を差し刀を抜いて武田武士を歌いながら優雅に舞って、詩吟をうなりながら、激しい舞いに変わ、

り、最後に優雅な舞いにもどったのです、


全員が拍手をして、西郷がみごとごわんさなあとさらに大きく手を叩いたのです、大山さん失礼したお返しもうすというと、こいは、なかなか、着心地がよかもんでごわんなあ、もうちょっと、

貸してたもんせというので、ハイわかりましたと返事すると、大久保がよかにあいもんそというと、みんながドッと笑ったのです、なごんだところで、西郷が村上さあ、こんほっけもんに、

世界の情勢おば聞かしてたもんせ、


というので、わかりましたといい、今の世界の情勢はまさに弱肉強食の状態になっているのです、清国は世界の列強に蝕まれ満州の一部であったウジオストックをロシアに割譲され、ロシア、

はそこを軍港として軍艦を増強しています、またイギリスを始めヨーロッパの列強はインド、ビルマ、マーレーシア、インドネシア、シンガポール、ホンコンを植民地化しているのです、


その内ロシアは南下政策をとり中国深く侵入してくるでしょう、蝦夷はウラジオストックからすぐ傍の距離にあります、ロシアが狙っているのは間違いありません、明治政府が出来たといえ、

まだ脆弱な基盤しかないのです、我々が生き残る道はまず海軍力を増強しなければなりません、それにはわが国で軍艦を製造する力をつける事です、外国から買うだけでは益々貧乏になって、

しまうのです、


みなさんが徳川幕府に勝つことが出来たのは、幕府より優れた武器を有していたからです、勿論勇猛かかんな薩摩隼人の存在も大きな要因である事には違いありませんよ、外国とわたりあう、

には富国強兵を急がねばなりません、アジアでは唯一わが国だけが外国とわたりあえる環境にあるのです、そのうちアメリカが太平洋からアジアに進出してくるでしょう、国内で争っている、

場合ではないのです、


まず国を豊かにするには教育が大事なのです、外国の技術を理解できる人間をそだて上げることです、10年も教育をうければ必ず外国の技術を習得して国産化できるのです、しかし生産力、

では資源の少ないわが国は圧倒的に不利なのです、そこで海外から原料を調達し加工し海外へ売り外貨をかせいで豊かになるしかないのです、外国製品より言い物を作る事です、


相手の国が教えてくれなければ一台買って、それを分解し研究していい物を作る事です、国内の産業を育成し国民を裕福にする事です、そうすれば働きがいが出て生産性は上がるのです、

外国語も知らなければなりませんが、一番上達するのは外国で一年暮らすことです、そうすれば言葉が通じないとひもじい思いをしますから簡単に覚えられます、なんと言つても赤子で、

もその国の言葉ヲペラペラ喋っているのですと話しを結んだのです、


皆が目を輝かして真一の話しを聞いていたのです、西郷がどうだちっとは分かりもんしたかと聞くと、おいたちも外国に行きたかと言うと、大久保がどんどん行かして上げもんそ、何処に、

行きたかか、みんなで相談すっとよかがと言ったのです、大久保がまさに村上さあのいわるるとおりじゃと、おいも外国にいってこんないかんな、西郷さあ一緒に行きもんそと言うと、

おいはよか、村上さあに聞けばよかこっじあと言うので、大久保がうんにあ、絶対つれていっど、なんちいうてんパートナーじゃってなあと笑ったのです、

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