派閥(明治偏) 3 榎本がこれからどうするつもりですかと聞くので、とりあえず横浜に帰ろうと思っていますというと、ニヤ、ニヤ笑って、あなた達が横浜から来たというのは嘘ですねと


派閥(明治偏) 3


榎本がこれからどうするつもりですかと聞くので、とりあえず横浜に帰ろうと思っていますというと、ニヤ、ニヤ笑って、あなた達が横浜から来たというのは嘘ですねというので、どうして、

そう思うのですかと聞くと、まず貴方の話したエゲレス語です、しゃべった言葉の中に単語では存在するが、通常会話では使わないものがいくつかありました、決してメリケンの訛りでは、

ありません、


それからあなた達のはいているスボンです、それは綿で出来ており非常に丈夫なものです、通常は農作業の時使うものです普段着としては使われません、まして女性が着用するはずがありま、

せん、そして奥さんが腕にしている時計です、そのような小さな時計はわしがしる限りでは見た事がありません、さらに奥さんの化粧です、特に黛は精巧に出来ていますなあ、書いたとは、

思えませんと言ったのです、


さすがにイギリスに留学していただけあります、おっしゃるとおり私達はこの時代の人間ではありません、しかし、話してもとうてい信じて頂けないでしょうと言うと、構いません話して、

くださいと言うので、洞窟の話からあの場所にたどり着いた事をはなし、時空を越えてこの時代に来てしまったのです、どうしてかは私達も分からないのですと話すと、なるほどにわか、

には信じられませんが、


あなた達がここにいる事は事実です、ところであなた達がいた時代はどのくらい先なのですかと聞くので、およそ200年後の時代ですと答えると、そうですか、その頃は蝦夷はどうなって、

いるのですかと聞くので、北海道という名前になっていまして全域が開拓されています、酪農、牧畜、農業が盛んで人口も今の江戸より多くの人が移住しているのです、米を品種改良、

して、


北海道でも米が取れるようになり、ここにあるワインもチーズ、バター等の乳製品の生産も盛んになつているのですと話すと、目を輝かして聞いており、そうですか、私が思い描いた通り、

になっているんだとワインを飲みほしたのです、真一が貴方が明治政府に加われば必ず蝦夷地の開拓をまかしてくれるでしょうと言うと、私は旧幕臣です、残念ながらまだ一回も薩長とは、

戦った事がないのです、


一回も戦わずして薩長に降る事など出来ないのです、薩長が攻めてくるとすれば来年4月になるでしょう、長州の人間は多くの志士を幕府が弾圧したので、幕府憎しで凝り固まっていますが、

薩摩はそれほど幕府を憎んでいません、攻めての中にはこの蝦夷地が日本にとつて重要にな地だと思っている人間がかならずいるはずです、私は自分の首と引き換えに残った者の命を助け、

るように嘆願するつもりです、


ここにあるのは万国公法論の書物ですこれを理解する者に降伏しょうと思っているのです、政府が蝦夷が大事だと思っても開拓する余裕がないと言う理由で後回しにすれば必ずロシアの進出、

を許してしまう事になります、薩摩の官軍参謀に蝦夷開拓の建白書をそえてこの万国公法論を渡し即座に入植を進めるべきだと書き添えますといったのです、


真一はその後榎本は自分の首と引き換えに生き残った者の命を助けると言う条件で降伏しますが、一年の禁固の後新政府の顧問として雇われ、北海道の開拓に貢献するのです、あえて、

黙っていたのです、ここで明かせば卑怯者といわれるのを恐れて最後に自刃する恐れがあり、歴史が変わってしまうのではないかと思ったのです、この万国公法を渡す相手は薩摩の、

黒田清隆で、


黒田清隆が明治政府の高官西郷隆盛を説得し、みずから北海道開拓長官となり、榎本が黒田を助けて北海道の開拓に力を注ぐ事になるのです、榎本が私がつれて来たものの中には酪農、牧畜、

を蝦夷でやる夢をもっている者が沢山います、貴方たちでその者に教授して頂くわけには行きませんか、強行派の連中は此処を死に場所にしたいのです、その者達はそれでいいでしょうが、


夢を持った彼らをみすみす戦いで死なすわけにはいきません、なるべく前線には立たないようにします、是非お願いしたいのですがと言うので、分かりました、私達はこの時代の人間、

ではないので、歴史を変えるような協力は出来ませんが、それなら歴史を変えることもないでしょうと話し承諾したのです、榎本が五稜郭中では出来ません、ここから少し行った所に、

温泉宿があります、


そこを宿舎にしてそこの座敷で塾を開いてください、女将に添え状を書きます、いい女将ですからきっと歓迎してくれますよ、宿賃はこちらで負担します、勿論顧問の給金を払います、

机の中から25両の包みを二つ渡したのです、これだけあれば一年は楽に暮らせる金です、ここでの戦が終わったら江戸へ行きなさい、帰る方法が見つかるかも知れませんといい、


兵隊を呼び温泉宿へ案内するよういいつけ、馬車に乗り温泉宿に向ったのです、宿に着き女将に榎本の添え状を渡すと、部屋へ案内し、ここに逗留してください、それから、大きな部屋、

がありますからそこを塾として使ってください、まずは温泉に入ってきてくでさいと手ぬぐいと浴衣を渡したのです、嬉しい温泉だわといい、真一さんとっさ的に色々作るのが上手い、

ね感心したわ、


それからあの榎本さんがすぐ真一さんの事好きになったみたいと笑ったのです、早速温泉に行き、久方ぶりのお湯は気持ちよくてこれは極楽だわと思ったのです、長湯をして部屋に戻ると、

ユキが気持ちよかったわといい、女将が入って来て、まだ夕食に時間がありますからと酒と肴をお膳におき、これでも召し上がってくださいと言ったのです、


ユキが酌をして湯のみを重ね飲んで、とりあえずよかったというと、なぜこの時代に来たのかしらと言うので、多分、神様が僕達に歴史の修正役、すなわち助っ人として送りこんだんだよ、

というと、真一さんなら助っ人屋だから分かるけど、どうして私がと聞くので、ユキでなくては出来ない助っ人だからだよというと、どういう事と聞くので、ユキは獣医だろう牧畜、酪農、

に詳しいわけだ、


函館戦争で生き残った人に牧畜、酪農を教え北海道開拓の先鞭をつける為と思うよ、多分ユキの教えた者たちが北海道開拓の要となるのだよ、これから外国に学ばせに行かすのは相当、

時間がかかるだろう、歴史によれば札幌に農学校を開きクラーク博士が来るのはもっと後の事だ、多分その農学校で教える者が、ここ函館戦争で生き残った者達なんだと思うと話した、

のです、


ユキはアメリカに留学して酪農、牧畜、獣医を学んだ事にするんだ、歴史によれば女性達が幕末にアメリカに留学した事になっているその一員だった事にすればいい、生国は二人とも鍋島藩、

の佐世保にすればいいというと、調べればわかねのではと言うので、政府と敵対しているからバレル心配はないよと言ったのです、しかし困ったなあ、これから歴史を調べるのにスマホ、

に辞書はダウンロードしてあるが、


今日くらいで電池が切れてしまうと言うと、ユキが大丈夫よとリックサックからLEDのライトをとりだし、ここにハンドルがついていてこれを100回まわせば充電できるし、色んなスマホ、

に会うアダプタがあるのよとみせたのです、すご~いと言うと、そうかあの場所でタイムスリップさせたのは役に立つ道具を持たせるためだったのかもとユキが言ったのです、

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