それでは第一問にいってみましょー!

「では、気を取り直しまして。早速第一問にまいりましょう。


クイズセンタクシ!ツキカゲさん、スクリーンをご覧ください」



スクリーンには、小学生くらいの俺と、母親が映っていた。


母親は俺に向かって、夕ご飯はカレーとスパゲティどっちが良いと訊ねてきている。



「では、ツキカゲさんにクイズです。


実際にはツキカゲさんはこの時、カレーを選びました。


もしスパゲティを選んでいたら、さぁどうなっていたでしょう!」



俺はあの時、確かなんとなくカレーと答えた。


そしてその時、母親が作ったカレーを食べて以来、カレーが大好物になった。


ってことは、答えは簡単だ。


スパゲティが好きになった。ただそれだけだ。



「第一問目ですからね。サクっとまいりましょう。では正解の映像はこちら!」



映像が進み始める。


スパゲティを選んで食べ始めた俺。すると映像はどんどん早送りされていく。


やがて、年を取った俺が食品会社で


何やらスパゲティを試食しているらしい映像が映し出された。



「正解は!30代になって小学生の時に食べた母親のスパゲティの味が忘れられず、


食品会社へと就職し、スパゲティソースの新製品開発担当になる。でした!」



なんだよ!その答えは!そんなの当たるワケないだろう!



「残念ですねー。次は頑張ってくださいね。それでは第二問!」



スクリーンの映像が一瞬にして変わり、中学生くらいの俺が映し出された。


机に突っ伏して、何やら考え事をしているらしい。



「ツキカゲさんはこの時、好きな女の子がいらっしゃましたね?」



言われてみれば、確かにこの時期好きな女の子がいた。同じクラスの安達だ。


安達は容姿端麗で、男子の中でも特に人気の女子だった。


勿論、俺には到底不釣り合いな女子だ。



「実際には、ツキカゲさんはその女の子に告白などはしませんでした。


もし、告白していたら、どうなっていたでしょう!」



もし、告白していたら。考えるまでもない、フラれたに決まっている。



「なるほど、それがツキカゲさんの答えですか。では、正解を見てみましょう」



また映像が早送りになる。俺が安達に告白している姿が映し出された。


安達は困惑の表情を浮かべている。やがて、安達は俺に頭を下げた。


どうやら、やはりフラれたらしい。正解だ。



「おしいですねー。ツキカゲさん」



何がおしいんだ?映像は見ての通り、


フラれて無様な俺の姿が映し出されているじゃないか。



「このクイズの答えには、まだ続きがあるんですよ。


では、正解の映像を引き続きご覧ください」



スクリーンに目を向けると、映像が再び早送りで動き出す。


今と同じ、30過ぎの俺が映し出された。


映像のカメラが向きを変えると。


そこには中学時代から、より一層綺麗になった安達が映っていた。


安達は目に涙を浮かべている。どういうことだ?



「正解は、その場ではフラれはしたものの、


17年後、偶然街で再会して、意気投合し、結婚するでした!


いやー、おしかったですねー。ツキカゲさん」



ふざけるなよ!何なんだこのデタラメなクイズは!

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