ジャンクエンジンってど~なのよ?①

 今から遡る事数か月前に「ジャンク・部品取りってどんなのよ?」って思いながらヤフオクで落札したカブ50のエンジン。届いたのを箱から出した途端にドス黒いオイルが垂れて来ました。『エンジンオイルを抜いて発送します』とあったのに何故?もしかしてクランクケースに破損があるのかと不安になりました。


「ん~っと、オイル漏れだらけでどこかわからんなぁ」


 掃除をしていくと漏れ個所が解りました。


「チェンジペダル・キックペダルとタペットカバーから漏れてるんやな」


 この3か所はカブ系エンジンの中でも漏れやすい個所です。長年使っている間にオイルシールと呼ばれるゴムパッキンが傷んでオイルが漏れます。ペダルの軸は動かすところですから擦り減りやすいんですね。タペットカバーは熱の影響で傷みやすいんだと思います。


 オイル漏れを確認したあとは何個か部品を外して置いてありましたが、手持ちにジャンクの部品や使えるけれど見た目が悪い部品が集まったので修理してみようかと思いました。使える部品で1台組んで、本当のゴミ部品を捨てれば部品棚の整頓になりますからね。


「まぁどの道分解や。この道を行けばどうなるものか、行けば分かるさ何事も」


 エンジン分解時の基本はピストンを圧縮上死点に合わせる事からスタートです。クランクシャフトを回そうとしたのですが


「クランクが回らん……固着じゃないけど変な手ごたえがある」


 仕方が無いのでそのまま分解します。


「うへぇ……真っ黒や」


 タペットカバーを外すと真っ黒なロッカーアームがこんにちはしました。オイル交換をしていなかったのか、それとも焼き付いているのか。


「腰下は分解した形跡が無いなぁ」


 大きな分解整備は無いようです。使うだけ使った車体から降ろしたのでしょうか?どんどん分解していきます。


「ヘッド周りは……なんじゃこりゃ?」


 屋外に放置されていたのでしょうか?インマニの中から粉が出てきました。幸いな事にヘッドの固着は無く順調にヘッドを外すところまで行きました。


「うわ……カーボンまみれや」


 燃焼室にはオイルで湿ったカーボンがビッシリです。ピストンヘッド頭部にもカーボンがビッシリ。でもブローしたとかではなさそうでした。不調ながらも動いていたのでしょう。少なくとも動かなくなるまでは動いていた様です(当たり前だ)


 続いてシリンダーを引き抜きます。その前にピストンに潤滑油を流し込んでおきます。もしかするとピストンリングの交換くらいで行けるのではと期待しながら潤滑油が浸み込むのを待ちます。


 まぁ結論から言えばダメでした。

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