秘密基地を作る①物置の整頓・作業台の構想
秘密基地を作る前に何が足りないのかを考えます。まずは新しく買った工具やジャンク部品を納める棚が必要です。次は作業スペースです。床に座ったままでエンジンを整備するのは案外作業しづらい物です。立ったまま作業する方が腰への負担が少ないので立って作業できるスペースが欲しい所です。そして、何と言っても照明です。電気が通っていない物置なのでドアを開けないと真っ暗です。開けても奥は暗いので入り口付近で作業をするのですが、これがまた面倒です。手を放したくない所をさわっている時に限って両親(特に親父)が『~は何処やったかな?』と聞いて来るのです。『そこにあるやろ?自分で取れや』と言いたいのですが、入り口に私が居ればそれも不可能。両親が使う物は入り口付近に固めるとなれば、私は奥の方で作業する事になります。そうなると照明が必要です。
「さて、親が使う物は入り口周りにまとめたな。一番場所を聞かれる鋸・鎌・鉈は入り口を開けて一番目につく所に置いたし、やっとこさ自分の物を片付ける台が出来るなぁ」
ちなみに先ほど挙げた道具は親父が使う時に毎回どこにあるのか聞いてきます。おそらく記憶力が低下しているのでしょう。最近何でもジュルジュルにして食べる父は記憶力が低下気味です。噛まないと脳みそって衰えるんですねぇ。柔らかい=美味いなんて思う様になったら終わりですよ。
まぁ、それは置いといて、まず最初にエンジンや部品を納める棚を作ります。
最初に測るのは自分が作業しやすい高さです。私の身長は170㎝少々です。立って作業しやすい高さで、腰に負担の掛からない高さを探ります。おおよそ110cmの台なら腰をかがめずスーパーカブのエンジンを整備できると解りました。
「高さが1100で幅はエンジン2機を並べるとして、同じくらいか」
台の高さが110cmとして、井桁に乗せたエンジン2機を並べると、これも110cm位が必要。奥行きは有り過ぎても使いにくいので45cmにしました。コンパネは90cm×180cmの『サブロク』なので切り出すと端材が出ますが端材は端材で使い道が有るので良しとします。
「天板は汁(オイル・水の事です)が付いても拭ける様に塗装コンパネやな」
塗装コンパネを天板に使うのは京丁椎の工作でお約束です。塗装コンパネは表面にウレタン塗装と言ってガソリンにも耐える塗装をしてあって表面が滑らかです。元々コンクリートの型枠用の板なので非常に強くてDIYの味方でもあります。
「天板だけ少し大き目にしとこうか」
天板が構造材とツライチになっていると液体が垂れた時に構造材まで濡れてしまいます。天板が構造材より飛び出ていると垂れた液体はそのまま下へ落ちます。
「一番下にエンジン、その上に使用頻度の少ない工具と新品部品。天板の下はよく使う工具を置きたいから4段の棚やな」
京丁椎はアナログな人間なのでノートに大まかな寸法と使う木材、そして使う金具をメモしています。考えるのは大事ですが、絵にしてみるとイメージが掴みやすくなります。専門学校時代の講師が言っていたのですが、「男は書いて覚える」生き物だそうです。書くことによりイメージを掴み、作業の流れを思い浮かべます。
「材料は山ほどある廃棄予定材を貰って来たものと親父が買って放って有る木材。ネジはコーススレッド。金具は物置から出て来た奴で作る」
本当はホゾ切りが出来れば良いのですが、これは難しいので祖父に習っていませんでした。流石の祖父も幼き京丁椎に教えるのは無理と判断したのでしょう。L字金具を使って各部に補強を入れる事にします。
段々イメージが湧いてきました。次回は材料を切り出して行きます。
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