前のエピソード――余命宣告は突然に……。

　まぁ京丁椎が使うだけなら軽トラックで良いのです。でも困ったことに京丁椎は今のところ求職中。そこへ母の車も車検がほぼ同時に来る事が解りました。そこで、今家にある軽自動車を荷台から一台に減車して、一台を母と共同で乗ろうとなりました。ここで両親が口を挟みます。

　父は「好きな車を選んだらいいけど、耕運機とか肥料を運ぶ時に使えるクルマにしてくれ、あと、四人乗りで」と言い、母は母で「好きな車を選んだらいいけど、ライトバンとトラックは貧乏くさいから嫌」だそうな。

　好きな車を選べと言いつつ条件に当てはめると全然好きな車を選べません。そもそも今の車を買う約二十年前にワゴン車と間違えて商用バンを買い装備の貧弱さに嘆いていたり、『ものすごく燃費がいいんや』と周りが自慢していたのを聞いて頭の中が一杯になって「何でこんな狭い車を買ってしまったのか」アクア？　何だか短いハイブリッド車を買ってしまった両親ですからクルマ選びなんてさせてはいけません。

「全然好きな車を選べんやんか、今まで見たいな軽バンでエエわい」

　ところが軽ワゴン車のカタログを見せると母は「こんなバンは嫌」、親父は「バンにとらわれず自由に車を選びなさい」と来たもんだ。自由の車を選べて言っておいてこれかよって感じです。使用目的や予算を考えて選んだのに！

　腹が立ったのでヤフオクで買った日産のGTRとトヨタのセンチュリーのカタログを見せて「軽ワゴンじゃ無かったらこれが良いです」と言ってやりました。

　さすがに折れましたねぇ。まぁ「ああ、じゃあこれ買い」なんて言われても困りますが(笑)　買った所で維持出来ねぇよ。