プロジェクトX⑥君の中は…
ジャイロXの修理もいよいよ大詰めです。今回もサイドカバー内の整備です。
2輪のスクーターに比べて長いサイドカバーには色々なギヤが付いています。ホンダ車はキックペダルが下りたまま動かなくなる事が多いので各部を清掃してギヤやシャフトをグリスアップしておきます。グリスはあまり塗らない様に気を付けます。プーリーやベルトに付いたら滑ってしまいますからね。
キックギヤは後期型の場合は合いマークがどうとか有るみたいですが、初期型は無いのかな?ポンチマークやそれらしきものは有りませんでした。
今回、クラッチの残量はまだ残っていたので表面の光った所を紙やすりで削って終りです。クラッチシューの光っていない所がクラッチアウターに当たると良いなと思いながら荒めの紙やすりで削っておきます。
まぁサイドカバー内もベルトの削れた粉が溜まっているのとガスケットがこびりついているので掃除がメインとなるわけですが、今回、思わぬところでグリスまみれの大掃除をする事になりました。
ジャイロと言うバイクは特殊なバイクでして、初期型は特に変な作りになっています。今回驚いたのはウェイトローラーを交換するのにドライブ側のプーリーを開けた時です。今までに1度だけですがスクーターのウェイトローラーとベルトを交換した事が在ります。同じ感覚でウェイトローラーを交換しようとドライブ側のプーリーを開けると…
「何やこれ…グリス漬けやん」
モリブデン系ですかね?良く分かりませんがドライブフェイスはシールされてグリスが詰め込んでありました。ネットによれば初期型だけの特徴みたいです。
「今のバイクは軽くグリスを塗るか何も塗らないくらいや、グリスは要らんやろう?軽く塗るだけで充分やろう、オフロードで耐える様に念には念を入れたか加減が分からんかったんやろう」
そう判断してウェイトローラーは最初ほどではありませんがそれなりにグリスを塗って組みました。最初はハイスピードプーリーとか探していたのですが、初期型の部品が見当たらないのはこんな理由が有ったんですね。
あとは普通のスクーターと変わらない感じで組み立てです。オイルストーンで面出ししたクランクケースに新品のガスケットを付けて、サイドカバーを組んで、ひたすらボルトナットを取り付けて行きます。長いサイドカバーを止める沢山のボルト。
「ここで作業が早く進むか進まないかは工具を用意したかしないかで決まります。どんな工具かと言いますと…そう、ボルトポジションプレートです」
私の整備士時代に先輩が言っていました。
『面倒な事を面倒がってやらないと、あとで余計に面倒な事になる』と。
段ボール板にボルトを刺しておくだけで全然作業の進み具合が違います。
サイドカバー組み付けを終えてタイヤを取り付けます。ジャイロ初期型の場合は22㎜のナットでブレーキドラム兼ハブを取り付けて、そこへ3本の12㎜ボルトでタイヤ・ホイールを取り付けます。
最後にリヤフェンダー・エンジンカバーを取り付けて完成です。
さて、一応整備が終わったジャイロX、次回は試運転です。
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