派閥(明治偏) 5 榎本がそれではユキさん明日からの教授お願いします、必要なものがあれば遠慮なく女将に言ってくださいといい、大鳥が村上さん明日は五稜郭に来てください案内しま
派閥(明治偏) 5
榎本がそれではユキさん明日からの教授お願いします、必要なものがあれば遠慮なく女将に言ってくださいといい、大鳥が村上さん明日は五稜郭に来てください案内しますよといい席を、
立ちみんなが帰っていったのです、女将が見送り戻って来て寝酒を用意しましたといい、膳にはイカの塩辛と子持ちシシャモが乗っていたのです、これはありがたいというと、女将が酌、
をしたのです、
ユキに旦那様は不思議な方ですねと言うので、どうしてですかと聞くと、あの仲の悪い3人が一緒に酒を飲むなんてというので、そんなに悪いのですかと聞くと、特に大鳥さんと土方さん、
はそりが合わないんですよ、榎本さんもよくあの3人を束ねていますよと言うと、榎本さんは本当はこの蝦夷地の開発がしたいのですが、盟主に祭り上げられたので仕方なく官軍と闘う事、
にしているのですよと言うと、
まあ男は義理だの面子等と変な物を持て生きていますからねえといい、女将に酌をすると頂きますと飲んだのです、女将さんは会津の生まれでしかも元は武家の奥方ですねというと、ええと、
いい、会津が官軍に降伏しまして、生き残った夫と此処にきたのです、家財道具を売り払った金でここを買って温泉宿をやる事にしたのです、ここが上手く行けば知り合いを呼ぼうといって、
いたのです、
そんなおり友人が江戸に出たと言う事で、ここが何とか上手く行くめどが立ちましたので、その友人夫婦を江戸に迎えにいったのです、そしてあの上野戦争に巻き込まれ討ち死にしてしま、
ったのです、友人の奥さんは後を追うように自害したのだそうです、そして此処に榎本さん達がやってきたので夫の行方をきいたところ、将棋隊の人から友人を救うため官軍に突進し鉄砲、
に撃たれて死んだと聞きましたと話したのです、
それはお気の毒な事をしました、お子さんはと聞くとあの会津戦争で討ち死にしてしまったのです、でも、夫と友人が生きていてもここで戦って死ぬつもりだったと思います、おそかれ早、
かれ、死ぬ運命だったのですと、さすが会津武士の妻です涙もながさず凜と話したのです、今ここにいる人の中には年の若い少年達もいます、なんとか此処から立ち去ってくれればよいの、
ですがと言うので、
私のちからで何とか犠牲にならないよう努力してみます、榎本さんがここでユキの手習いを受ける者は、なるべく前線には出さないと言うので引き受けたのですと言うと、ヤツパリお二人、
はお釈迦様のつかいですわ、宜しくお願いしますと頭をさげて、それではごゆっくりと部屋を出て行ったのです、ユキがさすがに武家の奥さんですねというので、さつき私は武士だか、
ら逃げてはいけないと言ったよと笑うと、
真一さんが負けるはずがないと思ったからですよ、でもチョッと卑怯な手でしたねといい、なんだか段々この時代の女になって来ましたよと酒を飲み干したのです、ユキが此処でみんな死、
んでしまうのと聞くので、土方さんは突撃してたまに当たり、大久保さんは自害するよ、榎本さんと大鳥さんは残った人の命と引き換えに官軍に降伏するが、処刑されずに一年で釈放され、
榎本さんは蝦夷開拓史となり大鳥さんは陸軍に入りいずれもこれからの日本の為に尽力する事になると話すと、その歴史が崩れるので元通りになるように真一さんは此処に来たのねという、
ので、未来が分かると言う事は辛い事だ、もし僕がやる事が将来の歴史をかえる事になるなら、修復能力が働いて僕の邪魔をするので大丈夫だと言ったのです、
黒板も無いしどうやって教えるのと聞くので、船の修理用に黒い塗料があるはずだから明日榎本さんに頼むよ、それを板で黒板のボードを作り、支える足をつけ塗って乾かせばいいよ大工、
に頼めば簡単にできる、後はチョークだが石灰岩だ鍾乳洞にぶら下がっているのを取って来てノコで切断して鑢でけずるのさ、これも大工なら簡単に出来るよ、消すときは雑巾に少し水を、
ふくませれば簡単に消える、
水を付けすぎたら乾いた雑巾で水をふき取ればいい、ノートは瓦版に使う紙を適当な大きさに切り紐で閉じて使用する、鉛筆がないから、小さな筆を使うしかないな、字の読めない人が、
多い場合はなるべく絵を書いて説明する、書ける時間を与えて授業をすればいい、なるべく記憶させるようにする為反復して教えると言う事だよ、後はスマホに色々入っているでしょう、
それを見ながらやればいい、なんですかと聞かれたらメリケンから持って来たといえばいいさといい、全然字が読めない人は武家の出の人にたのんでひらがなを教えてもらえばいいこの、
時代は喋ることと文章とは一致しないが、喋ることばと同じように記録、すれはいいのさ、これが一緒になるのもう少し後の事だよと段取りを説明したのです、
なるほど真一さんといると私が色々勉強になるわと言うので、この世界では旦那様と呼んでいいよというと、そうだね旦那様と言ったのです、襖を開けると隣は寝間になっていて布団が、
敷いてあります、そろそろ寝ようかといい寝間に入ったのです、寝ようとするとユキが手を握るので、子供が出来るとまずいよと言うと、大丈夫この前産婦人科に行って避妊リングを入、
れたの、
三年に一回くらい、入れ替えればいいんですって、だから絶対子供は出来ないのよ旦那様というので、そうなのそれなら安心だ、どうしょうかと思っていたんだよと言うと、さあ頑張り、
ましょうと言うので、久しぶりに燃え上がったのです、翌日目が覚めると顔を洗い、朝餉を持って来たので済ませて、ユキに授業の用意を頼み、五稜郭へ馬車で向ったのです、
船の塗料とノート用の紙を榎本に頼むと、兵隊に用意して温泉宿に持って行くよう言いつけたのです、大鳥がそれでは案内しますとまず五稜郭の中を説明しながら案内したのです、欠点、
が一杯ありますが、榎本はわざと知らん振りしているのだろうと思ったのです、次に海岸の砲台を案内したのです、大鳥は嬉しそうに自分の陣地構築を説明していたのです、
この勝敗の要は函館山です、ここを背にして新撰組が陣地を固めています、官軍の黒田清隆はこの函館山の裏側に秘かに大砲を運び、山の頂上から新撰組の陣地を攻撃し、壊滅させ背後、
に回りこみ榎本軍を壊滅させる事になっています、土方はまさか函館山から攻めてくるとは思わず気がついて応援に駆けつけるとひたいに銃弾を受け戦死する事になっているのです、
真一は全ての事を知っているのですが、何も言うわけにはいかないのです、せめて歳はのいかない少年達を後方へ回すくらいしかないのです、また砲台位置も今の場所からは官軍の船に、
は届かず直ぐに沈黙させられるのですがこれも言うわけにはいかないのです、
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