スーパーカブのシート表皮張り替え
格安なミニバイクを弄っていると避けて通れないのが『シート表皮張替え』だと思っています。
「シート表皮が破れて中のスポンジが見えるとボロさが倍増する気がするのは私だけでしょうか?」
いや、実際にボロさが倍増して見えるんです。以前先輩からシート表皮の張り替えを頼まれたスクーターがシート表皮を張り替えただけで五千円アップで売れましたもの。シートを修理するだけで今まで売れなかったミニバイクが五千円アップで売れたんです。それくらいの違いが出るんです。
「千円から二千円くらいのシート表皮を張り替えるだけで商品価値がグッと上がります。シート表皮の張り替えなんてご家庭でしませんからね」
我が家にはエアーコンプレッサーとエアタッカーがあるからやってますけど。まぁ普通のご家庭から若干離れている気がするけど気にしない気にしない♪
「破れてスポンジが見えてるシートは見た目だけでなく座り心地もよくありません」
シート表皮は内部のクッションを保護する役目があります。『スポンジ』と表記していますが実際は『ウレタンフォーム』らしいです。このウレタンフォームは日光に弱いみたいで、表皮が破れて長い時間が経過したシートは内部のスポンジが劣化して粉状になったりしています。
「ま、スポンジが雨水が吸い込むと座った途端に尻が濡れるんですけどね」
シート表皮が破れたままだとボロく見えるだけでなくクッション材であるスポンジにもダメージを与えます。応急処置でテープを貼ったりしますがテープによっては夏の暑さで粘着剤がベタついたりテープ自体が剥がれたりします。
「テープで補修すると貧乏くさく見えるんです」
テープを貼っておけばスポンジの劣化を防げるかもしれません。ですが水分の侵入までは防げないみたいです。
「根本的な解決法はシート表皮を新品にすることです」
シート表皮は純正部品だけでなく社外品も多くあります。
「メーカー純正部品は品質は間違いありません。ですがドレスアップを兼ねて社外品を使ってみるのは悪くないと思います」
メーカー純正品はビジネス然とした黒や灰色のシート地がほとんどです。ところが社外品は鮮やかな色があったり高級な雰囲気な物もあります。
「普段は純正部品に拘る私ですが、シート表皮に関しては社外品でも気にしません」
少し前に『エアタッカー』って工具を手に入れました。
「『タッカー』はカタカナの『コ』の字状の金属針とでも言えばよいのでしょうか、ホチキスの針みたいなものを部材にを打ち込む工具です。日曜大工だと薄い板を壁に貼り付けるのに使う感じですかね?
「今まではスプリング式のタッカーを使っていました。シートの土台が柔らかいジャイロXやDioでは何とか使えたのですが、スーパーカブのシートは土台の厚みがあるせいか針が刺さりません。さすが世界中の酷使に耐えるスーパーカブ、頑丈に出来ています。
「そこで圧縮空気を利用して針を打つ『エアータッカー』の出番です」
シート土台から破れた表皮を取り払い、防水ビニールを被せた上から新しいシート表皮を被せます。
「一見『ホンマにこれで合ってるんか?』と思うかもしれません。皺が無くなるように表皮を引っ張りながら仮止めすれば徐々にスポンジに沿うようにフィットしていきます」
新品のシートアッセンブリーは約一万円、表皮は千円から二千円で売っています。自分で張り替えすれば約八千円の節約です」
「今回は格安のエアタッカーで作業しました。恐らく中国製と思われるこの商品には針(ステープルと呼ぶらしい)が付いていました」
残念ながら海外製と思われる針(ステープル}は詰まったり曲がったりして作業が思うように進みません。
「本体はともかくステープルはキチンとしたメーカーの物を使いましょう」
ステープルは規格品です。寸法を測って検索すると対応品が出てきます。調べたところ私が買ったエアタッカーは『肩幅一〇ミリ』に対応するようです。
「ステープルの『肩幅』はシート表皮を抑える部分の寸法です。シートの土台に刺さる部分は『足』と呼ぶみたいです」
足の長さが長すぎるとシートの土台を突き抜けます。表面まで出てしまうとお尻や太ももに刺さってしまうので適切な長さの物を選びましょう。
「オートバイのシート修理で使うステープルは肩幅が八から十ミリ、足の長さは四から六ミリくらいの様です。表皮を剥がすときに取り除いたステープルと同じ様な寸法を買っておけば間違いないでしょう」
スーパーカブ(C五〇~AA〇一・C七〇・C九〇・HA〇二)は長年作り続けられていました。年式によってシートの土台が金属製の物があります。
「シートの土台が金属製の物は表皮をタッカーではなくて土台に在る『爪』へ引っ掛けて表皮を固定します」
錆で『爪』が朽ちるとシート表皮を固定出来なくなります。錆が酷い場合は丸ごと交換もしくは新しい年式の中古シートを購入して張り替えてもよいでしょう。
「令和四年十一月現在、シートヒンジが『ゴソウダン部品』になっています。シートヒンジが別体のシートを購入される場合は気を付けましょう」
さて、季節は秋。オートバイに乗ってどこかへ出かけたい気分です。どこかへ美味しいものを食べにツーリングへ出かけましょうか。
美味い麺か肉を食べたいな……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます